第四話 神隠し
「それで、計画書のコピーを渡したのはあの人でいいのですわよね?」
「そうです、おそらく西園寺さんに情報を伝えたのはシルフィアさんでしょうね」
コユキは机を強く叩いた
「あのクソオカマ。。。次から次へと余計なことを。。。。アメリアさん!」
コユキは強い口調でアメリアを呼んだ
「あいつに強い制裁を。。。。あいつがもうあの子のことを考えられないような屈辱を」
「りょーかい」
アメリアとコユキは不穏な笑みを浮かべた
その後コユキは飛鳥達の元に戻り
寮の説明をした
飛鳥は渚と一緒の部屋がいいとごねにごね
結果飛鳥と同室になった
しかし飛鳥達は何か大事なことを忘れていた
そう....大事なことを
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「たっらいまぁ〜。。。あしゅかぁ?」
明日達が別世界に行った日の夜
12時を超えた頃に春香は帰っていた
「んもぉ。。。電気もつけないでぇ。。。らめれすよぉ〜」
春香はベロンベロンによっていた
その日は上司との飲み会があったからだ
春香は電気をつけ
ソファに着替えもせずに倒れ込み
そのまま眠りについた
...........
.........
.....
「飛鳥。。。きちゃ。。。きちゃだめ!」
「そうか、その子がお前が背負っていた使命を代わりに与えた人間か」
「ねぇちゃんをいじめるな!」
「飛鳥!」
........
...
「っ!?」
春香はベットから飛び起き時計を見た
時計は6時45分と表示されていた
「やっば!着替えてないじゃん最悪ぅ!!」
春香は飛鳥を起こしに二階の階段を上がった
「飛鳥ぁ!今何時だと思って。。。。。。」
飛鳥の部屋は昨日から変わってなかった
なにもそれどころか飛鳥はいなかった
「えへぇ。。。?」
春香は腑抜けた声を出し携帯で電話をかけた
「おかけになった電話番号は現在電波の届かない場所にいます」
「電波の届かない場所。。?」
電波の届かない場所に飛鳥は行くはずがない
例え電車で都市を跨いでも今時の携帯はそんな貧弱ではない
もしやと考えた春香の顔は真っ青だった
年間誘拐される子供は全国で約2万人
そのほとんどの子供が海外へ売り飛ばされて臓器だけ取られて海に捨てられているか
身代金のために殺されている
春香は飛鳥の学校へ電話をした
今の時刻は6時56分
飛鳥の学校はもう空いてるだろう
そう思い春香は電話をした
『はい、○○小学校の高橋です』
高橋と呼ばれた女性の声が聞こえた
「あの、高宮飛鳥の姉の高宮春香です』
「え!?お姉さん!?」
高橋は驚愕の声を荒げ
後ろで人が慌ただしく動いているのが音でわかった
春香は不穏な空気を感じた
「いや、昨日渚さんのところの施設の職員様が渚さんが帰ってないと言う連絡をしていまして。。。。昨日高宮さんと帰っていたのを確認していましたが、そういえば」
高橋がしばらく考え込み
「オカルトがどうたらとかハッカーがどうたらとか、まぁ子供がやることですから意味はないと思います」
「はぁ。。。。ありがとうございます」
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そして春香は高橋の電話を切り
第二の候補として考えていた
神隠しについて調べていた
すると西園寺愛美の失踪事件から○年という
記事が見つかった
すぐにパソコンでその記事を開き西園寺愛美について調べた
飛鳥が行方不明になったことと関係があると思ったからだ
「なになに。。。。〈西園寺愛美とは!?天才少女の裏の顔にせまる!〉みてみましょう」
〈どーも、ティーチャーです!今回は天才少女と呼ばれた西園寺愛美について調べてきました!
西園寺愛美は小学3年生で東大の問題を解いた凄い少女です!そんな彼女の私生活は
9時までには寝て4時に起きて身支度をしてから
学校に行く時間までずっと勉強してるらしいのです!凄いですよね!父親である西園寺海武は英才教育を受けさせているとインタビューで言ってました!そして気になるのは虐待。。ですよね、西園寺海武は元暴力団の長ということもあり英才教育と称して虐待をしているんじゃないか!?という噂が流れました、しかしこの問題についてはまだ調査中です!
