0108. 忘れていたダンジョンは徒歩圏内
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先日の収穫祭りは、最後はヒドい状態にはなったが、みんないい笑顔で飲み食いをしていたので、大成功と言ってもいいかもしれない。
これで年越しまでは、大きなイベントもなく、冬越しの準備を少しづつしていく感じだと思う。たぶん、忘れていることはないはず。
なので、これからの私は、冬の間に家でできる内職とか春に向けての準備、実験を進めて行こうと思っているのだが。なんか、みんなより忙しい気もする。こんなところで社畜根性とブッラク気質が出てことなくてもいいとは思うが、なかなかこびりついた垢や汚れは落ちないのだ。
でも、引きこもり生活のためには、生活の質を向上しないといけないので、待ったナシのタスクだと考えているので、今はしょうがないと思う。
とはいえ、実験とかできる場所ってあまり無いんだよね。土地は広いけど、森になってたりして、いい感じに拓けた場所が無くってね。どこかいい場所ないかなと思うが、なんだろう、なんか忘れてる気がする。うぅ~ん、ぉぉ~。
「姫御子様、いかがしましたか。そんなに唸るような声をあげて、何か考えている事でもありましたら、お話をお聞かせください」
気が付かなかったけど、声をあげてたんだね。ちょっと恥ずかしい。自分の中で、解決案の方向性がないから、たきに相談してみよう。他のみんなに話を拡げてくれるだろうしね。
「いや、ちょっと冬の間にみんなが家でできる内職とか春に向けての準備、実験をしたいなと考えてるんだけど、そういうことができる場所が無いなぁっと思ってね。
どこかいい場所ないかなと、たきはどこかいい場所知らない。この社の中で、できれば奥之院のそばにあると良いんだけどね」
「そうですね。一つ、気になる場所はございます。この社を建立しているときに、奥之院の一番奥に、突然、扉のような物が出来ていたと聞きました。
宮大工も造った記憶がなく、氏兼殿もその扉といっていいかわからない物とそれを囲う小さな建屋、廊下を造るように指示をしていないという不思議な扉?がございます。 宮大工が壊そうとしても、1丈から先に近づくことが出来ないと聞いております」
おっ、あぁ~、思い出したぁ。卑弥呼様が社の奥に八百幻の中であった地下潜行型のダンジョンを用意してくれてたんだぁ。
陰陽師・幻獣のスキルを試したり、中にいる魔獣を倒して、レベルアップしてねって、手紙で言われてたなぁ、すっかり忘れていた。ご都合主義だなと思ってたのに、何やってんだろ、忘れるなんて、私。
でも、その場所なら、色々と実験はできるね。とはいえ、その場所のことを私が知っていたとなると、面倒くさいことになるのは確実だから、然らぬ体でいこう。
「そうなんだ。そんな場所があるのね。もしかしたら、神様が私の姫御子としての鍛錬の場を用意して下さったのかもしれませんね。
ならば、その扉の部屋に行って、神様から何か御神託があるか確認をせねばならないわね。あとで、案内してもらえるかな。御神託があってもいいように準備をしておくから」
「姫御子様、本来ならきちんと安全を確認出来てから、その扉の部屋に向かってほしいところではありますが、御神託があるやも知れぬということであれば、氏兼殿に相談して、何かあっても、対応できるように準備致しますね」
まぁ、そんな準備しなくても、神様が用意してくれたダンジョンだと思うから、安心だと思うんだけどね。魔物の氾濫は起きないと思うし。
とはいえ、たきや氏兼達は、そんなことはわからないから、準備しないと不安なんだろう。準備することで、安心するなら、そこに口を出す必要はないな。
「わかったわ。氏兼と話をして、準備ができたら、声をかけてね。それまで、部屋で待ってるわ」
さて、準備ができるまで、花梨ちゃんと水蓮くんを顕現させておこうかね。ダンジョンに入ってから顕現させると時間がもったいないしね。
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「姫御子様、準備が整いましたので、お部屋にご案内致しまする」
あれから四半刻ぐらいでたきが戻ってきた。準備が出来たらしい。もう少し時間がかかると思ったが早いね、たきはやることが。花梨ちゃんと水蓮くんの顕現が終わり、狐火ちゃんと3人で魔素を使って遊んでたが、キリがよいところだったので、丁度よかった。
「ありがとう。それじゃ、行きましょうか」
部屋を出て、ダンジョンの入口に案内してもらうと歩いていったが、部屋から少し離れていた。
奥之院から、さらに山の中に入るところにあって、この場所に来るのは大変だなと思いながら、一応、私の部屋から廊下で繋がっているし、歩いて来れるので、そのへんの気遣いはしてくれたようで、大変助かるわ。
廊下の外にも道があって、荷物が運べるようにもなってるしね。