異世界転生した俺の能力は綾鷹
「熱い〜めぐり いつもの出して」
仲間に頼まれ俺はいつものように綾鷹を出して、もんちゃんに渡した。
「やっぱ暑い時は冷たい飲み物だよな」
もんちゃんはキャップを開けて勢いよく綾鷹を飲む
「ちょっと、もんちゃん!はしたないわよ」
「もんちゃん、やよいの言う通りにゃ!少しは女の子らしくするにゃ」
もんちゃんが仲間のやよい。と にゃごすけに怒られるのもいつもの事だ。
俺たちは今、宿敵コカ・コーラ討伐に向かっている。
ここまで本当に長かった
ーー2年前
「はと麦玄米月見草〜」
俺の名前はめぐり!どこにでもいる普通の高校生
学校は夏休みで友達と遊んだ帰りにコンビニにお茶を買いに来た。
「やっぱお茶と言えばこれでしょ」
まるで急須でいれたようなお茶 これしかありえない!
俺は綾鷹を手に取った瞬間、目の前を眩い光が覆った。
【あなたはお茶の神から選ばれました】
そんな意味不明な言葉が脳に響き、簡単な説明をうけ、俺は綾鷹という能力を貰い異世界へと転生した。
ーー
本当に雑な転生で苦労もしたけど、今では仲間もできて楽しい異世界ライフを歩めていると思う
でも、俺がコカ・コーラを倒したら...
俺は元の世界に戻りただのお茶好きの高校生に戻るだろう。俺は本当にそれでいいのか?俺は...
「おい!めぐり?」
「めぐりどうしたの?」
「めぐり?どうしたにゃ?」
3人に声をかけられて我に返る
そうだ、俺たちはもうコカ・コーラ討伐目前
後のことなんて考える余裕なんてないか
「もんちゃん」 「おう!」
「やよい」 「はい!」
「にゃごすけ」 「にゃー!」
「準備はいいか?」「「「もちろん(です)【にゃ】」」」
俺は目の前の扉を力強く開いた
部屋からの圧倒的炭酸により体がパチパチと痛い
これがコカ・コーラ!
「我の元まで茶風情がよく来れたものだ。部下のスプライトとファンタが居たはずだが?」
「へへ!あんなやつ、めぐりにとっちゃただの水だぜ」
「めぐりさんにかなう敵ではありませんでしたわ!」
「余裕だにゃ!」
「そうか、ただ我にとってコーラ以外など取るに取らぬ存在。世界シェア率1位の力存分に味わせてやろう」
「砂糖にまみれたコーラの野望打ち砕いてみせる!」
俺の綾鷹とコカ・コーラのコーラがぶつかり合う
周りに茶葉が飛び交い炭酸が割れ地面が揺れる
「これほどの力とは...さすが勇者と言ったところか!だがこれはどうかな?」
コカ・コーラの体が黒く染って行く
「コカ・コーラZERO この体で戦うのも久方ぶりか
めぐりよ!これで終わってくれるなよ?」
ZERO化によりコカ・コーラの攻撃に無駄な甘さが消えスッキリと爽やかな飲み口が実現している
「めぐり!このままじゃやばいにゃ!」
にゃごすけの言う通りだ。出し惜しみは出来ない
「茶葉の甘み!」
「めぐりのやつ 綾鷹 茶葉の甘み化しやがったぜ!
こいつはただの綾鷹じゃねぇ!茶葉のかくれた“あまみ”を引き出した、さわやかな緑茶 ZERO化したとはいえコカ・コーラあんた終わりだぜ!」
「コカ・コーラZERO化といえど所詮は人工甘味料で誤魔化した甘さ。自然の甘さに叶うわけありません!」
これなら行ける!俺の綾鷹なら!!!
俺の綾鷹が魔王を貫いた!!!!
「ハハハ!勇者めぐりよ まさか我を倒せると思っておるまいな?」
コカ・コーラが不敵な笑みを浮かべながら起き上がる
「めぐり!やつのハッタリだ!気にするなよ!」
「めぐりさんの攻撃たしかに効いています」
高笑いを続けるコカ・コーラの傷が癒えていく
「コカ・コーラエナジーまさかこれを使うことになるとはな!勇者めぐりよ。誇っていいぞ」
魔王の体からエナジーが溢れ炭酸がより激しさを増していく
「なんて炭酸力にゃ!それにこのエナジーは一体なんにゃ!?」
「エナジードリンク!割高で量を少なくともなお!絶大な人気を得る形態!我の全力を受けてみろ!勇者めぐりよ!!!」
コカ・コーラから絶大なエナジードリンクがとんでくる やばい...このままじゃ...
「「めぐりをやらせるわけにはいかない(です)(にゃ)!!!」」
コカ・コーラからの絶大な攻撃からめぐりをもんちゃんとやよい。にゃごすけが守った
「ちょこざいな!エナジードリンクは量が少ないのが欠点!だが次こそは完全に息の根を止めてやる!」
「もんちゃん!やよい!にゃごすけ!」
俺はコカ・コーラの攻撃準備など気にせず3人に駆け寄った。
「はは、めぐり うちお前のこと好きだったんだぜ
めぐりのくれるお茶はいつも美味しいからよ」
もんちゃん...
「めぐり...私がこっそりおーいお茶を買った時も優しくしてくれましたよね。すごく嬉しかったな」
やよい...
「めぐにゃ...チュールなんていらにゃいからコカ・コーラを倒してくれにゃ」
にゃごすけ...
みんな...
....
「さて、準備は整った。めぐりよ命乞いするなら今のうちだぞ!」
「...ナイ....許さない!」
体が茶葉で覆われていく なぜだか少し心地いい
「ふん!コカ・コーラエナジーとなった我に勝てるわけがないだろう!」
コカ・コーラのエナジーが飛んでくる
俺は茶葉を集めてお茶を放った
「ばかな!エナジーが...たかがお茶ごときに!?」
「これが...俺の本気だ 【綾鷹 特選茶】」
特選された茶葉たちがコカ・コーラの体を分解していく
「我の糖を分解してる...だと!?この力まさか!」
「特定保健用食品。俺の国ではそう呼んでいる」
俺の特選茶がコカ・コーラの体を完全に分解しきった。
「もんちゃん...やよい...にゃごすけ..ありがとう」
コカ・コーラを倒したと同時に俺は意識を失った。
ーーー
【めぐりあなたはよくコカ・コーラを倒しました。
世界を救ってくれたあなたには1つ願いを叶えてあげましょう】
...なんでもいいのか?
【はい、できることでしたら】
じゃあ...
ーーー
「おい!めぐりお前また綾鷹買ってんのかよw」
「めぐりは本当に綾鷹好きだもんね」
「めぐりの綾鷹好きは筋金入りにゃ」
暑い夏 外で遊ぶなら綾鷹持っていかないとね