18話 消された三女
「。。。。クロエ?」
「。。。。。。。そうか、そう言うことかこれはいい情報だ、マザーの味方がマサトきゅんの味方かってことだよね?本音はマサトきゅんの味方だけど建前はマザーの味方って思ってくれていいよ」
飛鳥はしばらく考えて
クレハという人物が中立の存在という答えに辿り着いた
「。。。。。。マサトきゅん、ちょっと」
「あ?なんや」
マサトはクレハに連れられて影に隠れた
クレハの真剣な表情にマサトはおふざけではないと確信した
「。。。。。。あのこと知ってんの?クロエのこと」
「わいも最初あいつがなぜここに?と驚いたが名前も声も違ったから違うと思ったんやがまさかクロエの姉だとは。。。。でも、あの子は多分クロエ三女の記憶をマザーに消されてる多分あの子だけではない長女も同じように消されてる」
「なるほどねぇ。。。。。でも、マザーがそのことを知ってるとして少しまずい状況になったね」
クレハは深く考え込み
苦い表情をした
「これは急ぎの情報だから何も対価はいらない。。。。もうすぐクレハがくる、おそらくあの兎の回収と前と同じような状態を作りあの童顔王子を元の状態(凶暴化)に戻しマサトきゅんが守ってる王子を地下に閉じ込め。。。。あの子達の薄紫の女神の子を殺すか洗脳して
オレンジ髪の男女ちゃんを拷問の末に殺しあのピンク髪の子をマザーに差し出す。。。。。。。クレハは短時間でそれをやるつもりよ」
マサトは物陰から全員の様子を見た
子供達は楽しそうにおしゃべりをしていた
クレハは飛鳥の方をじっと見ていた
「。。。。。。それで、いつくるのか予想は出来んか?」
「近いうちに。。。とだけ言っておくわ、マザーもあの子の件がなかったらその日のうちにフローラに全てを任せてたと思うわ」
「近いうちにの日付がわかればいいんやけどな」
クレハはしばらく考えて
ニヤリと笑い対価を要求した
マサトは呆れながら
指輪を渡した
「こここ。。。。これって!?」
「結婚指輪やこれをやるから今後わいが要求する情報に対する対価を帳消しにしてくれ」
「はわわわぁ❤︎わかりましゅたぁ❤︎。。。。。日にちは8月の27日。。。。ってマザーはいってましゅた❤︎」
「27日か。。。。。協力感謝する」
クレハは体をくねくねさせながら
指輪をうっとりしながら眺めていた
「それで。。。式はいつになったらあげるの!?」
「そうやな、お前がちゃ〜んとマザーの計画を全てわいに話しマザーには偽の計画を無理難題の対価を要求し続けわいらが無事にマザーをこの世から消すことができたら式をあげよう」
マサトは適当にカレンダーを睨みながら答えた
クレハは羽で飛び回り嬉しそうに雄叫びを上げた
マサトはマサキらにこのことを伝えようと
席を立ち雑談しているマサキの肩を叩いた
マサキはマサトの方を振り向いた
その口にはお饅頭を咥えていた
「ふぁおふぉひゃん?」
「食べもん口に入れた状態でしゃべるな、それにそれは今夜のおやつにと用意していたもんや何勝手に食べとる」
マサトはマサキの耳元で一言呟いた
マサキはお饅頭をそばに置き
カレンダーに近寄り
眉間に皺を寄せた
「27日。。。。。あの日の地獄と同じ日にち、もしもそれが偶然ではないとしたらマザーはもう一度やり直そうとしてるの。。。かな?」
「やろうな、高宮京子を殺したのはあいつのおもわくどおりやったけどその後の展開があまりにもお粗末すぎて見るに堪えなくなりこのまま進めるのが面倒になった。。。。。だから有利な状況を作り出したあの日からもう一度やり直し今度は優秀な監視役を送り込むことにする。。。。あいつが考えてるのは粗方こういう考えやろうな」
マサトは紙に全てを記し
マサキに託した
「。。。。。もし、あのようなことが今後起こるようならばお前の言った通りわいは判断を誤ったかもしれない自分が守りたいと思っていた多種族の子供らが目の前で残酷に殺され
正気を失い正常な判断ができず結果としてお前やミナや。。。。。リュウを危険な目に合わせてしまった」
「。。。。。。今度はそうならないように一度作戦を練る必要があるけど」
マサトとマサキは作戦を練るために
雑談を他所に【あの日の出来事】を振り返った
全ては22日にクロエという女の子が来てからおかしくなった
クロエはマザーに追われる身で記憶も名前もわからないという設定でマサト達の前に現れた
マサトらは特に不審がることもなくクロエを歓迎した
しかしクロエがきてから2日後
不審なことが起きた
緊急ベルが誤作動を起こした
ベルの誤作動なんてあり得ない
不審に思ったマサキはマサトに訴えたが
マサトはこの時点ではただ、ベルが誤作動を起こしたって認識しかしてなかった
これがマサトの一つ目の誤り
そして4日目
この頃からおかしくなった
コユキとアメリアがソワソワしている
まるで誰か来るかのような。。。。。
