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0010. 目覚め、すでに【やらかし】されてました

本日から本編1章が始まります。次話は16日7時です。

活動報告に意見伺い(アンケート)を書いたので、ご意見もらえると助かります。


定期的に長く投稿しようと思いますので、ブックマークと☆、「いいね」で評価をしてくれたり、ゆるめの感想とご意見もらえると、嬉しいです!!

「行ったの」

「行ったのじゃ」

「行きおったわ」

「行っちゃったわねぇ♡」

 卑弥呼様?!は、次々と口調を変えながら、消えて行った虚空を見て、里見を気にしていた。


「彼女、私達のこと、完全に気づいていたわぁ♡あえてスルーしていたけど、かなりの直観力ねぇ♡今度は、今までよりは長く期待できそうで、観察するのが楽しみだわぁ♡どんな感じにハチャメチャになっていくのかしら♡♡」


「さて、約束通り、彼女の体は事故死に偽装するのじゃ。あと、部屋の荷物はオマケとして、全部、彼女のアイテムボックスの中に保管してやるのじゃ、向こうでアイテムボックス見て、驚く顔を観察するのが今から楽しみじゃ」


「ほな、多少、説明の手紙でも書いてや。見て、ビックリ!手紙見て、ビックリ!の方が楽しみがいがあるやろうし」


「陰陽師スキルの練習方法を伝えるから、ついでに書いておくわね。あと、彼女の母になる人に夢枕で彼女の事を伝えておくわ。

 彼女が転生したあとに伝えても、扱いが急に変わって、ビックリするだろうから、前日の夜の時間にお邪魔しようかしらね」


それぞれが、自由に口を動かしながら、卑弥呼?!様も虚空に消えていった。

 蛇足だが、里見の体(生命反応の無い)は、このあと事故死したが、部屋の荷物が一切無い事、検死で事故の時にはすでに生命反応が無かったことから事故死としては処理されず、他殺として捜査本部が立ち上がったが、当然のことながら、事件は解決せず、未解決事件のミステリーとして、定期的にTVを賑わすのであった。

 ちなみに、部長と課長も日頃の言動から、一時期、警察に容疑者として見られていたが、アリバイ等からシロと判断されていた。

 ただ、容疑者になったストレスからか、髪の毛は薄くなり、寿命も少し短くなったようで、里見が転生前に言っていた「くたばれ、ケガしろ、毛が抜けろ!!」の恨み言の一部が実現されていた。

 後日、このことを聞いた里見本人は、「ざまぁ」と思いつつも、新しい生活に満足していたので、直ぐに忘れてしまった。



ーーーー転生前日ーーーー

「・・里、真里。聴こえてますか?」

 いつお腹の子が産まれてもおかしく無い状況で、うつらうつらしていると、どこからか、わらわを呼ぶ声が聞こえる。


「わらわを呼ぶのは、誰じゃ、殿の許しがあって、こちにきたのか?」


「あぁ、やっと聴こえたのですね、何度も呼んで、声が少し枯れましたよ。早く気づいてくださいね。わたしは、宇迦之御魂神ウカノミタマノカミよ。

 今日は、あなたに伝えることがあってきたのよ。言葉を伝えるから、きちんと覚えておくのよ」


「ははぁ、五穀豊穣の御稲荷様ではありませぬか。ありがたく、御神託、一言一句忘れずにお受け致しまする」

 ふと気づくと、周りの音が聞こえない。わらわは、いつの間にか宇迦之御魂神様の神域におるようじゃ。


「真里、あなたのお腹の子にわたしの加護を与えます。また、あなたには視えないですが、まずは、わたしの御使いの1匹、白狐(びゃっこ)をつけておくので、しっかりと子供を育てるのですよ」


「宇迦之御魂神様、御神託ありがとうございまする。しかと、わらわは、承りました。わらわの身命に賭して、

お腹の子を育てまする」


「ちなみに、お腹の子は、娘、姫だけど、嫁に出しちゃダメよ」


「御神託、全て承知致しました。殿に確とお伝えいたしまする」


「それじゃぁね。元気に育ててね」

宇迦之御魂神様は、気づくとお消えになっており、音が戻っていた。次の瞬間、陣痛が始まったのである。


「だれぞ、だれぞ、おるかぁ〜、われは、陣痛が始まったぞ」

遠くからバタバタと小走りに走ってくる音が聞こえる。加護のある娘、元気に生まれてくるであろう。

 安心した気持ちで、体を横にした。御神託のことは、娘が産まれてから、殿に話をしましょう。



ーーーー

 ドタッ、ドタッ、ドタッ、力強い廊下を歩く音がする、誰かがわたしのいる部屋?の方に来ている。目も開けづらいし、体も動かしづらい、どうやらちゃんと赤ちゃんに転生されたようだ。

 『知らない天井だ………、吾輩は赤ちゃんである。名前は、まだ聞いてない』

 よっし、某アニメの名言とちゃんとつまらないボケもできてる、前世の記憶もあるな。それとキチンとまだ視えないが、何となく近くに狐火ちゃんの存在も感じられる。イャッホーイ!!

