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ジェミニ 〜魂の契約者達〜  作者: えいりす
第三章 王都への旅
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50.呼び出し

町へ帰った2人に待ち受けていたものは……!


町へ戻ったエイシェルとアリスは、まずギルドへ依頼達成の報告に行くことにした。翌日でも良かったが、既に1日空いたため、早めに報告しておこうと思ったのだ。





ギルドに到着した2人は、なにやら忙しそうにしている受付のお姉さんを見つけアリスが声をかける。


「すみませーん。依頼達成の報告に来ました。確認をお願いします」


「はい、今確認しま……ってあなたたち!」


突然大声で叫ばれる。いつもと雰囲気が違う受付のお姉さんに2人は驚いた。いつものクールな態度ではなかったのだ。


「今までどこ行ってたの!?……あぁいや、無事ならそれでいいです。……少々お時間いただきます。部屋に案内しますのでついて来てください」


受付のお姉さんはそう言うと、黙って付いてこいと言わんばかりのオーラを放ち有無を言わせず歩き出す。


2人はなんのことか分からなかったが、本能的に逆らってはいけないと感じたため、黙って後に続くことにした。




部屋に到着すると扉が閉められる。部屋には受付のお姉さんとエイシェル、アリスの3人のみであった。


「それじゃあ、早速受付証を見せてちょうだい」


他に誰もいないからか、フラターと同様に口調が変わるお姉さん。ギルド職員はみんな同じなのかも知れないと2人は思った。


「はい、これです。確認お願いします。」


エイシェルが受付証明書を出すとお姉さんは内容を確認する。


「依頼主……メルカ。港町パエニンスラまでの道中護衛依頼。……依頼達成時依頼者補足事項。海からの巨大影接近に伴う避難誘導、および森林地帯の魔物討伐による追加報酬を支払う……」


受付のお姉さんは受付証明書を確認して読み上げる。

エイシェルとアリスはそこに書かれた補足事項までは目を通していなかったため、そんな事書いてたんだくらいに思っていたが、どうやらこの部分がお姉さんの確認したい点だったようだ。


「……証言と一致。間違い無いわね。……申し遅れました。私はここのギルドマスターをしているセラスと申します。」


「……は?」


「……はぇ?」


突然のお姉さん、セラスのカミングアウトに頭がついていかないエイシェルとアリス。それもそのはずである。ギルドマスターが受付などやっているはずがない。

そう考えるのも無理はなかった。


「あぁ、そうよね。受付してるギルドマスターなんて普通いないわよね……。」


セラスはエイシェルとアリスの反応を見て遠い目をした。受付の業務は本来ギルドマスターの仕事では無い。

では、なぜセラスが受付をしているかと……ひとえに人材不足によるものだった。ギルドは表立つ人はより丁寧な対応が求められる。

ギルドで働く人は元冒険者が多い。そのため、堅苦しい態度が窮屈で誰もやりたがらないのだ。

フラターも本当は堅苦しいのは嫌だが、できなくは無いため我慢して仕事をしているのだ。


「まぁそこは置いておいて……。コホン、この度は王国指定討伐対象の魔物討伐ご苦労様でした。王国騎士でも討伐が困難であった魔物なのに……よく4人無事で帰って来てくれました。……今回の依頼は不測の事態とはいえ難易度が跳ね上がってしまいました。それを誰も欠けることなく達成した4名には特例で、ランクを2段階上げる対応を致します。……お二方に関しては、本当はランクBにあげたかったのですが、まだ達成依頼数が圧倒的に少ないため、今後達成した依頼件数が規定数に達した時に改めてランクを上げさせていただきます。」


セラスはギルドマスターとして今回の対応を2人に伝える。それだけ危険な相手だったということだ。


「え、おれたちCランク冒険者になれるんですか!?」


「やったじゃない!4人揃ってCランクね!」


エイシェルとアリスが食いつく。やはり自分のランクが上がるのは嬉しいのだ。


「いえ、お二方はCランクになりますが、フラムさんとフルームさんは今回の依頼達成で依頼達成件数が20件になりましたのでDランクになり、そこにさらに2ランク上がるのでBランクになります」


