0132. モフシマ作戦三 月 品種改良の錬成は遺伝子工学
いつも通り、みんなで天堂にやって来ました。そしてをこれもいつもと変わらず荷車も置いてある。毎日毎日、オガ炭と砂を運んでくれる力士衆も大変だね。今度、力士衆を慰労してあげないと。何をすればいいかはわからないけど。
本当に助かるわね、まだまだ寒い日が続いているので、生産を減らすのは難しいから、このまま運んでくれないと困るからね。
さて、天堂に入りますかね。
「それじゃ氏兼、たき。それに沙門と筑馬。行ってくるね。今日もいつも通り、オガ炭作りと鍛錬してくるわ。
あと昨日、たきに聞いたことを御使い様と話をして試してくるから、だいたい一刻か二刻程で戻って来れると思うわ。それじゃ、オガ炭を中に入れちゃいましょうか」
天堂の中に入ったので、早速オガ炭作りを始める。もうルーチンワークになっているので、ササッと終わらせよう。今日の本命は、錬成でゲノム編集ができるかの検証だからね。
オガ炭作りは気合を入れたおかげか、いつもより早く終わったので、ゲノム編集の検証を始めよう。昨日、分けておいた種籾は部屋にそのままにしておいたので、すぐに錬成を試せるな。
昨日は、魔素を増やすのと単純な収穫量を増やすイメージだけだったけど、今日はたきにもらったヒントを参考にして、ゲノム編集をイメージしよう。DNAのらせん構造で収穫量に影響するところを交換するようなイメージでやってみよう。
それじゃぁ、始めよう。魔素は昨日の最後に注入したぐらい多めにしたうえで、ゲノム編集でDNAを交換するイメージをして。準備できたら、『錬成』っと。
おぉ~、昨日より光っているし、失敗した感じもない。成功したのか。昨日の最後のような感じだけど、昨日よりは光っていたし、大丈夫なのか?これで成功していたら、なんかあっさりできてしまったのが拍子抜けだぞ。
とりあえず、鑑定眼で見てみるか。って、昨日も鑑定すればよかった⤵orz
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『粟』
イネ科の多年草。雑穀類で五穀の1つに数えられる。ゲノム編集されていて、収穫量が通常の倍以上になっているが、味は通常の品種と変わらない。
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おぉ~、やっぱり成功していた。ゲノム編集のイメージで正解だったんだ、ヒントをありがとう、たき。今度、美味しいモノをご馳走するね。倍以上ってことは3倍とか4倍とかもっと増やせる可能性もありそうね。それもあとで試してみようっと。
よぉ~し、これで品種改良は色々と出来そうだね、ゲノム編集のイメージでやる方法なら、2つだけでなく、3つ、4つと掛け合わせても大丈夫な気がする。まぁでも、失敗したとき用に単体の品種改良も検証パターン通りに作っておくおくのが、良いかな。
とりあえず、まずはこの結果を踏まえて、検証するパターンを見直してみるかな。昨日までは、7パターンだったけど。それに複数の効果を混ぜたモノを足すと10パターンでいいかな。予備も含めて、全部で20個分の錬成をしますかね。
【検証パターン】
・収穫量が増えること
・冷害や日照りなどの天候の変動に強いこと
・病気や害虫などに強いこと
・美味しいこと
・収穫量増加+天候の変動に強い
・収穫量増加+病気などに強い
・収穫量増加+美味しい
・収穫量増加+天候の変動に強い+美味しい
・収穫量増加+病気などに強い+美味しい
・収穫量増加+天候の変動に強い+病気などに強い+美味しい
さて、パターン整理もできたし、じゃんじゃん検証をしていくかな。
それじゃぁ、まずは魔素を注入して、天候に強いゲノム編集をイメージして『錬成』っと、じゃぁ『鑑定』。出来ているね。
それじゃぁ、次に行きますかね、魔素を注入して、病気に強いゲノム編集をイメージして『錬成』っと、で『鑑定』。よし、成功。
なんだか、急にイージーモードになった気もするが、たまにはこんな感じもいいわね。気持ちがいいわ。
サクッと次に行きますかね。魔素を注入して、ゲノム編集をイメージして『錬成』っと、………。
ふぅ~、19回終わったぁ。最初の試しの分も含めて、粟の20個分の錬成が無事に終わったわね。次は、稗かな。
意外に疲れたから、今日は稗まで終わったら、ちょっと、狐火ちゃん達と遊んで帰りますかね。
ーー40分後
やっと、稗の20個分も終わった。稗も粟と同じパターンで、20個分を作り、それぞれわかりやすいように、袋にしまった。
1袋あたり1畝ぐらいだと思うので、20個で2反分ぐらいかな。
これで稗と粟を合わせて、4反分の種籾が準備できたと思う。まずは初めてだから、これぐらいで始めて今年の収穫を見て、どれで増やすかだね。4つ掛け合わせたのが、1番良い結果になると良いんだけどね。
それじゃ、狐火ちゃん達と遊んで、お風呂に入って帰りますかね。
ーー約1時間半後
やっ、やばい。もう3時間弱はいる。狐火ちゃん達と遊びすぎたし、のんびりと風呂にも入りすぎたわ。早々に戻らないと、氏兼とたきに怒られてしまう。ササッと防具に着替えて行かねば。
「氏兼、たき。ただいま。今日は、いつものオガ炭だけでなく、たきから助言をもらったことを御使い様と話をして、素晴らしいモノを作ってもらいましたよ。これを試しに今年は育てて、結果を見ようと思うので、よろしくね」
何にないよ、どうしたって、さも当然って顔をして、氏兼とたきに声をかけ、別の話題にすぐにする。
「琴音様、おかえりなさいませ。いつもより遅いので、心配しましたが、御使い様と何かなさっていたようなので、何も言いませぬ。それで、どのような素晴らしいモノを授かったのでしょうか」
よしよし、想定通り、怒られなかったぞ。今後もこんな感じで行こう。
「詳しくは、奥之院に戻ってからするけど、授かったものは、今までとは違う粟と稗の種籾だよ。また、明日以降は米や蕎麦なども作れるのでは無いかとおっしゃっていたので、楽しみだよ」
実際は、私が錬成で作ろうと思っているけど、氏兼達はそんなことは知らないからね。全て御使い様のおかげってことにしておこう。狐火ちゃん達には悪いけど、姿が見えないから拝まれたり、熱い視線もないので大丈夫でしょう。