 他にも、近くに誰かが寝ているようだ。たぶん、この人が今世の母親になる人なのかな?

 そう言えば、【転生の書】に書いてあった1500年代って、具体的に何年で、里見氏の詳細情報と周辺の大名?、豪族?国人?との関係性って、どうなのか、聞くの忘れちゃったなぁ~。まぁ、長く観察して、楽しみたいみたいだから、直ぐに死ぬような状況では無いのだろうけどね。

 おっ、よくわからないが、人が部屋に入ってきて、そばに寝ている人に声をかけてる、どうやら、入ってきた人がわたしの父親のようだぞ。


「真里、ようやった、無事に子供が産まれてよかったぞ。男子では無かったが、姫なら、どこかよい嫁ぎ先を選ぶとしよう。

 まぁ、まずは無事に大きく育つ事を祈ろうぞ。とにかく、真里も無事、子も無事に元気でなりよりじゃ」


「さて名前じゃが、男の子ばかり考えておって、姫の名は考えておらなんだ。今、顔を見て、伏、伏姫で良いかのっ、おっ、なんかイヤそうな顔をしておる、それでは、琴、琴姫としよう」

 わたしの名前、考えてなかったのかーい。まぁ、それは良くはないが、横に置いて。伏姫って、前世の某時代に作られた8人の犬の話で出てくる姫の名前じゃない!!いやぁ、嫌じゃー、争い事に巻き込まれるやんけ〜〜、

 さらに、その設定時代って、1500年代じゃないし、どうなってるの?って、考えていたら、琴、琴姫になったわ。

 どうやら、わたしの嫌そうな表情がわかったようね。よかったわ。琴の字は八百幻でも、使ってた文字だから、愛着あるし、呼ばれなれてるから、安心だわ。


 なんか安心したせいか、赤ちゃんだからか、眠くなってきたわ。起きたばっかだけど、寝ちゃおうかしら。でも、お母様が父上様に何か、話そうとしてるみたい。聞きながら、寝ちゃいますかね。


「お前様、わらわは、しっかりと伝えねばならぬことがございまする。わらわも他の人から聞いたら、信じられぬ事ではありますが、身命に賭して、今からお伝えすることは、嘘偽りない真のことにございまする」


「真里、そちはいかがした。出産でなにか変な夢見でもあったのか。ただ、そちの言葉、その表情、ほんに真のことであろうな。言ってみよ、確と受け止めようぞ」


「お前様、ありがとうございまする。わらわは先日、この子、姫御子様を産む前の晩に、御神託を授かりました。

 わらわは直接、神、宇迦之御魂神様にお会いし、御神託を授かったのでありまする」


「なっ、なんじゃと。宇迦之御魂神様、御稲荷様の御神託じゃと。言っていい事と悪い事があるが、ほんに真であろうな」


「真でございます。御稲荷様の御神託は、3つでございます。

 一つ、姫御子様に加護を与える。

 二つ、わらわたちの目には視えないが、御稲荷様の御使い様をつける。

 三つ、姫御子様を嫁に出してはならぬ。以上でございます」

 うげー、御神託って、事前に両親に伝えちゃうの?転生のことは言ってないみたいだけど、これじゃぁ、崇め奉られちゃうじゃないのぉ〜、わたしのスローライフがぁ~~。

 んっ、でも待てよ。御稲荷様の姫御子って事は、荒事の神様で無いから、野蛮なところには、行かないか?それと神の御使いを狐火ちゃんにしちゃえば、狐火ちゃんと遊んでいても、不思議がられない?それはそれでラッキーだね。

 でも、これは、【やらかし】だね。もぉーぅ、目覚めたら、【やらかし】されてたって、ショックです。この先、大丈夫かなぁ。

 もう眠くなってきたから、起きてから考えよう。寝る子は育つを地で行くことにしよう

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