始まり
「また明日なー」
俺は同級生に適当な挨拶をして学校の門から出た。
高校に入るとき学校から『あなたは絶対に運動部に所属しないでください』とか言われているので部活もやってない。
誰かと一緒に下校…なんて楽しげなこともせず、一人で2kmぐらい先の家まで歩き出す。
たまには一緒に帰る奴が欲しいな…
「べ、別にぼっちじゃねぇし…」
つい、悲しい独り言を呟くと、通りすぎてった主婦っぽい人が軽く笑って行った。泣くぞ。自棄食いしてやる…
コンビニでポテチを買って食いながら歩こうとした時
「君、名前は神崎宗一郎であってるか」
と、190近い身長で、服の上からでも分かる、鍛えてる筋肉の付き方のスーツ姿のおっさんが話しかけてきた。顔こえぇ…。
「そうだけど、誰?」
俺は冷静を装ってポテチを食べながら返事を返す。
「そうか、君が」
「そうだって言ってるだろ。人の事聞くときは自分も名乗れよ」
「その必要はない、どうせ忘れる」
覚えにくい名前なのか?と思い、もう一回名前を聞こうとしたとき
「大人しく誘拐されてくれないか?手荒な真似はあんまり好きじゃないんだ」
と言っておっさんはズボンのポケットから小さい箱形のものを取り出した。
「あ…それ…俗に言う……スタンガン…ってやつじゃ…?」
「…」
おっさんは何も言わない、が、変わりに手元の小箱から電流を発生させる。
「あー…えっと…」
おっさんがじりじり迫ってくる。
「…………優しくしてね?」
俺はそんなふざけた台詞を言って気を失った。
読んでいただき、誠に有り難う御座います。これからもなるべく書き続けていきますのでよろしくお願い致します。