「そうなんですね!……次2人に会ったらおめでとう言わないとね」


「そうだな。……セラスさん、2人が戻ってきたらおめでとうって言ってたと伝えてもらってもいいですか?」



フラムとフルームが一足先にBランクになったのを聞いて素直に喜んだ。そして、港町で別れた2人とはしばらく会えないと思ったエイシェルは言付けを頼んだのだ。


「いえ、そこは直接伝えてください。先程フラターがどこかにふらっと行ったので、おそらくそろそろ2人を呼んでギルドに来てる頃だと思いますよ?」


「あれ?港町で別れたはずなんだが……」


「あの2人戻って来てるんですか?」


セラスが予想していなかったことを言う。

港町で別れたはずの2人が来ていると言うのだ。

エイシェルとアリスが驚くのも無理はない。


「えぇ、昨日夜にこちらにきましたよ。どうやらあなたたちを探しているようでした。」


(だからあなたたちの捜索隊を出そうって話になって手配に追われてたのよ……!)




実は昨日の昼には早馬が来て今回の討伐の件が伝えられていた。ギルドにも討伐の依頼は出ていたので知らされるのは当然である。


そこに軍の関係者が来て説明が始まったが、気になるワードをいくつも言われたのだ。心当たりのある依頼者の名前、護衛任務という依頼内容、行き先、護衛にあたった4人のEランク冒険者。

わざわざ王都から討伐隊を派遣するような魔物をEランク冒険者4人が倒したのだ。当然軍としては倒したものは何者だとか、是非軍へ招き入れたいなどの話がでた。

そして、驚くことに姉妹の方はむしろ軍関係者だったため、残りのエイシェルとアリスの情報を求められたのだ。

特に話せる内容はないが、そもそも2人の個人情報をバラすわけにはいかないので、答えられる範囲に絞って話をしていると大蛇とか気になるワードが飛び出てくる。

初めはそんな危険なものとぽんぽん遭遇するわけないと思い、誰かが話を盛ったのかと思っていたが、そんな時にフラムとフルームが帰って来たのだ。


そこからは目が回るようだった。フラムが50m超の白蛇を見たと言い、フルームが2人がいなかったら今頃死んでいたと言い、数日分宿を取っているエイシェルとアリスが先に戻ってきているはずだと言い。

当然2人に興味津々な軍は宿をしらみ潰しに探す。そして、エイシェルがまだ戻って来ていないと知るとまたトラブルに巻き込まれたんじゃないかと捜索隊を出す話になったのだ。




……余談だが、軍人が宿に2人を探しに行った頃にフラムとフルームは何故かとても冷静で、待ってればそのうち戻ってくると楽観的に答え、自分たちが泊まる宿を探しに行った。




そこからはヒトを集めようにも夜に集まる人はおらず、ギルド職員でも捜索隊を作れるような人数ではない。軍が港町に応援を呼ぼうにも夜になっていた為移動は危険であり、結局今日の朝になって応援を呼ぶことにしたのだ。

ギルドとしても冒険者に声をかけて捜索に参加できるヒトを探していた矢先、当の本人たちが帰ってきたのだ。




「そうなのね!それじゃあ後でお祝いしなきゃ!」


アリスはそんなセラスの苦労を知らずに無邪気に喜んだが、エイシェルはセラスから漂う負のオーラを感じ取り素直に喜べる状況じゃなかった。


「……それでは魔物討伐の依頼報酬もお渡しします。もともと討伐できた方にお渡しするものですから」


そう言うとセラスが部屋の隅にある机に置いてあった袋を持ってくる。


「こちらが魔物討伐の報酬の金貨100枚です」


「はぁ!?」


「ひ、ひゃく!?」


2人はあまりの金額に驚きそれ以上声が出なかった。


「王都から依頼があったランクB以上指定のものです。危険度も相当なものなのでそれくらいはいきますよ。冒険者は対価を受け取る義務があります!もらってください」


初めから断る気なんてなかったが、セラスにそう言われて2人はやっと頭が動き出した。


「そう言うことであれば……倒した4人で分けようと思います。いいよね?」


「あぁ、もちろんだ」


アリスがエイシェルに確認する。この報酬は、4人じゃなきゃ貰えなかったものだ。だから4人で平等に分けるべきだと2人は思ったのだ。


(やっぱりこの子達いいわね……職員として雇いたいくらいだわ)


セラスは2人の誠実なところも評価しており、とてもお気に入りなのだ。





その後、ギルドカードの内容を更新してもらい、エイシェルとアリスは無事Cランク冒険者になったのだった。

次回はお祝いです。何か忘れてるような……?

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