15話 それぞれの道
渚達の遺体が見つかって
早1週間が経とうとしていた
おかしな事は無くなったが
体調が回復した向日葵は
龍の里へ戻ると言い出した
「そんなお前1人で。。!!」
「大丈夫大丈夫、何が起きているのか聞きに行くだけだから」
不安と焦りを見せる優里を向日葵はいつもの笑顔で宥めた
龍の里に行けばきっと何が手かがりが掴めるはず
向日葵はそう考えていた
優里は向日葵が龍の里であまり良く思われていないことを思い出し頭を悩ませた
「。。。。優里さん向日葵さん出かけるんでしょ?」
「江真。。。とお前らなにを」
江真達はエプロンをつけていた
江真だけではなく他の子達も
「あのね、私達上の子達で下の子達を見るから出かけてきていいよ」
江真のいう言葉に優里は反論しかけたが
前に江真の何かでかがりになる事は探してきて
という言葉を思い出し
不安になりながらも電話番号を教え
龍の里に行くことにした
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「。。。なんや、起きてるんか」
「きゅ。。。。」
ベットの上の狐は
扉から出てきたマサトを睨んだ
「自分が凶暴化した時の記憶は覚えてるんやな、お前が凶暴化したの2回目や」
「ぐ。。きゅ。。。。」
狐は泣きそうになりながらベットを引っ掻いた
マサトは静かにその様子を見ていた
「あと一回凶暴化の薬を打たれた場合お前は死ぬ、そしてお前を失ったあいつは。。。。。もう一度マザーの元へ行くやろう」
「。。。。。ぐるるる!」
狐は喉を鳴らしマサトを酷く睨んだ
マサトはため息をつき狐を抱き抱えた
「お前は変幻する力を失っている
だからこの紙に書いてある言葉を手で押しワイにいいたいことを伝えろ」
そういうとマサトは狐を紙の側の座椅子に座らせた
狐は早速手を置き言葉を並べた
“ミナは”
マサトは深いため息をついた
「早速その質問からかまぁ、お前ならそれしかないと思ってたけどな。。。結論から言うとマザーと一緒にいる囚われの身や」
"あのおんなのせい"
狐は手をプルプルさせ
文字を並べた
それは静かな怒りからくる様だった
「あの女ってマザーが送り込んだスパイのことか?」
"ちがう"
「。。。。。。西園寺愛美のことか?」
マサトは言いたくない様にゆっくりと言葉を発した
狐はそうと言葉を並べた
"あのおんなのせいなのあのおんなのせいでみなはいなくなってしまったのならぼくはあのおんなをケルベロスでころ"
「マサキ!!」
先ほどまで静かに聞いていたマサトが
狐を強く叱責した
狐はビクッと肩を震わせた
「あの悲劇はマザーが招いたものや、それ以上でもそれ以下でもない。。。あの子のせいでもない」
"なぜあのこにみかたするなぜ ちきゅうにかえらせたいから ぼくにはりかいできない"
「あの子が地球に帰る方法はなくなった、あの子の父親が殺された」
"だれに"
「おそらくコユキやろうな、1週間の休暇を貰ってたからその時に殺したんやろう」
"こゆきはまだいるのか なぜころさない"
「わいはあいつみたいな残虐な野郎になるつもりはない、だからたとえ敵であろうとも人は殺さない」
"そのかんがえのあまさがあのひげきをまねいた ぼくもきょうぼうかのくすりをうたれ みなもさらわれた おまえがあのとき あのすぱいをころしていれば みんなしあわせになれた おまえはむせきにんだ"
マサトはその言葉を聞き
黙り込んだ
狐は座椅子から降りベットの上に登った
マサトは無言でその扉を閉めた
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優里達は龍の里へ
何か異変がないのか
長老に聞いていた
「。。。。いまさら龍の里へノコノコ戻ってくるとはなにごとじゃ」
「長老様!私達は。。。。」
「黙らぬか!里を離れ龍族の掟を破ったお前達に長老と呼ばれる筋合いはないわ!」
向日葵はその表情にひどく怯えて
優里の後ろへと隠れた
「それにその後ろの女。。。。まだその欠陥品と一緒にいたのか」
「向日葵は欠陥品ではありません!その言葉取り消してください!」