マサキは不信感を覚え
ミナにこのことを伝えたか
ミナは笑いながら気のせいだといいマサキを宥めた
27日恐れていたことが起きた
もう一度緊急ベルがなりマサト達は生徒を安全なところに避難させ
緊急ベルのなる方へ向かった
しかし、ベルは鳴っておらず
不審に思ったマサト達は生徒を避難させた体育館へと向かった
そこに広がっていたのは
地獄だった
逃げ惑う子供の首を最も簡単に引きちぎり
クーラーボックスの中に詰め込んでいるマザーがいた
マサトはマサキに逃げるように伝えた
これが二つ目の誤り
逃げたマサキは後ろから伸びてくる手に口を封じられクロロホルムを嗅がされ倒れ込んだ
その後マサトが居なくなったマサトの部屋をクロエは訪れ中にいたリュウをマサキと同じくクロロホルムで眠らせた
マザーは逃げ惑う生徒全員を殺し終え
ナを探して彷徨ってた愛美を拘束し
ミナの前に現れた
ミナは自分が地獄に戻ることを条件に愛美を解放しろと訴えた
その後に愛美の額に手を当て
愛美の自分に対する名前以外の記憶
自分に対する思いの感情
全て消してマザーの手を取りブラックホールに飲み込まれた
「。。。。。。ここからわいの記憶はない、おそらく過度なストレスで倒れてしまったんやろうな起きた時は自分のベットやった」
「。。。。ここまでの話を聞くにおそらくあの火災ベルが原因なんだろ?」
マサキが後ろを振り向くと渚が腕を組み聞いていた
「黒澤凪乃、盗み聞きは感心しない」
「るっせ、それより今の話で気になることがあるんだけどよ?クロエは行動を起こす27日。。。。。。。5日前にはもう記憶喪失として学園に来ていたわけだ、そうなるとクロエはおそらくお前らの大切な人や弱点を観察していたのだろう。。。。。。ここまではお前らでも予想できたがもしそれ以外の物を観察していたのなら?」
渚の言葉にマサトは一つの可能性を話した
マサキははてなを思い浮かべた
「。。。。。。緊急ベルの音か?」
「そうだ、先ほどのお前らの話が正しければ最初に誤報が起きた時お前らはただの誤作動だと勘違いをしていたが違った。。。。本当はクロエが音を確かめるために鳴らした」
マサキはそこで初めて気がついたことを思い出してみた
そういえば掃除のためにクロエの部屋に入った時に録音プレーヤーが置いてあった
掃除の時には特に不審に思わなかったが
今の渚の発言を聞いて
音を録音していたのではないかと思っていた
「そこで俺様が考えた画期的な方法だ心して聞けよ、それはベルの音を変えるんだ。。今日中か明日にな」
「そんな、音を変えるなんて近いうちには無理や!」
「いけんだよ、ベルの音を変える方法それは
中にある音の基盤を取ってその基盤の中にある音の保存カードを機械で読み取り
音のファイルを別のものに変える。。。。それが可能なのは携帯の着信音がある俺ら地球人だ」
渚は通信が切れている携帯を開き
オトチョクで保存曲を見ていた
「お、この音ならどうだ!?」
「凄くロックやな、この音はふさわしくない」
「ならこれはどうでしょうか?」
話を聞いていた愛美は携帯のオトチョクで保存した音を鳴らした
{ビービービー緊急事態が発生しましたビービービー緊急事態が発生しました}
「うぉう。。。。。お前よくそんなものを保存してんな」
「防犯ベルでは限度がありますからねこれを爆音で鳴らすことにより周りの人が気づいてくれて誘拐されずに済むんです」
「でも地球の防犯ブザーは音が大きくなってるからそんなことしなくてもいいんじゃないの?」
椅子に座って飲み物を飲んでいる
ミナは愛美に聞き返した
「音の大きさには限度があり例えば部屋にこもってる人には聞こえづらい難点があります、それに誘拐犯は人通りの少ない路地裏などを狙うので
そもそもそんな治安が悪そうなところに家を建てる物好きはいませんし。。。。。そういう観点を考えるとスピーカーにつなげてこういう緊急だということを知らせる音が必要なのです」
「なるほど。。。。お前本当に賢いんだな」
「まぁ。。。。。。賢さでも今の状況下では無力なんですがね」
愛美は吐き捨てるようにそういい
そばで聞いていた飛鳥は席を立ち愛美の横に座った
「そんなことないよ、私達でこの運命を変えて幸せな未来にしよう!」
「そうだぞ!俺らがいれば今度こそ大丈夫だ!」
渚と飛鳥の励ましに
愛美は微笑んだ
しかし、気を抜くのはまだ早い
勝負は27日それまでに人を集めておかないといけない
27日まであと3週間もある
3週間の間にマザーに対抗できる人物を
集められるのか
愛美は微笑みながらそんなことを考えていた
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「まっなみー!。。。。。ありゃ?」
渚は一緒に晩御飯を食べようと愛美の寮部屋の
扉を開けたがそこには愛美はいなかった
「んぇ〜?」




