0134. モフシマ作戦四 上前 次は肥料作りを始めよう
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先日、色々な作物のゲノム編集を終わらせた。これでどの効能がこの安房の土地に合うのかが検証できるようになっただろう。ようやく仕事始めの集まりのときに宣言したことが実現できそうで少しホッとしている。
あとは亜熱帯作物の寒冷地対応の検証ができたら、作物としては、一旦、キリが良いところまで持ってこれた感じかな。
次は何を始めようかな~って思ったけど、まだまだ農業改革が終わってなかったわ。何か忘れてるなと思っていたけどさ。
綿花の種子と椎茸のゲノム編集はしてないし、正条植えと塩水選もまだみんなに説明してないけど、両方とも種まきのときに私から説明すればよいだろう。
育苗箱は氏兼に言って木地師に作ってもらえばいいし。畑や田んぼは方形に耕地整理済みだから、そちらも大丈夫だろう。
そうすると、まだ先が見えてないのは肥料作りと農具の作製ぐらいか。農具は鍛治師と木地師に説明して作ってもらおう。ついに貯め込んでいた鉄のインゴットを放出して整備を進める感じになりそうだね。
私の方で作らないといけないのは、肥料作りの方かね。肥料と言ったら、魚肥、下肥、草木灰、米のとぎ汁ってじいちゃんから聞いたけど、とぎ汁はあげすぎるのは良くないとも言ってた。
肥料を作るにしても、どう作ったらいいんだろうな。いつものことだけど、智識が足らないのよね。まぁ、ちょっとわかることと言ったら、土の状況によってあげる肥料の成分を変えないといけないはずってぐらい。足りてる成分をあげてもメタボのようにその成分だけ過剰になっちゃうし。何事もやり過ぎ、取り過ぎは良くないのだって、口酸っぱく手伝いをしていたときに言われたなぁ~。
う~ん、でも、どうするかな。確か肥料の重要三要素は確か窒素・リン酸・カリだったはず。これもじいちゃんに言われたことだけど。それにカルシウムとマグネシウム、ホウ素、ケイ素を様子を見ながら、追肥するとちゃんと育つって言われたな。まぁ、農作業は日々、作物との対話だって、じいちゃんも言ってたしな。そうすると、特に最初は定期的に土の状態を鑑定して、それに合う肥料を錬成していく感じしかないか。
それじゃ、念のため畑をいくつかのエリアに切って、それ毎に土の状態を鑑定して行くことにすればいいかな。まずは、畑と田んぼが村のどこにあるか、氏兼達に確認しないと。
天堂に行くときにでも、氏兼達に話をすることにしよう。
「氏兼、歩きながらで悪いけどちょっといいかな。この間、御使い様と一緒に種籾の準備はしたけど、この種籾は今年は、私の畑だけで試すことにしたでしょ。
そうすると、みんなが育てている畑や田んぼは昨年と一緒にじゃない。それじゃぁ、仕事始めの集まりのときに言ったことが今年は実現できなくなっちゃうので、代わりに肥料を準備して、みんなに渡そうと思ってるんだけどどうかな」
「琴音様、確かにおっしゃる通りで、今年は昨年と変わらぬ事になるかと思うておりました。
皆に渡そうとしているのは、下肥や魚肥のことでございましょうか。それがあれば、確かに多少は収穫が豊かになると思いまする。
して、どのようなことをお考えでございましょうか」
「このあと、天堂に行って、御使い様に相談してからじゃないと出来るのかわからないけど、土も場所によって、肥えていたり、痩せていたりするでしょ。氏兼や沙門達みたいに。
だから、土の状態を観察して、足りないモノを見つけて、魚肥をあげればいいのか、下肥をあげればいいのか、草木灰がいいのかがわからないかなと思ってね。それが出来ないかって相談してみようと思ってるんだよ」
「それは素晴らしいですね。畑に魚肥や下肥を蒔いても、成長が変わらぬことがあると聞いたことがあります。たぶん、いらぬモノをあげておったのでしょう」
「やっぱり、そういうことがあるんだね。土の状態が良くなるだけでも、収穫できる量が増えたり病気などに負けないようになると思うよ。
それで畑を前に船の絵図に書いたように『いろはに』と『数』で場所をわかるようにしたいのだけど、それをお願いしてもいいかな」
「もちろんでございます。前に防災都市の話をされたときの絵図がございますので、それを見ながら、場所を振り分けておきまする。琴音様の畑2町は1町づつ『いの1番』と『いの2番』としておきます」
おぉ~、まさかこんなところで『いの1番』の言葉を聞くとは思わなかったな。思い出したくはないが、部長の口癖だったんだよね、この言葉。あの声でもう聞くことがないので良いが。
「まぁ、私の畑は無くてもいいけど、氏兼がしたいなら止めはしないよ。
とりあえず、それぞれの分けで2斤分の土を用意してほしい。できるだけ、真ん中にある土でお願いね」
土を取る場所がそれぞれ違うと正しい状態がわからない気がするので、場所も指定させてもらおう。気にし過ぎかもしれないが、こだわってしまうのだ。
「承知致しましたが、畑の分けはそれぞれの家族毎になろうと思いますので、200は超えまするが、よろしいのでしょうか」
思った以上に多いが、ここで妥協してもしょうがないし、私だったら、自分の隣の畑の土は調べてもらったのに、自分の畑の土が調べられなかったら不満に思うだろうから、全部やるしかないよね。
「構わないわよ。こういう事は丁寧に全部調べることが大事だと思うから。さっきも言ったけど、まず今日、御使い様に相談してできるとわかってから、みんなの畑の土を集めてね。
今日は、私の畑の土があれば十分よって、土を持ってきてないわね。今日は相談だけで、明日、実際に御使い様に土を見てもらいましょう」
あちゃぁ〜、土を持ってきてもらうのをすっかり忘れてたよ。まぁ、急ぎではないから良いけど、ついでに明日にでも、魚肥などの元になるゴミを持ってきてもらいましょう。
「氏兼、明日ついでに下肥や魚肥の元になるモノと草木灰を天堂の前に持ってきてもらえるかな。土を調べてもらうのと合わせて、どのような肥料を作る事ができるかも、相談して検証してもらおうと思うの」
「承知しました。それでは明日、用意しておきます。如何ほどの量を持ってこさせましょうか」
「土は、さっき言った通り2斤分でお願い。下肥などの元になるモノや草木灰も2斤分で良いと思うわ」
「それでは、その量を用意しておきまする」
さて、これで検証ができそうだね。でも、今日は久しぶりにやることが無くなったな。いつも通り、オガ炭作りと鉄のインゴット作りをしますかね。農具の作製もお願いしないといけないから、今日の分を渡してみるかな。
あと、鉄のインゴットを鋼化出来るかも試してみるか。
ウーツ鋼やダマスカス鋼並の鋼が出来れば最高だけど、ここはチートでどうにかできるといいな。