次に行方不明、西園寺愛美は西暦20○○年の○月○日に行方不明となりました!
最後に見たのは猫を追いかけている姿らしいです!----〉
春香はだんだん読むのがめんどくさくなり
とりあえず天才少女の父親がやばい職業柄だったのと路地裏で行方不明になったということだけをメモって聞き込みに行こうとドアを開けた瞬間ドンッと何かにぶつかった
「いってぇな!」
はるかの目の前にいたのは目つきの悪い
長髪の女性だった
「優里ちゃん!」
髪を上に束ねた女性が優里と呼ばれた少女を宥めた
「おぁ?なんだ高宮さんじゃないですか」
優里は春香の方をポンポン叩き真っ青な顔で土下座をした
春香は優里を宥めながらなんでここにきたのか聞いた
髪を上に束ねた少女が春香に質問した
「昨日から渚が帰ってきてないけど
何か知らない?」
春香は先ほどまでの出来事を話した
「飛鳥ちゃんも。。。そういえば渚
はいつも飛鳥ちゃんと帰ってたな」
「もしかして。。誘拐とか!?優里ちゃん!警察。。。警察に連」
「向日葵!サツなんか当てに何ねえのしってんだろ?この国のサツはいまや事件が起こった場合にしか
動いてくれねえ。。。腐ってんだよ」
優里は騒ぐ向日葵を掌で押し付けた
春香は飛鳥の携帯の電波が届かないところにあることを伝えた
「ねぇ!それってさ、海外に売り飛ばされたか電波の届かない森の中に。。。遺棄された。。とか?」
「その可能性は十分にあるな」
「ひゃぁぁぁぁ!!」
向日葵は掠れた悲鳴をあげぶっ倒れた
優里は面倒臭そうにひまわりを抱き抱え
ソファに寝かせた
「あの。。。情報になるかどうかわかりませんが」
春香は2年前に行方不明になった西園寺愛美について伝えた
「じゃあ、真相をたしかめるために路地裏に行こうぜ」
優里は寝ている向日葵を叩き起こした
「ふぎゅぅ!?」
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その後飛鳥達の通学路を通り
いつも通り電車に乗ろうとした
その時向日葵が「あ、あれ!」と指を刺した先に
男性が蹲っていた
近くにDQNと思われる数人のグループが海武を足で蹴っていた
優里は止めようとしたがその瞬間春香の足蹴りがDQNグループに炸裂した
「貴方達なにやってるの!?」
春香はDQNグループの突撃を交わして足蹴りしながら声を荒げた
優里は海武を起こしベンチで休ませた
しばらくして春香が事前に連絡をした警察がやってきて
DQNグループを連れて行った
優里はその様子を見て
「やる気のねー顔、とりあえず仕事してる感がプンプンしてくる」
優里は嫌な顔をしながら警察の背中を見た後海武の血を拭いて飲み物を渡した
「。。。。。貴方達はだれなんですか?」
海武はムスッとした表情で答えた
優里はことの経緯を話した
「カメラはなし。。。マイクも無し。。。マスコミでは
なさそうですね」
「マスコミめんどくせーしな、あいつら常識ねーもん」
「愛美が行方不明になった時酷かったんですよ、やれお前が殺して隠したんじゃないか!反社に売ったんじゃないか!?と有る事無い事記事に書かれて。。。。ネット民は味方でしたがテレビしか見てない人は皆敵でした」
海武はすごく悲しそうな顔をした
春香は自分がテレビしか見てないことをひどく後悔をした
「マスコミは自分の利益のことしか考えていないですからね、私達は貴方の少女のことで聞きにきたんです」
「ユーチューバーか?ブロガーか?」
「いえ、私たちの子供達も昨日から帰ってきておらずもしかして貴方の娘さんの状況と何か関係があるか。。。ということを聞きにきたんです」
春香は警戒する海武に自分の状態を話した
昨日から帰っていないということ
携帯に連絡を入れても電波の届かない場所にいるとオペレーターの案内があったこと
海武は驚いた表情をした
