表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
123/324

0123. 年末調整 転 みんなで作って温かく

ーー30分後

 さてと、お目当て(炭の種類と作り方)の本があり、しっかりと読めたので、これでオガ炭と竹炭はできそうね。


【オガ炭】

1.オガ粉を乾燥処理をする

2.オガ粉を加熱圧縮成形し、固形化、成形化する

3.固形化したものを釜で焼いて炭化させる

 1と3は、将来的にというか、すぐにでもできるだろうけど、2は器械を作らないとだね。テコの原理を利用して圧縮できるモノを考えないとだね。3も登り窯を作らないとちゃんと出来ないだろうから、徐々にだね。


【竹炭】

準備.竹を短く切り、割っておく

1.(無煙炭化器)で竹を焼く

2.竹を炭化させる

 こちらはオガ炭よりも簡単に作れるのだが、無煙炭化器を作らないとみんなに任せることができないな。


 そうすると、まずはサンプルのオガ炭と竹炭をそれぞれ30-40個づつ作って、使用感を確認してもらうのと、圧縮できる器械と無煙炭化器もいくつかサンプル作って実際にできるか試してもらうことにしよう。

 圧縮できる器械は果汁絞り器みたいなモノを一旦作ってみるかな。素材は圧縮器の方は、前に作っておいたナノセルロースで、無煙炭化器は鉄を薄くして作ってみますかね。


 それから1時間ぐらいかけて、サンプルの炭と器械を作り上げた。錬成である程度のものが作れるようになったが、今回も良い働きをしてくれたと思う。

「オガ炭と竹炭は、それなりにできたかな。オガ炭を錬成で作るには、成形されて無いと、余計に魔素を使うことも分かったし、作るなら成形までをみんなにやってもらい、炭化だけ錬成で出来ると効率的かもね。

 竹炭の方も、無事にできたけど、こっちも竹を切ったり割ったりするのまで錬成ですると消費量が多くなって大変そうだね。こっちも準備はみんなに任せることにしよう。

 あとは道具だね。さすがに無煙炭化器はこの中では実験出来なかったけど、構造は簡単だからたぶん、大丈夫だと思う。圧縮器は、ちょっとだけ、こだわって、ちくわのように真ん中に穴が開いている形で成形出来るようにしたのだ。いやぁ~、ちょっと苦労したね。時間のほとんどは、圧縮器の製作だったからね。あとは、火鉢も作ってみた。内側を薄い鉄でコーティングしたものだ」

 さてと、一旦、出て外での受け取りをお願いしますかね。もうなんだかんだで、一刻ぐらい経ったからね。


「氏兼、たき。ただいま。無事に帰ってきたよ。それと御使い様に手伝ってもらい、少しだけお試し出来るように作って来たから、出すのを手伝ってくれるかな。出し終わったら、この場で説明して荷車に積み込んで行こうか。あと炭は手で触ると汚れるので、袋も用意してもらえるかな」


「琴音様、無事にお戻り、安心しました。お疲れ様でございました。荷物を天堂から出すのは問題ありませんが、荷車は、力士たちと共に帰ってしまったので、呼び戻しに行って参りますその際に炭を入れる袋も持ってこさせましょう」

 おうっ~、荷車を残しておいてって言うのを忘れてたね。失敗、しっぱい。


「それじゃぁ、もう一度中に入って、押し出すので、氏兼達は、引っ張り出して、脇においてもらえるかな」

 そう言って、天堂の中に入り、アイテムボックスから、炭と道具を順番に出しながら、外へ押し出していったが、量も少なかったので、5分もかからず終った。


「さぁ、出し終わったね。力士達と荷車が戻ってくるまでに、今日、作ったものを説明するね。まずは見たことあるのもあるかな」


「このはじにあるモノは竹が炭になったものと思いまするが、それ以外は見たことないモノになります。竹の炭も使ったことはありませぬ」


「そうなんだ。わかりました。それでは一つ一つ、説明していくね。今日、作ったのは見ての通り、五つよ。左端から、竹炭、無煙炭化器、オガ炭、圧縮器と火鉢ね。

 竹炭は竹から、オガ炭はオガクズから作ってあるわ。竹炭は、火が付きやすいけど、時間は短く、火の強さもそこまで強くないので、量を入れて使うか、狭い部屋とかで使うかね。

 オガ炭は、使うと灰が飛びやすいので、囲炉裏とかかまどで使う感じね。でも、かまどだと距離があるのから、下を底上げしないとちゃんと使えないかも。

 火鉢は、中に竹炭やオガ炭を入れて使うものね。火鉢の近くに座って、暖かくなるものよ。一旦、ここまでで何か気になることはあるかしら」


「いえ、話の内容は大丈夫ですが、皆が使えるようになれば、冬越しもだいぶ楽になるかと思いまする」


「それじゃぁ、続けるわよ。こっちの無煙炭化器は、竹炭を作るための道具よ。いま、立てているようにして、中に竹をあふれるぐらい入れて、竹を燃やすだけよ。炭になって火が出なくなるまで燃やせば竹炭ができるわ。

 それでこっちの圧縮器はオガクズを成形する道具ね。残念だけど、成形したあとに炭にするには、登り窯というものが必要らしいので、今はみんなでは作れないわ。でも、天堂の中で御使い様に手伝ってもらえれば作れるから、頼んでおいたわよ。

 みんなはオガクズを乾燥させて、成形するところまでやって欲しいわ。使い方は、上の棒を上げて、箱の中に半分ほどオガクズを入れて、その上にこの棒を差し込んで、そしたら残り半分にオガクズを入れ、上の棒を下ろして、下の棒にくっ付くようにしながら、呼吸20回分くらい押さえれば出来上がりよ」


「何と、御使い様に手伝っていただけるようにお話をしていただいたのですね。ありがとうございまする。それでは、我らは、竹炭の作製とオガクズを成形することをすればよろしいでしょうか」


「そうね。年越し、冬越しの準備で忙しいと思うけど、みんなで協力して、準備していきましょう」


 その後、荷車に乗せて奥之院まで運んだ荷物はテキパキと仕分けされ、たき、氏兼、沙門、筑馬の4チームでそれぞれ検証することになり、翌日、また集まることになったのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