第一話 始
少女は夢の中にいた
「光の子よ。。。この世界を救ってください」
白いドレスを着た女性が少女にそう告げた
少女は声を出そうにも声が出なかった
「この世界を。。。すく」
途中で女性の体が消えた
少女は必死に手を伸ばした
ドダン!!と強い衝撃と共に
少女は現実に戻された
ドタドタドタと階段を上がるような音が聞こえる
部屋の扉が強く開いた
「飛鳥、大丈夫!?」
飛鳥と呼ばれた桃色の髪色で足まで届くストレートの少女はベットから逆さま状態で女性を見上げていた
「春。。。姉」
飛鳥は「いったぁ」と頭をさすりながら起きた
女性は飛鳥の頭をじっくり見て「特に問題はないわね」といい階段を降りていった
飛鳥は目覚まし時計を見た
「なんだ、まだ7時じゃん。。。。7時!?」
飛鳥は急いで階段を降りて「なんで起こしてくれなかったの!!」と大声を出した
女性は「あら、だって昨日目覚ましセットしてなかったじゃない」とカバンに書類を詰めながら軽くあしらった
飛鳥は「ぐぬぬ」と言い返せずパンを口に放り込みながら玄関を出ようとした
「待ちなさい」と女性が飛鳥の首根っこを掴んだ
「ふぐ!?」
「私、今日も会社でお泊まりだからお金置いとくわね」
飛鳥は口にパンを入れた状態では返事ができないのでコクコクと首を縦に振った
「走ったら詰まるわよ」
女性の言葉に飛鳥は口の中にあるパンを飲み込み
「いってきます!」と手を振って玄関の扉をバタンと閉めた
「さてと。。。あ、テレビも消さないと」
[2年前に行方不明になった少女が陰謀論者の間では宇宙人にさらわれたとかオカルト説が囁かれています!我々はその真実を確かめるべ]
ブチッと春香はテレビを消した
「オカルトなんてくだらないどうせ隠ぺいとかでしょ政府の!」
春香はリモコンを強く置き玄関の扉を開けた
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「間に合うかなぁ〜」
飛鳥は走って駅の方に向かっていった
「にご協力くださ〜い!」
遠くの方で男性がチラシを道ゆく人に配っていた
「。。。なんだろあれ」
飛鳥は男性の方に寄っていこうとしたしかし
その肩を後ろから誰かに掴まれ引き寄せられていった
「あ、渚ちゃん」
渚と言われたショートカットの女の子は面倒くさそうにしていた
「あの人、いつもあの駅の前にいるんだ」
「なん」
飛鳥がそう言いかけて男性の横にあるボードを見た
「あぁ。。。」
そこには2年前に行方不明になっている少女の姿があった
「西園寺愛美。。。。。いじめられっ子だった子だよね?クラス違ったけど覚えてるよ」
渚は「2年前だからなぁ。。。俺は覚えてねえや」
渚はわっはっはと声を出して笑いながら改札口を通った
「早く来いよ!」
渚が飛鳥を手招きで呼んだ
飛鳥は必死に訴えてる男性を横目に「まってよぉ!」と改札口を通り電車に乗った
ガタンゴトンと音を鳴らし電車が走る中
飛鳥は窓をじっと見ながら先程の男性のことを考えていた
「どうしたんだよ、魂抜けてんぞ?」
渚が飛鳥の顔を覗き込んだり頬を突いたりした
飛鳥は「ごめんごめん」と笑った
「次は〜○○駅〜○○駅〜」
駅員の声が車内に響いた
渚は「一駅だとやっぱすぐだな」と笑った
プシューと共に扉が開き飛鳥達は早足で学校へ向かった
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飛鳥達が教室に入ると
肩に襷をかけた女の子が近寄ってきた
「どうも!オカルト研究部部長の去子と申します!」
去子は元気よく挨拶をした
渚は耳に指を突っ込み「うっせ。。。」と
つぶやいた
「いやぁ。。。貴方達が手伝ってくれると聞いて安心しました!!」
飛鳥と渚は顔を見合わせて「は?」と言った
オカルト活動なんか手伝うと言った記憶がないからだ
飛鳥は「私達手伝うなんて言ってないけど?」と
呆れた顔で伝えた
「そんなことありません!あの子達が言っていたのです!」
去子が指を刺した女子生徒を渚が睨むと真っ青な顔でそっぽを向いた
「だ。。だって、協力者を探したら5万あげるっていわれて。。。」
渚は「てめえら。。」と拳を振るわせた
飛鳥はそんな渚を宥めながら
「それで、何をして欲しいの?」と言った
去子は目をキラキラさせながら「2年前の行方不明事件ですよ!」と食い気味に言った
「あれは神隠しですよ!オカルトですよ!」
その瞬間ドアがバッターンと勢いよく開き
眼鏡の男の子が声を荒げた
「オカルトなんてしょーもないことある訳ないじゃないですか!これはきっと事件ですよ権力者が起こした事件ですよ!」
眼鏡の男の子は飛鳥の手を取り
「貴方はオカルトなんて信じないですよね!」と
言った