優里は向日葵への酷い暴言に声を荒げた
長老はそんな優里をゴミを見る様な目で見ていた
「ユリアヌス・レグルス。。。お前は何も分かっていない!お前はレグルス家の恥だ!」
「私はレグルス家として大いなる成果を残したはずです!あの時のことをお忘れですか!?」
かつて龍族とエルフ族は争い戦争を起こしていた
エルフ族の兵士を一人で何千体も倒したのは
優里だった
「ふ。。そんな過去のことを、過去の栄光に縛られているようではまだまだのよぉ!!」
長老が煽っていると
後ろから美青年が出てきた
「長老様、此奴たちは僕にお任せよ」
「ドワイエンヌ。。。。。。承知した」
長老は重たい腰を上げ
部屋へと戻っていった
「ドワイエンヌ様、私達はその。。。。」
「最近起こってる人災について知りたいのだろう?」
ドワイエンヌは優里達を里の拠点へと案内した
しかしそこには歳をとった龍しかおらず
若い女や男子供一人いなかった
「。。。。。どういうことなんですか?」
「。。。。。お前達が里を去って100年経ったある日、この世界にある魔王がやってきたのだ」
ドワイエンヌが言うには
その魔王はマザーと名乗り
宇宙を一つにするために
他の惑星にいる種族達を誘拐し
男は奴隷にして自分の国を豊かにするために働かせ女はマザーとの子供を作る機械同然の物と扱うという狂ったことをやっていた
そのせいで龍の里の子供や若い男女が連れて行かれ今や歳をとった龍しかいなくなったと言う
「。。。。。全部の種族が拐われたりしてるんならなぜ地球に住む私達は無事だったのですか?」
「地球に住んでいたからだ、地球には陰陽師が張った結界のお陰でマザーは地球へはこれなかった」
ドワイエンヌは地球にある三つの柱の写真を優里達に見せた
しかし上にある水晶の光が一つを除き輝きを失っていた
「。。。。壊れているんですか?」
「これは時代とともに陰陽師という者は亡くなっているそのほとんどが代行者がおらず効力を失う。。。。。しかし高宮家の場合その力を受け継ぐ者が生まれた場合効力は継続される」
輝きを放つ一本の柱が高宮家の物だと
優里達は理解した
「。。。。なら、高宮家の者が全滅すれば」
「地球に結界はなくなりマザーの支配下となるだろう」
高宮家の能力は長女に受け継がれる
ならそのままだったらきっと今頃結界がなくなっていただろう
優里達は喜ぶべきなのか複雑な気持ちになっていた
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「。。。愛美行ったか?」
渚はクローゼットの扉を少し開け
愛美の姿を確認した
しかし愛美の姿はなかった
「ふぃ〜どうなるかとおもったぜぇ。。。。あん?」
渚はクローゼットの奥底にある段ボールを
発見し
段ボールを取り出し開けた
そこには写真と同じやつがいっぱい入っていた
「うへぇ。。。ここのやつを一個一個調べないといけないのかよぉ〜」
渚はめんどくさくなり段ボールに触った記憶をみた
そこには渚が触る前に誰かが触った記憶があった
『。。。。これで終わり』
『全てあの子の目につかないところに』
『あの子はいずれあたしを忘れる』
『ごめんね、いっぱいしたいことも出来なくて』
『ずっと一緒にいるって約束したのに破ってしまって』
『けど、もうあの子はあたしを忘れるからいいわよね』
ドサ
-----記憶はここで途切れていた
「どういうことだ?愛美の思いやりの心をなくした原因はこいつなのか?でもなんで」
渚はとりあえず部屋を出て
鉢合わせしたマサトにそのことを話した
「。。。。。ミナならやりかねんな、あいつの能力の一つに他人の感情を消すという能力があったはずや」
「だからミナって奴は覚えていてもそのミナに対する気持ちは忘れてるってわけか」
渚は自分でも何言っているのか分からず
困惑していた
「。。。。ミナはマザーの養子やった」
昔々あるところに
悪いことをする前の魔王がいました
その魔王は退屈すぎて
全てをミッションと称し
自分が最強になるために
ゲーム感覚で生きることにした
そこに現れたドクター
ドクターは手を汚したくはない魔王のために
