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ジェミニ 〜魂の契約者達〜  作者: えいりす
第三章 王都への旅
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28.双子の姉妹

第三章開始です!

切れるところがなくて分割できなかった……

エイシェルの野菜スープを堪能した後、2人は別れ、朝にギルドに再度集まる事にした。


念のためエイシェルが泊まる宿を出る時にアリスの探し人がエイシェルである事は伝えてある。

今までの流れでわかっているとは思うが念のためである。





……余談だが、アリスはそこそこの宿を見つけ一泊銀貨2枚で泊まった。野菜スープを食べすぎた為、夜は抜いて銅貨3枚で宿の朝ごはんを食べる事にしたのだが、味もそこそこだったのでアリスは少し残念な気分になっていた。



アリスがギルドに到着するとエイシェルがギルドで待っていた


「エイシェル……おはよう……」


「おぅ、おはよう。なんか元気ないな?」


「気にしないで……それより、早くフラターさんのところに行きましょ?査定終わってるかも」


アリスは朝ごはんが微妙だったのを引きずっていた。ただ、フラターがあのイノシシの買取で手数料分は上乗せ出来るようなことを言っていた為、金貨数枚は手元に残るのは硬い。そうすれば宿を最初のところに戻してもいいかと考えている。それだけ最初の宿の料理が美味しかったのだ。

美味しいご飯が今のアリスの原動力だった。


「フラターさん。おはようございます」


「おはようございます」


アリスとエイシェルはフラターに向かって挨拶をした。


「…….おはようございます。本日はどのような御用件でしょうか」


そう言いながらフラターは2人を手招いて呼び寄せる。2人は出会ったばかりの態度を取られ少し困惑しながら近寄る


(その……ギルド内ではあんまり素で喋っちゃダメなんだ。ギルマスに怒られる。だから堅い感じになるけど勘弁な)


フラターはひそひそと2人に説明した。


「へぇ……なんだかギルドって堅苦しいのね」


「……俺には絶対出来ない芸当だ……」


アリスとエイシェルはそれぞれ感想を述べ、フラターの苦労を偲ぶ。


フラターは何事もなかったかのように話し出す。


「あぁ、昨日の買取の件ですね?申し訳ございません。まだ査定が出来ておらず、まだ数日はいただきたいです……」


「え、まだなんですか……?」


アリスが思わず口を挟んだ。


「……残念ながら昨日は丸一日通して氷を削る作業をしており、後もう少しで中身が取り出せそうと言うところまで来てるのですがまだ取り出せておらず……。なにぶん大きすぎるので運ぶのにも苦労しましたし……それに、なんなんですかあの氷は……なんであんなに頑丈なんですか?普通の氷じゃ無いですよね??一体何したらあんなに堅くなるんですか!?」


話しながら少しずつ怒りが湧くフラター。実はギルドの買取カウンターの席に戻る前まで発注した買取業者の工房にいたのだ。

早く2人に報酬を渡さねばとあれこれしていたら夜を明かしてしまった。


工房の者ともども寝てないのだ……!


そこに投下された氷を作った張本人の火種。フラターがアツくなってしまうのも仕方のないことであった。


「あ、あれぇー……?」


アリスはフラターがすごく自分に文句を言っている気がしたのと、自分が作った氷がそんな状態とは想像も出来なかったため困惑していた。


「……ごほん。失礼しました。と言うわけなのでもう数日待っていただけますようお願いします」


「は、はい。わかりました……」


アリスはもう少しで中身を取り出せるならあと1日くらいで査定終わるのでは?と思ったが、今話すべきでは無いと悟り何も言わなかった。


エイシェルはその様子を見て、変に飛び火しないように傍観するのであった。





「うぅ……何で怒られるの……査定も終わってないし……」


「……まぁ、運が悪かったと思って前を向こう。ほら、依頼ボードでも見に行こう」


とぼとぼと買取カウンターを後にしたアリス。エイシェルは元気づけようとするがいい言葉が浮かばず、とりあえず依頼ボードへアリスを誘った。


「そうね…….結局昨日稼いだお金が食事と宿代でほとんどなくなっちゃったから……また依頼受けて稼がないと……」


生きる為には稼がないといけない。とても厳しい世界であった……!


