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第13話 前に進む勇気

「どこに行くのですか?」


驚いた飛鳥にコユキはもう一度同じ質問をした

飛鳥はコユキが早めに帰ってきたことに戸惑い

後退りをした


「あぁ。。。そういえばこれお土産です」


コユキは飛鳥にお饅頭と赤いゼリーを渡した

飛鳥はゼリーをみたが

そこには何もラベルは貼っていなかったが

飛鳥はお中元のゼリーかなと思いポケットにしまった


「あ、早めに食べてくださいね?果肉入りなので腐ってしまいますよ」


「あ。。ありがとうございます」


コユキはマサトの部屋をじっとみていたが

不穏な笑みを浮かべ

その場を去っていった


「。。。。果肉って言ったけどなんか、ブヨブヨしてる」


「そのゼリー捨てなさい!」


飛鳥の背後からファミラが羽をパタつかせながら

険しい顔をした


「でも。。。もったいないよせっかくもらったのに、それになんか美味しそうだし」


ファミラは飛鳥の目が虚になっていることに

気づき後ろのドアを開け渚を呼んだ


「どした?」

「思いっきり叩いて」


渚がためらっていると虚になってる飛鳥の表情が見え強く叩いた


バチーン


力強い音が寮部屋中に広まった

その音を聞きつけてマサトが部屋から出てきた


「どうした!?」

「おっとぉ、あれ」


リュウが指を刺した方向には倒れてる飛鳥と棒立ちの渚がいた


「黒澤凪乃。。。とうとう殺ったな?」

「やってねえよ!?」


マサトは渚に疑いの目を向け

渚は倒れた飛鳥を揺さぶり起こした

飛鳥は今まで自分が何をしていたのかわからない

状態だった

マサトは飛鳥のそばに転がるゼリーを見つけ

手に取り成分を機械で分析した


「これは。。。。。洗脳魔法が掛けられている」

「おっとぉ、これなに?」

リュウがゼリーの中にある果肉をまじまじと

見てマサトを見た

「。。。。。果肉の成分を分析するにはゼリーの蓋を開けないといけないが、少しお前ら離れてろ」


マサトの指示を受けて

リュウは飛鳥の渚の手を握り2人をマサトから遠ざけた

マサトが離れたのを確認して

ゼリーの蓋を開ける


「。。。ゔっ!」



蓋を開けた瞬間どこかで嗅いだことのある匂いに

マサトは思わず口を塞ぐ

その匂いは血生臭く

遠くに離れてるリュウの鼻にも届いた


「。。。。。血の匂いや」

「お前鼻がいいんだな俺は全くしねえぞ」


渚が顰めっ面になりながら鼻を鳴らすが

血生臭い匂いは全くしてこなかった


「地球人の鼻はどの種族よりも嗅ぐ能力が低いって言われてるからなぁ、でも嗅がなくて正解の匂いやでこれすごい血生臭くてあまり嗅いだら吐きそうや」


リュウは真っ青な顔になり

鼻と口を押さえていた

飛鳥はリュウの肩を持ち

愛美の部屋へと連れていった


ガチャ


「。。。。。外が騒がしいのですがどうしたんですか?」


愛美は先ほど読んでいた本をしまい

心配そうに飛鳥達を見た

渚は愛美にことの経緯を伝え

飛鳥はリュウをベットに寝かせた


「なるほど。。。。コユキが早めに、リュウさんをバレないようにしないと」


その時ドアが勢いよく開き

中からマサトが限界の顔をして倒れ込んだ


「。。。。。ゼリーは捨てた、あの匂いの原因がわかった」

「なんの匂いなんだ!?」


マサトは一呼吸おき口を開いた 


「。。。。あの独特な匂いは地球人のものや、それにあの匂いはとても不健康な奴の血の匂いや」

「。。。。不健康」


飛鳥は不健康で春香の顔を浮かべたが

そんなわけないと自分に言い聞かせていた

渚は飛鳥の手がかすかに震えてるのが見えた


「。。。。。お前ら、携帯を出せ」

「携帯?ここの携帯持ってねえぞ?」


マサトは深いため息をつき

視線を渚から逸らした


「お前らが最初に持ってた携帯や」

「最初に。。。コユキに弄られないように持ってありますけど」


飛鳥と渚と愛美は自身の携帯を出した

マサトは手をかざし

光を与えた


「5分間だけ地球と通信を繋げた、これで自身の家族の安全を確かめろ。。。。家族が安全じゃない者がいたらあのゼリーの中身は。。。」


マサトは俯いた

飛鳥は嫌な予感で胸が張り裂けそうになり

携帯を春香にかけた

プルルルと音がなって

繋がった


「あ!はるね」

「もしもし、○○警察のものですが高宮飛鳥さんの携帯でお待ちがいないで」


飛鳥は恐怖で携帯を切ってしまった

渚の方をチラッと見ると

誰かと話し中で

愛美の方を見ると飛鳥と同じように

携帯を切っていた

その顔は真っ青だった


