0126. 厳かなにするには音楽が必要だけど
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二日後、仕事始めの日がやってきた。今まではこのような集まりをしていなかったようだが、今後は、少しづつみんなとの交流と私の想いを伝える場を作っていきたいと思っている。
ただ、どんな雰囲気の場にしたらいいのか、悩んでいる。モブな私としては、そこまで堅苦しいことにはしたくないが、姫御子の立場があるので、それなりのことをしなくては、周りで頑張ってくれてるみんなの顔を潰すことになってしまう。そのバランスが難しく、悩ましい。
でも、最初からラフな感じでやってしまうと、引き締めるときが大変になるかぁ~。特に今回は姫御子としてこっちに来てから初めてだし、秋の収穫祭りのときなどもかなりキチッとやってしまったから、急にラフになりすぎると驚きすぎて大変になりそうだね。
ここは、少し硬めというか、せっかくの大聖宮なので、年始の厳かな雰囲気を醸し出す感じにしましょうかね。そうなると、本当は雅楽とかで雰囲気づくりができるといいんだけど、まぁ、そこはしょうがないか。代わりに何か琴や笛など楽器があるか、あとでたきと氏兼に確認してみるかな。音があるのとないのでは、かなり違うからね。
「ねぇ、たき。このあと、町の広場で仕事始めを始めるじゃない。その時に音を出したいんだけど、琴や笛みたいなものはあるかな。音を流して、少し厳かな雰囲気にしたいんだよね」
「琴音様、急なお考えでございますね。琴はこちらには持ってきておりませぬが、篠笛なら収穫祭りのあとにこちらに送ってもらい、持っております。私以外にも、何人かは持っているはずですよ」
「へぇ〜、そうだったんだ。それじゃぁ、ちょっと篠笛を貸してもらえるかな。私が吹いてみるから」
こっちに来てから篠笛は吹いてはないが、令和の子供の頃、祭囃子を習っていて篠笛も吹けるのだ。とはいえ、前世を合わせて、20年ぐらいは吹いてないので、一応、吹けるか試さねばね。
「琴音様が笛をお吹きになられるのですか。篠笛の練習はされていなかったと思いますが、大丈夫でしょうか」
「天堂の中で、少しだけ御使い様と練習したから、少しは吹けると思うのだけど、一回聴いてもらえると助かるわ。なので、篠笛を持ってきてもらえるかな」
たきに篠笛を持ってきてもらう間に、記憶の片隅になる吹き方と手の動きを思い出しながら、エアで練習をしてみる。
5-10分ぐらいでたきが戻ってきたので、たきの篠笛を借りて、早速、笛が吹けるか確認をしてみる。
「たき、ありがとうね。早速、御使い様と練習した曲を吹いてみるから、聴いてみて感想をもらえるかな。実際の仕事始めのときは、別の曲にするからね」
「承知しましたが、御使い様と練習した曲であれば、聴いたことがない曲になりますので、そこまでの感想をお伝えできるかわかりません」
「そこまでしっかりとした感想で無くていいよ。上手い下手やみんなに聴かせても大丈夫かとか、そのぐらいの感想でいいから、それじゃぁ、早速、吹いてみるよ」
さてと最初の曲は確実に吹ける曲にしよう、子どもの頃に散々習い事で練習したあの曲。
ーー演奏後
「ねぇ、どうだったかな、まだまだな部分もあるけど」
昔取った杵柄で、それなりに吹けたとは思うけど、どうだったのだろう。この時代では聴かない曲調だったと思うので、ちょっと心配は心配だ。
「琴音様、ここまで吹けるなんて思いもしませんでした。曲の中身は正直わかりませんが、私が吹いても、ここまで上手く吹ける自信はございませぬ。皆の前で十分吹けると思います、いや、吹かねばなりません。秋祭りのとき、琴音様の舞を見れず、落胆したものも多うございましたから、今回は是非ともお願い致しまする」
やっぱり、ヲタダンスは皆、期待していたのね。でも、来年というか、今年も踊らないぞ。これも年始の誓いだ!
まぁ、ダンスは先のことだから、先延ばしで将来の自分にお任せして、笛は十分な感じのようだから、あとはなんの曲で吹くかだね。