養子を受け入れ洗脳ビデオを見させて
その間に最強の細胞人間を作り出すことにしました
数年後完成した赤子は能力の種の他に
細胞の変異でスライムの体を持っていた
いくら心臓を刺されても
腕を切り落とされても
その腕をくっつける様にしていたら元に戻る
その能力を面白いと思った魔王は
研究でドクターと共に
その能力の種を一個一個研究し
世に能力というものを蔓延らせた
「という話や」
「地球がハブにされてるのはなんでだ?」
マサトは地球には結界があり
それがあるからマザーやマザーの仲間は来れなかったと
ただ、効力が薄くなっているから今はマザー以外の少し悪の心を持った者たちは入り放題だと
「あー。。。。その結界って誰が貼ってるんだ?」
「昔は陰陽師と言われた者達が協力して貼っていたんやけど、時代とともに陰陽師の力を持つ者が減っていってな。。。。。今は一人しかおらん」
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『すまんな、早めにミナの救出に向かいたいところやねんけど。。。。もう少し待ってくれ』
「。。。。。別にミナさんのこと好きじゃないのになんでマサトさんはあんなことを」
愛美はベットに倒れ込み
マサトの言葉を一つ一つ思い出していた
「やっぱ、大人の考えることは意味がわからなく無意味だ。。。。。あれ、机の上にこんな封筒置いてないような」
そこには渚が片付け忘れた封筒が
ポツンと机に置いてあった
愛美は不審に思いながらも
その封筒の中身を開けた
その封筒の中には
シンデレラや白雪姫などの童話の本が入っていた
「こんなの誰が置いたの?。。。どう考えても私が見るはずがな」
愛美はそう言いかけて
表紙の中に紙が入ってることを発見した
その手紙の中にはこう描いてあった
『親愛なる貴方へ
貴方がこれを見ているということは
あたしのこと思い出したのか
偶然なのかどちらかでしょう
あたしは遠いところへ行っています
貴方に会えないかもしれませんが
どうかあたしのことを思い出しても
探さないでください
それが貴方のためになるから
大好きよ、あたしのことは忘れて
すくすくげんきにそだってね
ミナより』
手紙を見た愛美の目から涙が溢れ
ポロポロとこぼれ落ちた
愛美はその涙の意味がわからなかったが
本から落ちたクローバーのネックレスを見た瞬間
記憶が蘇ってきた
..............
.......
「辛かったわね、コユキのやつなにもあそこまでいう必要ないじゃない」
「しょうがないです、私は器として連れてこられたので物として扱われるのは慣れてます」
「慣れてるって。。。。そんなことに慣れないで?貴方はまだ小学1年生じゃない可愛い時期よ?」
「数百回ヤクザの抗争に巻き込まれて誘拐されてきた身からしてみればそんな時期とっくに消え去りましたよ」
「だーかーらぁ〜!!あたしといるこの時が可愛い時期なのよ!」
ジャラン
「これは?」
「クローバーのネックレス、この世界におっきな木があったからその樹脂を使って作ってみたの!クローバーの花言葉は幸運 約束 復讐。。。。。。あたしは愛美ちゃんの幸運を願ってるし愛美ちゃんを五体満足で安全に帰すことを約束して」
「。。。。復讐されるようなことしました?」
「ちがうわよぉ!復讐は愛美ちゃんを危険な目に合わせたコユキやマザーに対して。。。ね?貴方にぴったりでしょ?」
「まぁ。。。ありがとうございます」
「いつ帰れるのか不明だけどあたしは早めに帰らせられるように努力するからしばらく。。。これで我慢してね」
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「なんで忘れてたんだろう、馬鹿だ。。。。私」
愛美は本を抱きしめわんわん泣いた
しかしそんな時間も束の間
渚と飛鳥が大慌てで愛美の部屋に入ってきた
「外にやべぇやつがいる!!!」
そんな渚の言葉に
涙を拭き
窓から外を見下ろした
そこにはミナの姿があった
「ミナさん!!!」
愛美はそう叫ぶと
2階の窓から飛び降りた
