表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/8

1 情報収集

―――――――――――――――

西側諸国:「日本くんさ、うちの一員の自覚ある?」

日本  :「ある」

西側諸国:「じゃ霊的防衛手伝って、

      高位シャーマン、ダースで頂戴、9ダースでいい」

日本  :「は?あげたらうちはどうするんだよ、

      ポンポン生まれるもんじゃねえぞ」

日本  :「昔は魔女狩りとか今は移民とか、

      そういうの容認して今更霊的防衛?」

日本  :「千年計画建ててやるもんを10年でどうにかできると思ってか!」

西側諸国:「封建打倒とか近代化とか、時代の先端いくから犠牲はつきもの」

日本  :「文化を蔑ろにしてまで進む必要あるかね?」

西側諸国:「ダース無理?じゃ最高位のをしばらく貸してくれるだけでいい。」

西側諸国:「重要国一国に一人ぐらい、子供生まれたら返すから」

英   :(何言ってるのかわかってんの?戦争待ったなしやぞ!

      共和制きめんてんな)

英   :『日本くん、反対表明するから、

      日英同盟のよしみではっきり言わないで、うちに飛び火する』

日本  :『しょうがないな、次の霊的防衛交流会もよろしく』

日本  :「……戦車じゃないからさ、簡単に貸せるもんじゃない」

西側諸国:「え、くれないの?

      アメリカくんが殴るよ、最新BMIのロボット軍団で殴るよ」

日本  :「最新(失笑)、でもたしかに数は足りないな、だからや~めた」

西側諸国:「何を?」

日本  :「神秘の秘匿じゃい、ボケ!

      皇紀2680年分の神秘 + BMIの力喰らえや!」


一神教 :「今だ、多神教の避難所叩き壊せ、うちの悪魔にしてやろう」

日本  :「信者の数が多いからって調子に乗るな!

      戦いはものほんの神職の数じゃい」

アジア :「また世界大戦に巻き込む気か、仏の顔も三度までだ」

日本  :「利用するだけ利用して……それはまあいい。

      でも生物兵器の件忘れてないからな!」

コミン :「今時まだ神を信じてるとか、恥ずかしくないの?」

日本  :「中立のふりしてどうせ最後殴ってくるだろ、

      かかってこいや!この新興宗教め」

西側諸国:「まずコミンと日本くんが戦えば?終わるまで手を出さないから」

日本  :「元凶のおまえらが先じゃい」

米   :『戦争景気うま、

      日本くん、太平洋側はほどほどのところで手を止めるからさ、

      運が悪いと思って、今回もあれでいこう』

日本  :『立ち会いは強く当たって、あとは流れでお願いします』

英   :『調停はまかせろ、バリバリ』

日本  :『今度は英国面すくなめで頼む』


野党  :「ここまで全部バラす」

与党  :「この野郎、退陣するけど、選挙もなくす!