去子はその手を払い除け「いやいや、これはオカルトですよ!」言った
そうこうしていくうちに去子と男の子は口喧嘩に発展した
渚はイライラの頂点に達したのか舌打ちをしながら足で床を蹴っていた
そして口を開いた
「わかった、俺らが調査するからてめえらもう言い合いやめろ」
渚の一言でざわついた教室がピタッと止まり飛鳥は二人の間からすり抜けた
「そのかわり神隠しだったら去子が飛鳥と俺に5万ずつ払えそして事件の場合そこのヒョロガリが5万でいいな?」
二人は「わかった!」と目をキラキラさせて渚に期待を込めて言った
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朝の授業が終わり春休みになった
「。。。。あんなこと言ってどうすんの?神隠しか事件か調べるなんてできないじゃん」
「プログラミング部の天才ハッカーに頼み込んで2年前の路地裏の監視カメラのデータを調べてもらう」
飛鳥は「なんで路地裏?」と不思議そうに言った
渚は「ニュース見てねえの?2年前に路地裏に入ったあと全く姿見てねえから路地裏が怪しいんでねえの?って報道されたろ」
渚は過去のニュース記事を見せた
そこには最後に確認されたのは路地裏付近で猫を追っかけてる姿だったと書いてあった
「路地裏で見かけたって入り口の方でしょ?出口のところから見てないの?」
「それが見てないらしいんだ、猫を追っかけて入り口に入っていったところは見たけど出るところは見てないらしい。。。というか、防犯カメラに映ってねえんだ」
この街にはたしかに防犯カメラが至る所にある
それはいち早く犯人を特定できるため
だから路地裏の通路にも防犯カメラが2.3個ある
それなのに特定できないのはおかしい。。。
と飛鳥は考えていた
「それを確かめるためにもまずは」
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渚と飛鳥はプログラミング部の部員を縛り上げていた
「ぁの。。。僕になんのょう。。。。」
部員はおどおどしながら渚の方をみた
渚は「おぉん?」と睨み返し
部員は怯んだ
「てめぇ、クソ隠キャのくせに俺様の願いが聞けねってのかぁ?」
渚は部員を強く揺さぶった
「隠については渚さんもどっこいどっこいな気が。。。。」
「確かに」
渚は同意した飛鳥を睨み
「俺は隠じゃねえ!陽だ!」と答えた
「だって。。。飛鳥さんしか友達がいないじゃないですか、他に遊んでる友達誰か言ってみてくださいよ」
部員の言葉に渚は口笛を吹いた
「。。。。いるし」
「じゃあ、誰ですか?」
渚は「それは。。。」と答えた瞬間頭の中に声がよぎった
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「渚さん、こんな私と仲良くしてくださってありがとうございます」
「すみません、父親が学校を変えろって。。。私がいじめられていることを相談したばかりに」
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「飛鳥しかいねぇよ。。。それより!!」
渚は一瞬顔が曇ったがそれを隠すように部員の首元を掴んだ
「お前、天才ハッカーなんだろ?」
渚は依頼を口にした
「うぇぇ!そんなことでき」
「るだろ?」
渚が顔を近づけた
「。。。。。。でき。。。ます」
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「警察のパソコンハッキングしたってバレたらいけないので痕跡を残さないでやりますね」
そういうと部員はpcをカタカタと音を鳴らしながら操作した
意味のわからない文字や言葉が画面いっぱいに
表示されていた
渚はその画面を見て酔ったのか飛鳥の後ろに隠れた
「できましたよ」
部員がそういうとフロッピーディスクが中から出てきた
「あまり時間をかけてしまうと痕跡が残ってしまい逮捕されますからね」
部員はフロッピーディスクを受け取ると
中心でくるくるした
「で、ここで見ますか?」
渚は廊下を左右交互に3回見て
手で丸を作った
部員がフロッピーディスクを入れると
そこには20350年4月4日と右端に書かれたファイルが出てきた
部員がそれをマウスでクリックすると
路地裏の映像が出てきた
しばらく見ていると
「猫ちゃ〜ん」という甘い声が聞こえてきて
青色の猫が出てきた
「ロシアンブルー。。。かと思いましたが青過ぎる。。。。これは猫なのか?」
部員は小声でボソボソと喋っていた
少ししていると奥の方から薄い紫の髪をして桃色のランドセルを背負った片目を隠した女の子が現れた
猫はその姿を見ると女の子に擦り寄っていった