その姿を見て飛鳥と渚は完全にパニック
状態になったが
渚がマサトに事を伝えに行った
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「。。。。。拙者は何を。。。。何をしていたんでござるか?確か夢の中に」
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「つまり、お前達の知り合いがマザーと関係のある奴に殺されていてもたってもいられなくなり調べにきたと?」
「そうです!」
「なら、早く帰ってこのこと忘れろ」
ドワイエンヌの言葉に
優里達は反論しようしとした
「お前達が殺されて残された地球の子供たちはどうなる?仮にお前達のどちらか一人が殺されたとしてその真実を知った子供達の精神面はどう考える??」
「。。。。。確かにそれはそうですね、しかしあっちで渚の無事が確証できるのもないですし」
優里達は悩んだが
ドワイエンヌは容赦なく優里達を里から追い出した
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「待って愛美ちゃん!」
「待ちなさい!貴方の精霊はいない。。。。今の貴方に力なんて!」
飛鳥やファミラの悲痛な訴えに耳を貸さず愛美は
門の外にに走っていった
「ファミラ。。。このままじゃ愛美ちゃんが!!」
走っていくうちに門の外に出てしまっていた
フローラは愛美達を見るなり
攻撃体制に入った
そばにいた虚状態のミナも戦闘体制に入った
「まな。。。。」
愛美を呼ぼうとした飛鳥をフローラは獲物を仕留めたような目で突進してきた
ファミラがギリギリのところでフローラを弾き飛ばし
飛鳥を抱き抱え学園内に避難した
「。。。ちっ、もうすぐで器が得られるところだったのに」
フローラはつまんなそうにしながらも
息を切らしてきた愛美を見下ろした
「ちょっとは、身長伸びたかと思ったら。。。。あのときのままね服も」
「成長期なんですよ黙っててくれませんか?ホムンクルスさん」
愛美の嫌味な言葉にフローラはキレた
「はぁぁ!?ホムンクルスって言うならこいつだってそうでしょうが!」
フローラが虚状態のミナを引っ張った
愛美はフローラからミナを救出しようとしたが
フローラはそれを阻止し
愛美を吹っ飛ばした
「っ!?」
愛美はでんぐり返しするようにこけたが
その体をマサトがキャッチした
「フローラ、久しぶりやのぉ?」
「あら、貴方が自由に出歩いて私に歯向かって来てると言うことはもう大切な魔王子と大切なお狐ちゃんは手のなかにあると言うことかしら?」
フローラは大方察していたが
マサトの返答を得るために煽るような発言をした
「そうや」
「。。。。。なら、今その場所にはトールが向かってるはずよ」
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「。。。。狐の姿のままで、体力は消耗しているって聞いてたんだけどなぁ?」
トールは目の前の男性を前にして
不機嫌につぶやいた
「なんでここにきたのかわからんけど、僕を殺すつもりやったら無駄足やと思うよ?」
「僕はフローラに命令された通りに動くだけだよ、お前を殺すのが目的ではなく通せんぼするのが目的」
トールは数体の人形で道を塞ぎ
男の動きを封じた
「。。。。。ケルベロス!蹴散らせ!」
男がそう合図をすると窓際から三つの頭を持つケルベロスがトールに襲いかかった
「くっ!」
男はその隙に校門へ向かった
そこにはマサトがいて
木の影から渚がのぞいていた
「なんで!?トールは!?」
フローラの目には焦りが見えていた
というのをマサトは見逃さなかった
「。。。。おそらくケルベロスでトールの隙を作ったんやろうな、フローラお前の負けや」
「。。。。やっぱこいつではなくてカストルをつれてくるべきだったわね!」
フローラがミナを蹴ると
ミナは吐血した
「っ!?」
マサトと男は驚いた
腹を蹴っただけで吐血するレベルに達したら
どこかの臓器が破裂してると言うこと
マサトはどうにかフローラの隙をつき
ミナを救出したいと考えた
