目覚め
頭の痛みで目が覚めた。
目を開けると、目の前にゴツい顔があった。
「ひっ…」
「人の顔を見て『ひっ…』とはなんだ、ちょっと傷ついたぞ」
ゴツい顔のおっさんはベットの横にある壁についた電話でどこかに連絡を取っている。
「目覚めたぞ、予想より早かったな」
どこに電話してんだろうなーとか考えてて、
「あれ、ここ何処だ」
今ごろ気付いた、ここ家じゃねぇ。
家だとしたらこんなおっさんいねぇし、ベッドじゃねぇし。
「頭痛くてなんも考えられねぇ…」
「何があったか覚えてないか?」
「なんも思い出せねぇ…夕方ポテチ食ってたことまでしか…」
「そのポテチ食ってるときに何があったか覚えてないか?覚えてなければこっち見てみろ」
俺は言われた通りおっさんの方を向く、向いて全部思い出した。
「…スタンガン…おま…」
俺は逃げようと起き上がってベッドから降りようとした、が、力が入らなくて起き上がれなかった。
「あと何時間か起き上がれないと思うぞ。それまでに色々説明してやるから大人しくしてろ」
「…」
今はしたがった方が良さそうだ。
静かに説明されるのを待とうと暴れるのをやめたとき。
「活きの良い人だこと」
入り口のドアが開いて白衣を着た女の人が入ってきた。
「体調はどうかね?神崎君」
その女の人はベットの横まで来ると俺の手首を持って数秒止まって
「ふむ、最高血圧は90ぐらいね、体温も36.1で問題無し、脈も安定してるね」
と言って手に持ってたバインダーにメモを取った。
「そこまで分かるんですか」
「少し特殊なんでね」
そういうと椅子を持ってきて、
「少し長い話しになるけど、まず最初に」
「最初に…なんでしょう?」
「神崎宗一郎、君は死んだことになりました」