「。。。。。異変があったものは手を上げろ」


マサトは静かな声で呟いた

リュウは今まで聞いたことのない静かなマサトの声に体が震えた

そして手を挙げたのは飛鳥と愛美だった


「。。。。警察に電話がかかりました」

「同じく」


渚は2人の手が上がったことを確認し

2人に聞こえない声で

優里に質問をした

が帰ってきた答えに渚は口を手で抑え

部屋の中央に立った


「。。。。高宮春香、西園寺海武の目玉と能無し死体が見つかった」


渚は絞り出すような声で

呟いた

きっと飛鳥達は絶望するだろう

その申し訳なさから渚の口は震えていた


「。。。じゃあ、そのゼリーの中に入ってた」


マサトは言いかけて自身の口を塞いだ

リュウは瞳孔が開いてる2人をどうすることもできず小さく悶えていた

10分の時が流れ

最初に口を開いたのは飛鳥だった


「マザーが私達を絶望に陥れようとするのならそれが一つの運命なのだとしたら、私たちはそれに抗う。。。。それが春姉の仇になるなら私達は前に進もう?」


飛鳥は震えていた

口も手も足も

家族を失った悲しみやコユキ達に立ち向かう

恐怖

その全てに飛鳥の心は耐えきれずにいた

愛美は飛鳥の言葉に我に返り

口を開いた


「もうここまできたら後戻りはできません、どうせ貴方達が行動しなくても訪れていた運命です」

「あぁ。。。どうやら春香さんらは俺たちが転生されてきた世界やマザーについて調べていたみたいなんだ」

マサトはしばらく考え

やがて口を開いた


「それはおかしい」


マサトは普通の人がマザーを知るはずがない

地球は50年前にマザーみたいな悪しき者が

入られないように結界が地球全域に囲ってあるから地球人はたとえ陰謀論者でも他の星のことを知らないと説明をした


「。。。。。確かにそんな話聞いたことないかも」

「無理もありません、人間の確認した星は現在してる星よりも少ないので」

「そういうことや」


マサトは時計を確認し

エプロンをつけた


「飯の時間や、食べたくなかったらお前らだけでも外に行け」

「今日はなんだ?」


渚のワクワクしてる様子に

マサトは目に深い悲しみを浮かべ


「。。。。先程の話がほんまやったら今日の昼は地球人の肉やろう、食べたかったら勝手にしてくれ」

「。。。。。。屋台で食べるか」


渚は全てを悟った目をして飛鳥達の方をみた

リュウは自分も行くと飛鳥の手を握った

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「渚の電話で3人は無事だと言うことがわかった、でも問題はまだ山積みだ」


優里は会議部屋で

向日葵と2人でいた


「。。。。2人なのだから会議じゃなくてただのめんだ」

「うるせぇ、いいから意見を出しやがれ」


優里は向日葵を強迫した

向日葵は目に涙を浮かべた 


「。。。。そもそも、2人が殺されたからあまり深追いすると私達も殺される可能性があるから知らないふりしておとなしくしようぜって言ったの優里ちゃんですよ?」


「そうだけど。。。最近サツの動きが怪しいんだ、なんか犯人を特定したみたいな事言ってたし」


優里はテレビをつけた

そのテレビには「過去最悪の狂気的殺人事件犯人を特定した警察の会見が10時にあります!」と報道されていた


「今、8時だよね?」

「あと2時間後だな」


向日葵は机に伏せ

項垂れた


「。。。。これで最悪な結果になったら」


そのまま2時間後

優里と向日葵はテレビにかじりつくように

見ていた

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---------

「へぇ〜!!!!今こんな屋台がでてるんやなぁ!」


あの後外で食べることを

マサトに伝えた愛美は

リュウも連れて行けと言われ

4人で屋台を見て回っていた


「あ、懐かしいなぁ!」


リュウは奥の屋台の肉をコインで買い

飛鳥達に渡した


「いいの?」

「だって、同じ食べ物を一緒に食べた方が美味しいやん!」


リュウは笑顔を見せた

飛鳥はその笑顔の裏にある闇に気づき

リュウの手を強く握った

リュウはその手の温かみに

飛鳥の伝えたいことが伝わり

自身の生い立ちを話し出した


「。。。。わいな、2年前におっとぉと離されて

ずっと人質として地下牢に監禁されてて誰かといるってことがなかったねん」


最近はどのキャラがどういう声優さんに適切なのか

調べるのが趣味

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