その時愛美が起き上がり
フローラに突進してきた
「やりぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
「なっ!?」
ドサ
フローラは勢いよく地面に倒れ
愛美は「いまです!」と大声で命令した
マサトは虚状態のミナをゆっくり持ち上げ
男と治療室へ向かった
「どきなさい。。よ!!!」
フローラは愛美を吹っ飛ばし
腰から鋭利な刃物を取り出した
「あんたのせいで何もかもめちゃくちゃ、でも。。。。あんたの首を持っていけばマザー様は」
愛美は逃げようとしたが
フローラは足に鋭利な刃物を突き刺した
「あぁっ!」
「もっと聞かせなさいその悲鳴を!!」
その時オレンジの光がフローラの手を貫き
その先には渚と飛鳥がいた
「愛美!」
渚が愛美の名前を叫び
フローラを押し飛ばし
愛美の足に自分の上着を縛りつけ止血した
しかし吹き飛ばされたフローラが渚の背中に刃物を突き刺した
「ぐぁぁ!!!」
「渚さん!!」
愛美はフローラを突き飛ばそうとしたが
片足が出血多量で痺れ動けなかった
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フローラがミナを連れて行くとワールドに襲撃してくる1ヶ月前
「。。。。どういうことですか!?」
『そのまんまの意味だ、お前に任せた我が馬鹿だった』
「だからって。。。。あのフローラにミナを連れて行かせるなんて私との約束はどう」
『我の体はあと一年で炭になる、この意味がわかるな?お前は行動が遅すぎる』
マザーの声色から察して
大分イライラしてるようで
これ以上怒らせたら自分の命が危ないと察したコユキは小さな声で同意した
しかし焦りからなのか
コユキはアメリアに黙って単独で地球に行き
渚の施設長二人を殺すことを目的に
地球へ向かった
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ピンポーン
「江真ちゃん、誰か来たみたい」
「ちょっとまってて」
江真は他の子達に下の子を任せ
ドア越しに誰かを確認した
「。。。。誰ですか?」
「私は○○児童保健所のものですが〜」
江真は即座にスマホを取り出し
早いタイピングで○○児童保健所が存在しているかどうかを調べた
しかしそういうところは存在しないと検索結果に出た
江真は水と世界一辛いと言われるソースを混ぜ
それを水鉄砲に入れ
静かに扉を開けた
扉の先にいる者が刃物を突き刺したが
江真はそれを避け相手の目を目掛けて
辛味ソース入りの水鉄砲をかけた
「ぎゃぁぁぁぁ!!!」
ドア越しにいる相手は目を押さえドアを閉め転げていた
江真は手慣れた動きで水鉄砲を手の届かないところに置くと
優里達が帰ってくるまで下の子達の面倒を見ていた
しかし江真が置いた辛味ソースの瓶のラベルの上に紙が貼ってあり
そこには【硫酸 使うな!】と書かれていた
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「久しぶりに話したけど。。。。。やっぱ優里ちゃん以外の龍族って腐りきってるわ!!!!」
向日葵は龍の里から帰る道中で
大声を上げた
「でも有利な情報は収集できたわ、あとはこれを渚に。。。。。。」
優里は髪の長いスーツ姿の女性が倒れ込んでるのを発見した
「大丈夫です。。。。。っ!?」
優里はその女性を一眼で春香達が殺された日にすれ違った女性だと察した
「向日葵、お前は先に施設に入れ」
向日葵はでもといいかけたが
優里の顔から緊急だと察した
向日葵は後ろからそっと施設に入っていった
「目が。。。。目がぁ。。。。」
起き上がった女性は
目が爛れ
目と判別できないほどになっていた
「あいつ硫酸使ったな。。。。めんどくせえ」
女性は目を押さえながらふらふらと優里の元に突撃していた
「目が見えなくても、あなたがどこにいるのかわかるんですよ。。。マザー様は私を捨てましたけど。。。私はマザー様を捨てない!だって。。。マザー様は私の手を差し伸べてくれたお方なんですから!!!」