      もうてめぇの席ないからな」

政府広報:「またハルノートがきた、戦時体制移行!」

政府広報:「今度は本土戦も辞さない!国民全員BMI適性あげよう!」


総理  :「大命降下で組閣した日本国第百代目の総理だ」

総理  :「選挙しかできないヤツは政治家と認めない、

      死ぬ気で勉強するかやめるか選べ」

国会議員:「え、そんなの聞いていない」

総理  :「民主主義とは多数決にあらず、日本は世界の欺瞞を打ち砕く」

総理  :「あと神は実在する!」

西側諸国:「おいやめろ、衆愚政が台無しになるだろ」

英   :「君主制のうちと関係ない話や、EUぬけたし、この件は中立」

米   :「神の元で自由を生み出しつづける我が国、衆愚政とは無縁」

米   :「人民の人民による人民のための政治だ」

総理  :「はいはい民のため民のため、ワロス」

総理  :「八百長ばれたから本気でやるか?そっちが負けたら皇民になれ」

大統領 :「おうよ、そっちがまけたらうちの州な」

日米  :「マイクパフォーマンスはほどほどに、国民感情の制御が難しい」

総理  :「民が戦争をしたいなら、させるのが民主主義でしょ」

大統領 :「民意には逆らえん、

      国のために身を捧げる兵士諸君に感謝(各種優遇)を」

日米  :「これ以上煽らないで、ブック通りにやってくれ」

英   :「そうだそうだ、

      日本くんには異教徒に浸食されたEUを浄化する使命がある」

日   :「はあ……結局ヨーロッパの防衛問題に戻るか……

      なんかやる気なくした」

日   :「アメリカくん、太平洋でバーチャ○ンごっこしようぜ」

米   :「いいぜ、見せてもらおうか、最新のBMIの性能とやらを」

日企業 :「ショーダウン、ストレートフラッシュ(各種エース専用機)」

米企業 :「フォー・オブ・ア・カインド(訓練時間短い汎用量産型機)」

米   :「役に例えると一歩劣るように見えるが、

      そっちのエースが先に尽きるか」

日   :「そっちの厭戦ゲージが先に溜まりきるか」

日米  :「実践で勝負だ!」

政府広報:「BMI制限なくす、国民全員にBMI適性検査を義務付ける」

総理  :「来年から選抜徴兵、意図的に適性を下げるヤツは懲罰徴兵な」

総理  :「普通なら毎日1時間のゲームであげられるから」

総理  :「あとでBMI活用するゲームいくつか無料にするよ」

有識者 :「生まれつき適合しない人はどうする?混同しない?」

総理  :「……これからの日本で生きていくには厳しい。」

総理  :「すまぬ、お国のために先に逝ってくれ。

      そして英霊となりて見守ってくれ」

マスゴミ:「人権無視!問題発言!辞職!退陣!」

総理  :「疑わしいお金が入ったところ、全部つぶすね(暗黒微笑)」

マスゴミ:「あべし!」

スパイ :「ひでぶ!」

マスコミ:「ボク わるいマスコミじゃないよ。」

総理  :「正しく報道するところには手を出さないよ(暗黒微笑)」←今ここ

―――――――――――――――

 情報を集めに現行スレを開くと、また例のコピペが貼られていた、いきなり気分を損なった。


 戦争に至った経緯はどうであれ、国民にとって重要なのは、これから|ブレインマシンインターフェイス《BMI》適性がものをいう社会になったこと。BMI適性の鍛錬を怠った者は税金やら公共サービスやらいろいろ不利になる。来年は猶予期間、再来年からは進学や就職にも影響が出る。


 だから私が成りすましている斎藤 一也(さいとう かずや)のネトゲ仲間から、“娘と一緒にプレイしてほしい”という頼みがきているわけよ。


 でも経緯(そんなこと)なんてどうでもいい。

 今、私はこの『退魔師(たいまし)・コネクト』スレの情報に用があるの。


 その()と一緒にプレイする予定のこのVRMMORPGの大型アップデート(アプデ)はついさっき配信された。

 平日朝9時というコンシューマらしいスケジュールだ。


 しかし実は深夜0時にフライング(おもらし)してしまった。


 フレンドのkyo_juさんありがとう、教えてくれなかったらスレ見ずにゲーム開始した。


 たぶん、時間帯設定がないからUTC+0(グリニッジ時間)と思い込んで、0時に設定すれば日本は9時になる、という凡ミスだろう。独自規格大好きなカンナエンターテインメントに他のハードメイカーの常識を当てはめてはいけない、開発もカンナのはずなのに知らないとは、新人なのかな。


 配信自体はすぐ止められたが、ダウンロード完了した人は完了していた。例えばカンナ社の本社があるカンナシティ在住とか――都市伝説でカンナシティは回線の通信速度上下ともに500Tbps超え、カンナゲームズとのpingテストが1ミリ秒以下だそうだ。


 話が逸れた、気を取り直して情報を集めよう。



 人柱になった皆さん、ありがとう。( ̄人 ̄)合掌。

 

 情報だ、PVに出ていなかった新情報だ。


 まず、このアプデで世界初の家庭用五感フル体験ありVRゲームになった。


 公式はまったくアピールしていなかったのに!


 五感フル体験ありとはつまり、小説に出てくるフルダイブVRMMOの実現が見えてきたわけだ。


 元居た世界線でも、この世界線の今までのVRゲームもフルダイブ方式ではない。

 こっちではフルダイブに必要なブレインマシンインターフェイス技術があるにも関わらずだ。

 どうしてって?技術が発達していても、軍事技術から民生転用にはハードルがある。BMIは現代兵器の核心技術の一つ、これがあるからこそ戦車は一人で動かせて、戦闘用ロボットは実用化できる、そして日本が軍事強国として成り立っている。


