19.討伐依頼
やっと初めての依頼です
エイシェルとアリスは依頼者の元へ到着した
「ごめんくださーい。討伐依頼を受けた者でーす」
一応メインで依頼を受けたアリスが依頼者宅の扉をたたく
「おぉ、冒険者さんがきてくれたの……かの……?」
依頼者はおじいさんだった。ただ、目の前に現れた少年と少女は冒険者と呼ぶには若くて、本当に討伐依頼を受けたのか疑問であった
「はい!こちらがギルドの受付証明です」
昔は依頼を横取りするようなこともあったようで、今ではこのようにギルドから依頼の受付証明書を発行している。アリスも出発の際に受付のお姉さんから貰っていたのだ。
「……おぉ、本当じゃ。すまないの、2人がとても若くて細身だったから冒険者に見えなかったものでな」
「あはは……、ところで魔物はどちらに現れるんですか?」
「あぁ、裏の畑に出るんじゃ。山に面していてな、山から降りてくるんじゃ」
「そうなんですね……わかりました。まず畑を見せて下さい」
家の裏手に回ると広い敷地に畑が広がっていた
山側の畑が荒らされている
「あそこが荒らされてるところでな。どんどん家の方に被害が広がってきてて困っとるんじゃ。このままだとそのうち家も壊されそうでの……山に入って討伐してはくれんかのぅ」
依頼人のおじいさんはこれ以上被害を増やしたくないと思いギルドへの依頼を決めたようだった。……最終的に家も壊されそうな位置の為尚更であった。
「山の中ですか……少々山近辺を見てきますね。また後ほど会話させて下さい。いこ、エイシェル」
アリスは依頼者に断りを入れエイシェルと共に荒らされた地帯まで歩く
「山の中かぁ……見通し甘かったなぁ畑に出てくるのを待って討伐かと思ったてたから、難易度一気に上がった気がするわね……エイシェルは猟師をしていたのよね?山に入って討伐って出来そうかしら?」
それまで終始やりとりを任せていたエイシェルは考えていたことを話す
「まず、山での討伐は出来ると思う。相手が大きいから移動できる道も限られるし、見つけるのはそこまで難しくない。ただ、防御を考えると相手が悪い。小さな相手であれば物陰が隠れてやり過ごすことも出来るけど、討伐対象は大きいから隠れても隠れた物ごと押し潰されるのがオチだ。ただでさえ動きにくい山道だから尚更注意しないと」
「なるほど……つまり、見つけ次第攻撃されないうちに素早く仕留めるってことね。万が一仕留め損ったら……全力で逃げましょう……!」
アリスとエイシェルは方針を決めた。討伐してくる事を依頼者に伝え、山に入ることにした。
「さて、畑の近くに分かりやすく木が折れている場所があるから、少し距離をとりながらこの道に沿って登ろう」
エイシェルが先導してアリスが続く。とうとう初めての討伐依頼が始まった……!
「ぜぇ……ぜぇ……え、エイシェル……ちょっと……はやい……」
「えっと……まだ一時間くらいだけど……?」
アリスは山登りなんてしたことがなく、ところどころにある険しい道を通る度に体力が削られていた。
エイシェルもアリスを気遣っていつもよりだいぶペースを落としていたがアリスはついていけなかったようだ。
「ご……ごめん…….きゅうけい……させて……」
ついていけないどころではなかった。限界だった。




