0013. 同居人を誰にしよう
今日から月火木金の週4日更新になります。
次話は明日17日7時になります。
お知らせ、皆さんのおかげで、
日間ランキング(1月15日夜更新)
歴史(文芸)で27位
久しぶりに30位以内に入ることができました。
ありがとうございます。
また、週間ランキング45位、月間ランキング88位
とランキングに載ることができました。
まだまだですが、これからも読んでいただけるような話を書きたいと思いますので、よろしくです。
定期的に長く投稿しようと思いますので、ブックマークと☆、「いいね」で評価をしてくれたり、ゆるめの感想とご意見もらえると、嬉しいです!!
「真里よ。護衛として社に送る宮司と禰宜、権禰宜、出仕のうち、禰宜、権禰宜は、荒事が出来るものでないと護衛として役に立たないと考えておる。
社が出来るまでに信頼できる透破、乱波など、武士でないものを探し出して取り立てるのが良いとも思うのじゃが、いかが思う。
それと彼らは下賤な者として金雇いされておると聞いておるが、金雇いではなく家臣として雇うて、神領の土地に住まわせれば、護衛と神領の民を兼ねて良いと思うのじゃが、いかが思う。
つまり、彼らに神領の中の神域の土地管理を任せる事で忠誠心を得て、裏切らぬようにするのがよいと思うのじゃよ。
そのためにも一族で移住してもらえることを前提で探さないといけないだろう。あと、宮司は儂らと文のやり取りが必要であるから、親族の中から、誰ぞかを付けることとし、当面の表向きは傅役として付けることにしようと思うておる。
最後に出仕は、琴、姫御子様に絶対的な忠誠を持って、体を投げ売ってでも、姫御子様を護衛する必要がある考えておる。それと1番近くにいるのだから、話し相手も兼ねて年齢は近いほうが良い。
そうなると、琴の兄、我が子二郎太郎と、まだ小さい孤児の奴隷を何名か買い入れるかと考えておる。孤児は連雀に頼み、どこからか人買いをさせるかと」
「琴を守るには、お前様の言う通り良さそうですね。ただ、透破のものを探すのは、些か骨が折れる事になりそうですね。
お前様の言う通りの者たちがどこに居るのかを探すのが大変だと思いまする。何か考えはございますか。
それと孤児の奴隷なら、わらわの実家筋の甲斐でよいと思いまする。あそこは、民が生きるにはツラい地獄の地。人減らしのために、人売りが当たり前の地です。
安く人買いが出来ますし、食事がしっかり取れるだけで忠誠心が育つと思いまする。それとそうですね、侍女と女中は、同じく甲斐の孤児の奴隷でよいでしょう。
兄弟、姉妹なら、逃げ出さないでしょうし。巫女2人はお前様が考えている透破、乱破の一族の女性の中から選抜すればよいでしょう。
女官にする者は、宮司と同じ様に信頼できる者が、絶対ですね。私との文のやり取りもあるでしょうし、侍女の取りまとめをしている【たき】か、たきの娘の【まつ】がいいかしらね」
「そうじゃの、出仕、侍女と女中は、甲斐で孤児を買い求めるか。義父上に文を出してお願いをするのが早かろうか。
それと二郎太郎は決まりか、あやつは心根が弱いが真っ直ぐに動く事はできるじゃろう。たきとまつは、どちらにするか」
「そうね。宮司とも話をする必要があるでしょうから、まずは、たきにお願いして、琴が大きくなったら、まつに交代かしらね」
「まぁ、それがいいかの。あとは、透破、乱破と宮司にする親族か。琴が大きくなったら、宮司は、二郎太郎に交代させるにしても、まずは、たきと話ができる人物か。そなた、誰がよいのを知らんか」
「それでしたら、甥の堀内兵部少輔氏兼はいかがです。たきの顔も知ってますし、二郎太郎とも話ができるますし、よいのでは」
「おぉ、氏兼がおったのぉ、ちょうどよい。ガタイも大柄であるし、護衛を取りまとめるのには丁度良かろう。それじゃ、宮司は氏兼とするか。
最後は透破、乱破か。儂が知っておって、ここ坂東でも名前が知れているのは、伊賀者、甲賀者、風間衆か。あとはちと違うが、出羽三山の修験者や鞍馬衆、飯母呂、信濃の戸隠あたりか。
伊賀者、甲賀者は、他家も使っておろうし、北条に近い風間は無しじゃな。修験者は、一人で修行するものが多いと聞くので、神領の民としては無理であろうし、こちらに来そうにないの。そうすると、鞍馬天狗の血筋の謂れがある鞍馬衆か、将門の乱に加担したという飯母呂一族かの。
戸隠は、名前だけで儂もよくわからないしな。ただ、飯母呂の一部は風間に移ったとも聞く、ここは鞍馬衆、飯母呂一族共に誘い、牽制しあうようにするか。
まずはそれでいかがじゃ。人がどのくらい集まるか分からないから、この後のことは、集まってから考えることにするか」
「そうと決まれば、みなを呼び、話をせねばならぬが、どこまで話すか、考えぬばな。呼びに行かせてる間に、真里、詰めるぞ」
「誰ぞ、氏兼と連雀の光賀を呼んでまいれ。氏兼には火急に大事な話があるゆえ、すべてをおいて直ぐに来るように伝えてくれ。光賀には明日の巳の刻に商いの話があるとな」
少し大きな声で外の廊下にいる小姓に声をかけると、二人がすっと立ち上がり、それぞれを呼びに小走りに出て行った。