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0131. モフシマ作戦三 不 品種改良の錬成って何?

ーー20分後

 とりあえず、オガ炭と砂鉄の錬成は終わったわ。オガ炭は、また外に持ち出す必要があるけど、鉄のインゴットは、当分アイテムボックスの中にしまいっぱなしかな。

 これでやっと粟の錬成ができるかな。ここまで来るのにだいぶ時間がかかってしまったけど。

 まぁ、まずは収穫量が増えるイメージしながら、魔素注入をしてみるかな。


 注入は終わったけど、これからどう錬成すればいいんだろう。普通の錬成はこの状態で錬成って思えば、錬成されるけど、性質だけ変更はしたことが無いからなぁ~、単純に出来るのかしら。

 種籾のまま、内面だけ変わるイメージで錬成してみるか。とりあえず、やってみて今までと同じように錬成されたら、別の方法を考えるしかないよね。

 じゃぁ、イメージを固めて『錬成』っと。あれっ、前に錬成を失敗したのと同じ感じだけど、今日は少しだけ光った感じがしたな。魔素が足りなかったか、イメージが足りなかったか、どっちだろ。

 もう一度試してみるか。もう少し魔素を注入して、いつもより濃いめの色にして、イメージは先ほど失敗したのと同じで一旦、やりますかね。

 ふぅ~、さっきよりはだいぶ色が濃くなったから、大丈夫だろう。それじゃ『錬成』っと。あれっ、また失敗した。でも、さっきよりは光った気がしたなぁ。

 そうすると、魔素量とイメージ両方とも足りてなかったのかな。いつものことながら、ヒントが少なくて、難しいわね。もっと楽にできないかしら。

 次はイメージを強くして、魔素量は最初に失敗したぐらいに減らしてみるかな。イメージをより豊作、たわわに実る感じにして。

 じゃぁ、『錬成』。やっぱり、失敗したなぁ。最初に比べると強く光ったけど、魔素量を増やしたのよりは、光ってない気がする。予想通り、魔素量とイメージの両方とも足りてなかったんだな。

 最後に量を多く、イメージを強くしてと。これで出来なかったら、他の要素もあることになると思うから、探すのは大変かもしれないな。

 よしっ、『錬成』。おぉ~、さっきよりずっと強い光にはなって、失敗した感じもないけど、なんか成功もしてないような。なんだ、この中途半端な結果は。ただ光って終わったのかな。

 でも、困ったぞ。魔素量とイメージを強くするだけでは性質を変える錬成が出来ないってことは、検証が何もできないってことになってしまうし、豊かな食生活が遠のいてしまう。他になにか要素はないか。似たようなことが無かったかな。

 


ーーーー

 あぁ~、結局、今日は時間切れだね。しょうがない。オガ炭だけ持って帰って、みんなに渡そう。


「みんな、ただいま。今日もオガ炭作りを手伝ってもらって来たよ。これから、扉の中から出すから、受け取りをお願いね」


「琴音様、お待ちしておりました。オガ炭は、我らが受け取りますので、中より押し出してもらえますかな」


「わかったわ。中から押し出すからよろしくね」

 私は再度、扉の中に入って、早速、アイテムボックスからオガ炭を出して、軽く外へ押し出すとスッと外から引っ張られていく。氏兼達が外から引っ張って、荷車に乗せていっているのだと思うおかげで、数分でオガ炭を全部外に出し終えた。


「琴音様、オガ炭は全て荷車に積み込み終わりました。本日は、オガ炭のみで大丈夫でしょうか」


「今日はオガ炭のみだよ。中で鍛錬してたし、農作物が豊作になるにはどうしたら良いかとかも一緒に考えてたからね。明日もオガ炭があれば同じ感じかな」

 今はまだ種籾を作り変えようとしているのは、内緒かな。出来上がったら、教えてみんなを驚かしてあげるのだ。



ーーーー

 昨日、帰ってからも性質を変える錬成は、なんの要素が必要なのかを考えたが、何も思い浮かばなかった。これは非常に不味いかもしれない。このままでは、仕事始めの集まりで宣言したことができなくなってしまう。

 ここは、たきやまつに聞いて、新たな発想を得るしかないかな、私の見落としていることに気が付くかもしれないしね。


 朝餉を食べ終わり、天堂に向かう前の少しの休憩時間ができたので、たきとまつに聞いてみることにしよう。

「ねぇ、たき、まつ。ちょっと質問があるんだけどいいかしら」


「琴音様、何でございましょうか」

 たきが天堂に行く準備をする手を止めて、こちらに振り返った。


「あるものの性質を変えたいのだけど、たきとまつだったら、どうする」


「性質ですか、あのぉ、性質とはなんでございましょうか。聞いたことがない言葉でございますが」


「あっ、えぇ〜、聞いたことないの。まぁ、いいわ。性質は、簡単に言うと硬い、柔らかいや、熱い冷たい、苦い酸っぱい甘いとか、モノの特徴になるようなことよ」


「なるほど、そういうことを性質というのですね。わかりました。琴音様は、その硬い柔らかいなどの性質をどのようなことかをして、変えたいとのことですね」


「そうね。それを考えたいのだけど、何か分からなくてね」


「そうであれば、別のモノを混ぜ込んで変えてしまえばいいのではないでしょうか。それと別のやり方としては、置きかえるということもあると思います。大工などは腐ったところを取り除き、新しいモノをそこに入れて見た目を整えて、木を丈夫にしていると聞いたことがあります」

 あぁ~、そうかぁ、魔素を注入しただけだと単純に混ぜ込んだだけだったのかも、今考えているような収穫量を増やすや天候や病気に強いモノを作るって、ゲノム編集食品の作物と同じじゃないの。いやぁ~、気が付かなかったわぁ。たきに相談してよかったわ。


「あぁ~、そうね。そんなことに気が付かなかったなんて、もうぅ、バカね、私。たき、ありがとう。参考になったわ、これで御使い様と色々と話ができそうよ」


「このような話でよければ、いつでもご相談ください」


「わかったわ。何かあったら、相談するから、そのときはよろしくね」

 よぉ~し、天堂に行ったら、早速、ゲノム編集をイメージして、検証してみますかね。なんかできそうな気がしてきたぞ。これでできなかったら、もう錬成で品種改良をするのは、無理かもしれないが。

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