「愛美の携帯も電波の届かない場所にあるって。。。。」
「。。。。ねぇ、これただの誘拐事件ならなんで飛鳥ちゃんとかなぎ。。さちゃんとか誘拐されたのかな?」
向日葵の言葉に一同は深く考えた
確かに頭のいい愛美はわかるが
飛鳥や渚は凡人レベルだ
ならなぜ。。。
春香が考えていた瞬間
後ろから肩を叩かれた
「あの。。。」
春香が後ろを振り向くと
立っていたのはプログラミング部の男の子だった
どうやら春香を学校で見かけたことがあり
不安になって声をかけたらしい
「もしかして、飛鳥さん達がどうかしましたか?」
春香は飛鳥のクラスメイトだと知り
ことの経緯を話した
その瞬間男の子は真っ青になり
フロッピーディスクを震える手でミニパソコンに入れ今日の防犯カメラの映像を見せた
「。。。。え、ハッカーなのか?それってはん。。。」
海武がそう言いかけて口を閉じた
自身も警察に黙認されていた職業柄だからだ
春香と優里が映像を覗き込むと
そこにはスキップ状態の渚と呆れた顔でトボトボ歩く飛鳥が映っていた
そして目の前には猫がいた
「おぁ!?みろよあれ!100万円が落ちてるぞ!」
「100万円?そんなもんどこにもねーぞ?あいつ頭だけじゃなくて目も悪くなったか?」
優里が画面から目を離そうとしたとき
一瞬にして子供達の姿が消えた
「。。。。は?」
春香はあまりの衝撃に言葉を失った
海武ははっきりと見ていた
飛鳥と渚が路地裏に入って行った頃
後ろに影が見えていた
海武はそれを伝えず心に留めておくことにした
「。。。。もしかして、愛美が行方不明になったのも。。。。少し見せてもらってもいいですか?警察は見せてくれなかったので」
「警察って自分たちが手に入れた証拠は絶対に見せてくれないよな」
警察に不信感を抱く優里を横目に海武は愛美が行方不明になった日の防犯カメラを見た
そこには猫を追っかけている愛美の姿があった
しかし、路地裏の中心まで行くと愛美の顔から笑顔が消え「おか。。。」と聞こえた
「おか?なんだ?」
優里は頭文字におかとつくものを片っぱしから言った
「おか おかえり おかあさん。。。あ?。。。そういえばあんたの妻っていねえのか?」
優里が咄嗟に思い出した疑問を海武に投げかけた
「ミソラは愛美が3歳のときに亡くなりまし。。。」
「だったらあの猫が見せた幻影じゃねえの?」
優里は二つの防犯カメラの映像を写した
もう一つは西園寺愛美が行方不明になったひ
もう一つは飛鳥と渚が行方不明になった日の防犯カメラの映像だ
「これさ、見比べてみると渚が100万円ってとち狂った言葉を言ってる時も
愛美さんがおかって言ってる時も猫がいるんだよ
しかもロシアンブルーではない以上に青い猫が」
「。。。妖怪の類ですかね?」
向日葵の言葉に
春香や海武は強く否定をした
「妖怪なんているわけないでしょう、うちの
娘は誘拐されたんですよ!」
「でも、防犯カメラには人どころか人影すらいねえぞ?」
優里の言ってることは正解だった
防犯カメラにはどちらも人影すら映っていないのだ
人間が一瞬のうちに路地裏から拐うことなんて無理な話だ
たとえ青い針鼠のキャラでも時間がいる
海武はしばらく考え込んだ
その時後ろから女の子が話しかけてきた
「ほら、やっぱり神隠しなんですよ!」
春香達が後ろを振り返ると去子が立っていた
去子は防犯カメラの映像をマジマジと見ながら
神隠しといいながらぴょんぴょん跳ねた
「茶化しにきたんですか?」
「いやいやとんでもない!我々は結果だけ
知れたらいいので、それでは!」
去子は空気感がやばいと思ったのかその場を走り去った
そして人が多くなったことにより春香
一同は一旦カフェに行くことになった
飛鳥はどこなのか
何をしているのか
本当に神隠しなのか
春香は震える手を押さえて一同と共に行動することにした
*次回の更新日は未定です




