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0111. ダンジョンは令和仕様でお一人様用

 無事に氏兼とたきを説得して、ダンジョンの中に入ってこれたが、今日は初日なので、あまり長く中に居ると、怒られてしまうだろうから、サクッとどんなダンジョンなのか1層の入り口辺りを見るのと、セーフティゾーンがあるのかぐらいの確認で終わりにしよう。

 あとは、定期的にここでスキル練習やレベルアップをして行こう。さすがに、パワーレベリングをすることはできないだろうから、慎重にだね。


 扉から入ってすぐのところから、いきなりダンジョンは始まって無かったのは、ホッとしたが、ここはアレだな。

 八百幻の待合室だね。懐かしいなぁ、ここで八百幻のアバター設定をして、狐火ちゃんに初めて会ったのを思い出す。確かに八百幻に似たダンジョンを造っておくからって、手紙には書いてあったから、どこまで似てるんだろうって、興味はあったけど、ここまで再現しなくてもいいと思うのよね。

 まぁ、ここまで再現されていると嬉しいのは間違いないけど。何か令和に帰ってきた気分になれるし。おっと、昔を思い出して、感傷に浸っていても時間ばっかり過ぎてしまうので、ここは気持ちを切り替えて、待合室を見て回ろう。八百幻のときとの違いは何かあるかもしれないしね。


 結局、少し見て回ったが、違いはほぼ無かったわ。2ヶ所だけ、新しい扉があったが、それ以外は変わってなかった。入ってきた扉と新しい扉以外にもう一つあるけど、その扉は八百幻の世界に行くときに使っていた扉そのモノだったので、多分、その扉がダンジョンの中に繋がっていると思う。

 それと新しい扉の1つは、私の令和(前世)のときの自宅マンションの部屋の扉なんだが、どうしてあるのかな。これは確実に私の部屋が再現されていると思う。ありがたいけど、これはこれで、ご都合主義過ぎないかなとも思わないでもない。もう1つの扉も見覚えがあるが、いつの間にその扉に先のことを知ったのだろうか。不思議でたまらないが、今日は自分の部屋に入りますかね。

 さて、自分の部屋の間取りが再現されてあるんだろうなと思いつつ、サクッと中を確認しましょうかね。意を決して、扉のドアノブを回して開けてみる。想定通り、私の部屋の間取りだったけど、何も無い、引っ越してくる前のガランとした部屋だ、まぁ、そりゃそうよね。私の部屋の荷物、今、私のアイテムボックスの中にあるんだから。

 部屋の中を見回して、何か違いがあるのかなと思ったが、全く違いはなかった。水は出るし、キッチンのコンロは火が点くし。電気も多分、付くだろう。これで電気だけ使えなかったら、クレームモノよ。

 お風呂もトイレも完備されていて、電気ガス水道があるって、ここにいれば快適に過ごせそう、料理も作れるから、狐火ちゃん達に振る舞えるだろうし。

 でも、狐火ちゃん、常時顕現しているけど作った料理、食べれるのかな。今までずっと一緒にいたけど、ごはんあげたことなかったわ。帰ったら、食べれるか試してみないとね。

 いやぁ~、ここでずっと過ごしていたいわ。自分の部屋に引きこもって、狐火ちゃん達と遊んで暮らすって、最高じゃない。誰も入ってこれないし。最高の自宅警備員、いや、自宅警備隊になれそう。まぁ、そんなことしたら、たきに視線で射殺されちゃうけど。

 あと、私の部屋の荷物は、今度、設置しましょうかね。とりあえず、アイテムボックスから、絶対に奥之院の部屋で出せそうにないモノだけ置いておこう。ソファーとか家電類とか。それと今気づいたけど、窓の外も景色が見えるわ。私の部屋から見えたのと一緒。でも、画像というか、動画っぽいわね。

 これ、実際の令和の外が反映されてるのかな。今度、聞ける機会があったら、確認してみようっと。それにしても、ここまでこだわらなくてもいいのになぁ。でも、外の景色が見れるのは、ありがたいわね。部屋の中しか見れないと、窮屈で息が詰まるかもしれないし。

 あれ、何か手紙が窓の隅に貼ってあるな。分かり辛いところになるなぁ。なんとなくだが、何が書いてあるか分かるが、一応、ちゃんと確認しましょうかね。


【手紙】

『この手紙を読んでるってことは、無事にダンジョンの入口を通れたようだな。このダンジョンは、お前さんの好きな八百幻って奴を参考に造ってあるので、戸惑うことはねぇと思うが、何があっても気にするなよな。

 人間諦めが時には必要だぞ。それと、宇迦之御魂神等がうるさいから、お前さんの部屋だけ作っておいたから、適当に使ってくれ。この手紙があるこの部屋がそうだ。細かい要求だったが、電気ガス水道も使えるようにしてある。

 どうだ、このダンジョンの建屋と扉、お前さんの部屋と、久々にいい出来で造れたので、お前さん、驚いただろう。あとお前さんが許可すれば、誰でもこの部屋までは入れるようにしておいたから、適当に使えや。ただし、ダンジョンの中には入れないからな。入って死なれても面倒くさいし』

 この喋り、誰だかわからないが、あの4人ではないな。このダンジョンの作成担当の神様なのは分かるが。

 それと、ここまで入れるようにできるのか、当面はいらないかな。まずはのんびりしたいし。


 ヤバいな。気づいたら、四半刻ぐらい経っているな。まだダンジョンの中に入って無いけど、これ以上いたら、心配かけすぎてしまいそうなので、一旦、戻るとしよう。

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