10.今度こそ街から出発
アリス旅立ちます
アリスは荷物を最小限にまとめて出発することにした
「じゃあね、お父さん!お母さん!いってきます!」
「いってらっしゃい!気をつけるのよ!」
「いってらっしゃい。隣町の冒険者ギルドで冒険者登録忘れるなよー」
「うん!分かってる!」
アリスは生まれた街を後にした。
旅をするにもお金が必要だ。
お金を得る手段はいくつかあるが冒険者が色々経験できて勉強になると両親から聞いた為、しばらくは冒険者として生計を立てることにした。
余談だが、この時に両親が昔冒険者だった事を知った。
昔パーティを組んでいた仲間とドラゴンを退治したとかで父は国軍の指南役に抜擢されたとのこと。
まったく想像が出来ないと言ったら父は涙目になっていた。
隣町までは道が整備されており、人の往来も多い。
「思ったより人が多いわね。夕方には着けばいいけど……。ふむ……ただ歩くのもなんか勿体無いわね」
人が多いということは、街までの間で害獣被害が出ないように冒険者による討伐がされている筈だ。
討伐には怪我をする人も出てくるだろう。そうした時に怪我を治す薬が使われるはずだ。
その薬を作るためには薬草が必要になる。
薬屋がまとまった数の薬草を集めようとするなら冒険者ギルドに依頼する筈だ。
「よし、薬草とか毒消しとか薬に使われる素材集めながらいこう!」
考えを巡らせたアリスは道中、出来るだけ薬草など売れるものを集めながら隣町へと向かった。
「冒険者登録もするんだし、下級冒険者用に薬草集めの依頼とかあるでしょ!」
アリスは意気揚々と隣町へ向かうのであった
アリスが隣町に着いた時には夜になっていた
「ぜぇ……ぜぇ……や、やっと……着いた……!」
アリスは自分自身体力の無い方だと自覚はしていたが、今まで長距離を歩くなどしたことが無かったため、ゆっくり歩けば問題ないと甘く考えていた。その結果がこのザマである。
「歩くのも……何時間もかかると……かなりしんどいのね……!ヒールも……疲れには……効かないし……薬草集めも……途中から諦めたし……ふぅ……。ギルドは明日にして今日はもう宿に行こう……」
息を整えてアリスは宿屋へと向かった
カラン
店の扉をくぐりアリスは受付へ向かった
「すみませーん。今日一泊お願いします」
「はい、かしこまりました。お食事はどうされますか?今でしたら夕食に間に合いますが」
「あ、夕食もお願いします!」
アリスは疲れてくたくたになっていた為、宿で食事も出来ると分かると即答した。
「かしこまりました。明日の朝食はどうされますか?」
「あ、それは無しでいいです」
せっかく旅に出たのだ。自分で色々店を見てまわりたい。その思いから夕食だけ宿屋で済ませることにした
「それでは一泊夕食付きで銀貨3枚と銅貨5枚です」
アリスはコツコツ貯めていた自分の旅行資金から言われた金額を払った。
金貨が銀貨10枚と同額。銀貨が銅貨10枚と同額。銅貨1枚で手のひらサイズのおにぎりを1つ買える程の価値がある
(あまりに疲れたから目に入った宿にそのまま来たけど、今後は考えなきゃね……一泊銀貨3枚、夕食が銅貨5枚ってところかしら……?節約しないとすぐ無くなりそうね……)
今後の事を考えながら部屋に荷物を置き夕食を食べに食堂へ向かった