 世界最高峰のBMI技術を有する日本でも、市販の家庭用VR器具は基本BMI入りVRゴーグルとVRグローブ――ゲームに適している形だからね。

 家庭用BMIは信号強度が弱く、さらに脳への直接出力は法の制限により五感のうち「視覚」と「聴覚」に集中している。

 ほかの3つはなぜ制限された?とググったらBMIを利用した嫌がらせで死亡例がでていたから。世界線が変わっても一部のバカのためにゲーム業界が迷惑を被っているな。

 ゲーム側への入力もかなり限定的だ、ゲーム世界内で手を動かしてUIをアクセスする方が多い。あとは音声入力だな、つまり技名を叫べば技が出る。

 はっきり言うと、家庭用VRMMORPGがあると聞いて、きてみたらがっかりだ。


 今回のソフト無料提供で、日本のBMI分野の覇権を握っているカンナグループがBMIのことを特にアピールしていなかった、「既存ゲームのBMI制限解除対応を行います」とだけ発表。ほかの会社が一所懸命に「BMIを活用している」「BMI適性上げられる」とアピールしても、カンナが黙っていると自然に制限解除したVRゲームへの期待が「制限なくしても大したことができない」という落胆に変わった。

 ふたを開けてみると、においは嗅げる、味はする、触覚も以前の比ではない。

 あとは軍用ですでにある頸から下を動かなくする技術が民間に下りれば、小説のようなフルダイブができ……どう考えてもすぐには無理だ、ゴーグル一つで体の動き止められるなんて簡単に犯罪に転用できるから政府が許すわけがない。


 夢がない話は置いといて、要は家庭用で初めて全力を出したBMIだ、五感フルで堪能できる。

 その分危険もある。ゲーセンと違って店員(ライフセーバー)が傍にいないので、格好つけて触覚=痛覚100%とかで本当に死んだら自己責任、怖いならオプションでちゃんとオフにすること。



 次に、スキル制からの脱却だ。

 アプデで追加されたアナザーモードというあからさまな名前で入った仕様変更。


 コネクト仕様:スキルでしか攻撃できない。

 アナザー仕様:スキル使わない場合、物理演算などの計算でダメージを出す。


 BMI適性を鍛える名目だからか、あきらかに今までと違うゲームデザインだ。

 カンナ社のRPGは大抵“1024スキル”システムを受け継いでいる。1キャラで1024個のスキルを獲得できる。名前が安直すぎてよく覚えている。コネクトでの通常攻撃も正式名称は【コンボスキル】だ。でも完全スキル制は玄人志向すぎるので、クラス制+スキル制になっているのが多い。あと最近は2048とか上限が増えてる。

 スキル以外もが攻撃になる仕組みを導入したことで、今まで体を思う通りに動かすことが戦闘に寄与しなかったが、これからは違う。実装されていない動きも可能だし、常に急所を狙うことも可能だ。BMIでうまく体を動かせる人はキャラ育成に力を入れなくても、ある程度のところまでいけるようになる。


 最後の大きいところ、ちゃんとMMOらしくになった。


 この『退魔師・コネクト』は現代に生きる退魔師――もちろんフィクション表記は入っている――を題材にマルチメディア展開した退魔師シリーズの1作。

 公式はMMOという表記を使っているが、MMOのところはそんなに力を入れていなくて、ゲームジャンルを正確に言い表すと、“VR対応マルチプレイヤーオンライン3DアクションRPG”だ。


 ロビーは多くても32人しか入れなくて、ミッションの同時参加人数も基本4人と少ない。10年前のゲームということを考慮しても少なすぎる――実はこれVR対応リメーク前の『退魔師・(むすび)』の仕様そのまま、つまり約18年前の仕組みだ。

 戦闘参加人数を変えるとバランス調整全部やり直しだから、リメイクでそれをやりたがる開発者はいない。

 ちなみに一也はコネクトを初めてすぐやる気をなくして結に戻っていた――メインカメラは一人称視点固定のが気に入らなかった。


 アナザーモードはロビーに人がいっぱい、ミッション中は4人PT(パーティー)が8つ同時行動できたらしい。いまさらMMOらしいことができても大したことないけれど、これも事前情報が特に出ていなかった。


 PVのやる気なさは一体なんだろうね。

 やはり今まで商品として売っていたものを政府の圧力で無料(ただ)にされたせいかな。


 ほかもいろいろと細かいのがあるが、気になったのはこの3点だ。


 ちょうどダウンロードが終わったようだ。

 さて、ゲーム開始と行こうか、彼女がログインするまで、ちゃんと引っ張っていけるようにしたいな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