女の子は「おか。。。。」と言い呆然としていた
「。。。。。なんで逃げねえんだ?」
渚は不思議そうに顔を傾けた
飛鳥は「疲れてたんでしょ?」といったが
部員は「疲れた様子もない、猫は自ら彼女のもとに行っている」
部員がそう答えた瞬間渚が「あ!」と声を上げ
飛鳥達は後ろを振り向くと画面に映る少女はいなくなっていた
「巻き戻して!」
飛鳥が部員に指示をする
部員は巻き戻し再生をすると
そこには少女が瞬間に消えたように見えた
「これ。。。。人とか車とか映ってねえ。。よな?まさか本当に神隠」
渚の言葉を遮るように部員が「違うと思います」と口にした
「だって、今日の防犯カメラの映像を見てください」
部員はもう一つのフロッピーディスクをpcに差し込んだ
「なんだ、もうひとつあんじゃん」
「比較のためです」
部員は自身が警察に捕まる覚悟で今日の映像を保存していた
それは部員自身気掛かりなことがあったからだ
「ほら、きました」
部員が画面を指さすと
画面の向こうに男子小学生3人組が現れた
「こいつらって、隣の学校で有名な悪ガキじゃねえか!」
渚が声を荒げた
飛鳥は「渚ちゃんも悪ガキだけどね」と答えた
「くそ。。。。こいつらも金に踊らされたか!?」
「金?」
部員が首を傾げた
飛鳥は事の経緯を説明した
「。。あぁ、そういう事でしたか」
部員はほらねと言わんばかりの顔をしながらため息をついた
『なぁ!この通路を通れば神隠しに合うんだろ!?』
『そうみたいだな!行こうぜ!』
画面の中の悪ガキ3人組はふざけ合いながら
路地裏の通路を通って行った
そして出口の近くでその一人が急に立ち止まった
『なんだよぉ!なにもいねえじゃねえか!!」
ボス的な存在の男の子が近くにあったドラム缶を蹴った
ドラム缶はダーンと鈍い音を鳴らしながら倒れた
『ね。。。ねぇ』
一番身長が低い男の子が口を開いた
『あ?んだよ』
ボスの男の子は睨みつきながら答えた
『い。。。今なんか声がした気がする。。んだけど』
『どんな声?』
好奇心旺盛の男の子が聞き返す
気弱な男の子は震えながら口を開いた
『貴方。。。。達は。。。違うって』
「あ?こいつら何言ってんだ?」
渚が眉を細めながら言った
そんな声どこにも聞こえなかったからだ
「つかれてんじゃねえの?こいつ明らかにこのボスに酷使されてそうだし」
飛鳥は「そうだね」といいつつ画面をじっと見た
そこには明らかに3人以外の影がもう一つ見えるからだ
その時部室のドアがガラッと勢いよく開き
教師が「くぉらぁ!!お前らぁ!もう下校時間すぎてんぞぉ!!!」と怒鳴ってきた
飛鳥と部員は「ごめんなさい!」と荷物と渚を引き連れて出て行った
渚は「うるせぇ!センコー○ね!!」と中指を立てながら飛鳥達2人係で連れて行かれた
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帰り道
渚はムスッとしながら飛鳥と帰って行っていた
渚は「なぁ」と口を開いた
飛鳥はようやく機嫌を直したかと思い「なに?」と返した
「路地裏に行ってみねえか?」
渚はキリッとした表情でそう答えた
飛鳥は乗り気ではなかった
画面に映るもう一つの影
そして異様に青い猫
その二つがどう考えても不気味に思えたからだ
「やだよ」
そう言いかけた時
もし、私のせいで渚ちゃんが消えてしまったら?
もし、声の主が渚ちゃんを選んだら?
渚は幼稚園からの親友だ
そんな友人を放置して帰るなんて飛鳥には
できなかったからだ
「いいよ」
飛鳥はそう答え
電車に乗り込んだ
渚は「5万♪5万♪」と上機嫌に歌っていた
飛鳥はもう着くよと渚に言い聞かせ
荷物を持ち駅から出た
そこで目に入ったのは今朝の男性が疲れたのか座って泣いていた
飛鳥は渚にコンビニに入るように言い
渚がコンビニに入ったのを確認して
男性の方へ駆け寄った
「。。。大丈夫ですか?」
「。。。君は?」
アルファポリスというサイトに投稿してましたが
今まで描いてた小説は本当に台本見たいな感じで読み返しても面白みがなかったせいで小説というものを勉強し直して
どうせならなろうに投稿しようということで
初投稿となります
コメントお待ちしております
また挿絵についてはTwitterの方で記載しようとは思いますので
フォローお願いします
HinanoHiNaru118
なお、この小説について
エロやグロの描写があります
もし、不愉快に感じたならすみません
ファンコメ
ファンアート(キャラや作者に)お待ちしております
ファンアートについてなのですが
グロ・エロは控えていただけるととても嬉しいです
(リョナ的なね)
もし、この小説が伸びたら
人気投票など
企画っぽいものをやろうかなとは思ってます