エイシェルとアリスは依頼ボードを眺めた。

そこに港町への物資運搬護衛の依頼を見つけた。報酬はひとり銀貨3枚と書かれている。


「この護衛の依頼いいんじゃないか?」


「港町……ここから行くと馬車でも丸一日かかるわね……」


「うわ、そんな遠いのか……宿代払ったの勿体無いな」


エイシェルは先払いで5日分の宿泊費を払っている。港町が丸一日かかることを聞き躊躇した。


「あー……しかも、これEランク冒険者は4人いないと受けられないって書いてあるな」


「もー!そんなのばっかなの?!Eランクって条件厳しすぎない?」


「まぁ、安全を考慮してだろう。4人いれば前方、後方、左右で担当を割れるし」


Eランク冒険者は駆け出しのため、安全を考えると厳しくなるのは仕方のないことであった。




「その依頼受けるなら私たちと一緒に受けない?」


突然後ろから赤い髪の少女に声をかけられる


「私たちもEランク冒険者なの。港町に行きたいんだけど、折角なら依頼を受けて行こうかなと思ってたんだ。ただ、あと少しでDランクに上がれるんだけどまだEランクだから条件に引っかかっちゃったんだよね……」


もう1人青い髪の少女が補足する。見たところ2人は髪色以外はそっくりであり双子の姉妹のようだった。両方とも剣を持っているところを見ると2人とも前衛なのだろう。


「ごめんなさい。依頼内容を見てただけなんです。港町まで行くとなるとすぐに出発しても到着が今日の夜になるなと思って……ちょっと遠いかなって話してたんです……」


「俺も宿代を前払いしちゃったからちょっと勿体無くてな……」


都合が悪いと断る2人。報酬は魅力的だが、距離が遠すぎるのだ。

そんな2人を見て赤髪の少女が残念そうに言う。


「あら、そうなの……残念ね。依頼を受けてくれたらお礼に美味しい海鮮のお店でご馳走しようと思ったのに……」


「そのお店の話、詳しく聞かせてちょうだい」


アリスは条件反射のように言葉を発した。


「え?でも遠いからって……」


「いいから」


「ち、ちょっと?アリス?」


「いいから」


赤髪の少女とエイシェルはアリスからの圧力に負けた。赤髪の少女は困惑しながらもお店について話し始めた


「まず、ここらでは魚は干物が売られていると思うんだけど、それは運んでる最中に傷まないように加工した物なの。そのお店ではここらでは出せないような生の魚を捌いて出してくれるの」


「……生の魚なんて食べて大丈夫なの……?」


アリスの常識では、魚や肉は焼かないと食べれないものである。それを生で食べるなんて信じられなかったのだ。


「獲れたての新鮮な魚は生でも食べれるんだよ!生だと身がぷりぷりしてて美味しいんだ!」


青髪の少女が興奮気味に話す。その様子にアリスはこの子とは話が合いそうだなと思い、親近感を感じていた。


「……そうなのね……。ねぇ、エイシェル?」


「アリス……まさか……」


「この依頼受けましょう!」


アリスは俄然やる気になった。やる気になったアリスは誰にも止められない。


「い、いや、宿代が……」


「一泊分なら私が出すわ」


「えっ……そ、それに、向こうに行ったら向こうでも泊まらないとダメだろ?」


「向こうでの宿泊代も出すわよ。本来払わなくてよかった費用はわたしが負担します!だから!ね?」


アリスはお願いのポーズをした。エイシェルはまた顔を赤くし目を逸らした。

アリスは無自覚だがエイシェルには効果抜群であった。


「し、しょうがないな……」


「ほんと!?やったぁ!」


そこまで言われたらエイシェルとしても断る理由はない。

報酬も手に入るし、上手くいけば王都への航路についても調べることもできる。そう思い今回の依頼を受ける事にした。


「そう言う事だから!よろしくね!」


「え、えぇ……」


「よろしくー!」


双子の姉妹も各々違った反応ではあるが、当初の目論み通りパーティを組む事ができたので目的は達成されたのであった。

新キャラ出てきました。今後の活躍に期待です。

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