26.買取のお兄さん
買取難航中。
しばらくその様子を見ていた2人であったが、エイシェルが口を開いた
「もういいんじゃないのか?」
「え、エイシェル!?終わるまで待ちましょうよ!?」
(せっかく買い取ってもらえるんだからやっぱやめたとか言われたらどーするのよ!)
アリスは焦った。エイシェルにしか聞こえないようにボソボソと文句を言う
「大丈夫だよ」
「やれやれ……きみ、本当に新人かい?流石としか言えないよ」
「えぇ………と……?どゆこと?」
買取のお兄さんの態度の変わりようにアリスは困惑していた
「山の方に人の気配を感じたんだ。それが査定を始めたあたりから感じなくなったから」
「御明察。たぶん冒険者だろうね。ギルド内で出張買取なんて言うから、他の冒険者が様子見に来たんだよ。大きな魔物を倒しても普通運べないから、出張買取なんてやったらみんな利用するだろ?」
「……エイシェル……気づいてたの……?」
「悪いようにはしないって言われたあたりからね」
「…….はぁ………焦ったぁー……」
アリスは気付かずにただ焦っていた。杞憂であると分かると疲れがどっと押し寄せてくる
「じゃあ金貨5枚は嘘なのね……」
「あ、手数料金貨5枚は貰うよ?聞かれちゃったし」
「なんでよおおおおおぉぉぉ!今の流れは少なくなるパターンでしょぉぉぉ!」
「あ、アリス、落ち着いて。きっと何か理由があるんだよ」
「むぅ………」
アリスは信じられないと言った顔をして不貞腐れていた
「ははは、楽しい嬢ちゃんじゃないか。……これは俺の努力次第なんだけど、査定に少し色をつけるんだ。元の金額が上がれば手数料取られても損はないだろ?」
「……なるほど。そう言うことであれば……はぁ……わたし商売とか絶対無理だわ……」
アリスは納得したものの、買取のお兄さんが瞬時に思いついたであろう内容に脱帽していた。
他の冒険者にいかに利用されないか。それでかつ不利益を無くすにはどうするか。色んな角度から考えないといけない。
アリスはまだ若い。これから学んでいくのだった。
「なにも、最初から出来たわけじゃないよ、経験が大きいね。買取手数料ってのもそっちから話すとは思わなかったよ。これから学んでいけば商人にもなれるかもね」
「いえ、冒険者なので商売はいいです……」
「俺も冒険者がいいかな……そういえばずいぶんと砕けた話し方になったな」
エイシェルはお兄さんの口調が変わったことが気になり話題に出した。
「あぁ、分かると思うけどこっちが素だよ。正直に言うと君達が気に入った。他に誰もいないし、あまり他人行儀に話すのが面倒臭くなってな。俺はフラター、元冒険者だ。今後ともよろしくな」
フラターは何も隠さず真っ直ぐに理由を話し、自己紹介をした。
「……ただ、今後はこんなサービス出来ないからな?今回は距離が近かったということと、買取物の状態が良さそうということで対応したけど、普通は対応しないからな?これからは自分でギルドまで運んでくれよ?」
「「はい!」」
エイシェルとアリスは気に入ったと言ってもらえて嬉しかった。ただ、フラターが言うように甘えてばかりもいられない。
2人はフラターに念押しされて逆に気合が入ったのであった。
買取話でどんだけ使ってるんだ……でもまだ続きます……!




