0100. 引越先の新しい家は想定外
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父上に促され、外に出てみると、引っ越し行列に参加する人数は、数百人ぐらいいるわね。氏兼が指示しているけど、いつの間にこんなに人を集めていたのかしら。
それにこの人たち全員が大聖宮の門前町に住むのか。それとも、格付けのための参加者なのか。まぁ、よくわからないけど、大げさにしないで欲しかったなぁ。
それとわたしもそんなに外には出てないから、知っている村の人は少ないが、それにしても、一人もわからないって。さらに顔つきというか、わたしを見る視線が推しを支えようとするヲタの視線な感じなのよね。
気持ち悪いとかじゃなく、『おぉ~、あの人が本物なのか、本物を初めて見たよ、すげぇ~、もう倒れそう』って感じね。みんなの前で何かしたことが無いのに、どうしてこうなってるんだろうって、不思議なのよね。これはあとで、氏兼かたきに聞くしかないか。
お昼過ぎに出た行列は、三刻ほどの時間をかけて、稲村から、平砂浦まで歩いて来た。わたしも歩くのかなと思っていたが、父上と母上から、歩くのは止めてくれと言われたので、氏兼に綱を持ってもらいながら、馬に乗って向かった。
わたし、誤解していたんだけど、この時代の馬って、サラブレッド種じゃないのね。どちらかというと、ポニーぐらいの大きさだったので、思わず、『私に合わせて、仔馬を用意してくれて、ありがとう』って、氏兼に言ったら、真顔で、『これ、親馬ですよ』って返事されて、マジかって思いながらも、恥ずかしかったよ。
馬具も令和とは違ってたから、ちょっと乗りこなすのが大変だったから、今度、時間を見つけて、馬具を改良しよっと。あと、馬はやっぱりサラブレッドがいいなぁ。格好良いし。
戦のときは、大きくて、的になっちゃうかもしれないから、馬車とか移動用からだね。でも、移動用に活用するなら、ばんえい種のほうが良いのかな。まぁ、今、考えても結論出ないから、今度、考えよう。
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「やっと着いたわね、氏兼。もう日が暮れちゃったから、村の様子を見て回ったり、引っ越しの挨拶するのは、明日以降だね。今日は、社で生活出来る準備を簡単にして、早めに寝よう。もう疲れたよ」
「姫御子様、お疲れ様でございます。ただいま、夕餉の用意をしておりますので、支度が整うまで、お部屋にてお休みください。たき、姫御子様をお部屋にお連れしてください」
たきが、荷解きなどをしていた手を止め、こちらに来て部屋に案内をしてくれるようだ。ここに来るのは、たきも初めてだと思うけど、間取りを頭に入っているのか。迷わず歩いて行く。いつの間に覚えたのか、来たのか。
さて、休暇しに自分のこれから生活する部屋に行こうとたきと歩いているが、なんか、廊下が長いのだが、どういうことだ。鳥居などは、普通のその辺の地元にあるような、令和のときと変わらないぐらいの大きさだったから、令和と同じくらいの大きさかぁって、想像していたんだけど、歩きながら、外を見ると建物の数も多いし、廊下も今までの倍くらい長いぞ。
部屋の間取りも、なんか変だし。神道の社だから、普通に賽銭箱とかあって、御本尊がその先にあるかなと思ってたら、全然違ってたし。参拝しかしたことないから、中はよくわからないけど、これは伊勢神宮とか明治神宮みたいに森の中に社を造った感じだな。外宮と内宮だっけ。そんな感じに分けてありそうだよ。
「ねぇ、たき、休暇しに行く、自分の部屋って、遠くないかな。これだと、さっき入ってきた入口に行くのが大変じゃないかな」
「姫御子様、先ほどの場所は、この大聖宮の外宮になりますから、姫御子様が普段の生活で行くことはほとんど無いと思います。この先に内宮があり、さらにその奥にある奥之院が生活する場所になりますよ。内宮は、外からの使者と話をしたり、氏兼殿や他の人と話をするための場所になりますから」
おっと、思ってた以上に広い敷地を用意をされているな。これは、スポーツ施設、幾つ分って、レベルだな。それとも、みんな大好き夢の国のサイズで話をする感じだな。まぁ、狐火ちゃん達と色々と遊んだり、実験したりするだろうから、広い分にはありがたいんだけどね。
あれ、もしかして、前に父上と母上の前で狐火ちゃん達とやらかしたことで、気を使って周りに迷惑かけないように広く取ったのかな。もしそうなら、申し訳ない。
それにしても、遠いなぁ。歩き疲れてきたから部屋に着いたら、寝ちゃいそうだな。もう夕餉もいらないかな。全て明日以降考えよう。馬に乗ってるだけでも、疲れが……。
みんな〜、お休み〜〜。