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特別棟の探索7 ―日中―


〇side:ユニ




 やって来ました! 『時計塔の絶叫』の現場です!

 位置は特別棟の北東。時計塔は色あせた赤レンガと灰色の石の二色で出来ていて、二階建ての特別棟より少しだけ背が高く、幅はかなりあります。

 そして、その特徴である時計部分。

 ものすごく大きいです! 建物の半分ぐらいは時計部分で出来ているほどです。

 建物としては特別棟からは完全に独立していて、一階中央に重厚な鉄扉がありました。どうやらあそこから中に入れるようですね!


「大きいですわね……」

「思った以上に立派だな……」

「ゲームの時以上に大きくて笑う……」

「リアルなせいか全体的な奥行きが違うよねー……」


 レティシア様、殿下、マリア様、アリス様が並んで時計塔を見上げていらっしゃいます。その後ろにいらっしゃるのが殿下のパーティーメンバーで、地図を見ながら何か話し合っておられます。なにかしら?

 あら? そういえばエリク様とシュエット様は?


「エリク達は何をしてるのかな?」


 私の隣にいたクルト様の視線の先に――あ! いらっしゃいました! お二人で真剣な顔で時計塔と周囲を見比べていらっしゃいます。

 それはいいのですが……何故、そんなに遠くにいらっしゃるの?


「ユニ様? エリク様?」


 離れた位置のままこちらに近寄って来ないお二人の元に、クルト様と一緒に向かいました。


「どうしたの? なんか怖い顔だけど」

「……ああ……」


 クルト様がお尋ねになりますが、時計塔をじっと見つめていたエリク様は難しい表情のままです。シュエット様を見ると、シュエット様は困ったようなお顔になりました。


「ユニ様、クルト様、特別棟にあった古時計は覚えておられますか?」

「うん? ああ、あの大きくて立派な時計だね。覚えてるよ」

「あれがどうかなさいましたの?」

「あの時計の中に描かれた意匠……覚えていらっしゃいますか?」


 問われて、思わずクルト様と顔を見合わせました。あの時計の中?


「ごめんなさい。私はあまり覚えていませんわ……」

「僕も。綺麗だなー、ぐらいしか。風景を描いたやつだよね?」

「ああ」


 全く参考にならない私達の声に、エリク様は難しいお顔のまま口を開かれました。


「そこに描かれていたのと――ここから見る光景がよく似ているんだ」


 え? それって……


「どうしたんだ?」


 あ! 殿下達がやって来られました!

 離れて固まっていた私達に気づいて集まって来られたようです。

 あら? アリス様とマリア様が素早く目配せされてます。なにかしら?


「殿下は覚えておいでだろうか? 特別棟の古時計に描かれていた意匠なんだが」

「そういえば何か描かれていたな……それがどうかしたのか?」

「あら……ここから見る景色、あの意匠に似ていらっしゃいますね?」

「! レティシア様もそう思われるか!」


 エリク様達の近くに立って時計塔を見たレティシア様がおっとり驚かれておいでです。エリク様とシュエット様が我が意を得たりとばかりに顔を輝かせました。

 ……お、覚えてなくてごめんなさいませ……?


「東屋らしき建物が変わった形をしているなと思っていたものですから。あの時計塔を簡略化して描いていたのですね」

「ふむ? 時計繋がりで何か意味があるのかもしれないな」


 レティシア様のお言葉に殿下も考える顔になられました。

 あ。アリス様とマリア様が小さくガッツポーズされています。なに? なに?


「作者が一緒だとかでしょうか? また後で古時計の方も調べたほうがいいかもしれませんねー」

「『隔離室の啜り泣き』が先ですけどね」


 皆様の意識が古時計に向けられているようなので、そっと口を挟ませていただきます。特別棟の古時計は夜になってからでも調べられますけれど、隔離室の方はレティシア様が怖がるだろうから日中に行わなければ。


「わかってるよー。じゃあ、とりあえず時計塔に入ろうか」


 にこにこしているクルト様が手を差し出してくださいましたので、私はウキウキしながら手を繋ぎました。うふふ。


「あら!」

「青春だねぇ」

「……おばーちゃん……」


 楽し気なレティシア様のお声にちょっぴり頬が熱くなります。

 そしてアリス様の呟きに対するマリア様の感想はいったい……?


「けっこう重そうな扉だねー」

「鍵はかかっていないようだな……」


 扉は体格のいい大人の方でもスッと入ってしまえそうなぐらい大きいです。その分重そうでしたので、エリク様とクルト様が二人がかりで開かれました。殿下も手伝おうとしたのですが、お二人が大丈夫だからと後ろに下がらせておいででした。


「こういう時に身分は関係無いと思うのだが……?」

「いや、罠は無いと思いますけど、悪戯が仕掛けられている可能性はありますからねー」

「学園の悪戯なのか、生徒の悪戯なのかは分からんが、可能性はゼロでは無い。――まぁ、何もなかったわけだが」


 なるほど。それで女性陣も後ろに下がらせていらっしゃったのね?

 お二人の紳士ぶりに胸がキュンキュンいたしますわ!


「中は暗いな……」

「明りとりの窓はいくつかあるけど、松明とか蝋燭とかを灯す場所は無いね」

「魔法で灯りを灯すことが前提なのだろうか? とりあえず、明るくしておこう」


 先に入ったエリク様とクルト様が光の魔法を使っておられます。沢山出しているのはレティシア様のためでしょう。うふふ。クルト様のそういうところ、大好きですわ!


「うん。階段には手すりがあるねー」

「無いと事故が怖いからな……」

「王都の城壁の見張りの塔って手すり無かったことない?」

「あれもな……新しく設置しようという話はあるらしいのだが、なかなか実装されないようだ。父上達もぼやいていた」

「事故が起きてからじゃ遅いのにねー」


 クルト様とエリク様は見張りの塔の内部をご覧になったことがあるのかしら? 私達は近寄らない場所ですから、どういう感じなのか想像がつきませんが。


「予算の関連会議は毎年紛糾するからな……一般人が近寄らない場所は後回しにされやすい」


 殿下がちょっと遠い眼差しに。そういえば、殿下は王族だから会議に出席されることがあるのですよね。見学だけで、発言権はまだ無いそうですが。


「少しでも予算があれば学園の方に手をまわそうという動きも多いからな」

「うーん……大事だし僕らもその恩恵にあずかってるから文句は言い辛いねー……」

「急な気候変動や作物の不作などで資金額も毎年下がりつつあるからな。この国はまだ鉱石関係が好調だから、他の国よりは豊かではあるが」

「そういえば、うちの国って鉱山資源が豊富ですよねー。作物の出来も他の国に比べれば安定してるし。大地の精霊の契約者ってそんなに多かったかなぁ……?」

「そこまで突出していなかったと思うが……他国より多いのかもしれないな。あと、大地の場合、我が国だとアストル領に契約者が多いのが特徴だな」

「あら、そうだったのですか?」


 殿下とクルト様のお話に、アストル家のレティシア様が首を傾げられました。


「何故、本家が把握していないんだ……」

「領内の精霊の契約者の数ですけれど、種類が豊富で全体的にそんなに差が無かったと思いますの」

「……そういえば、アストル領はそもそも契約者数そのものが多かったな」

「上級精霊の数はそうでもないと思いますけど、小精霊との契約者が多くいらっしゃいますから」

「ああ、小精霊だから目立たないのか……精霊の数が多いという時点で素晴らしいんだがな」


 納得された殿下が少し困り顔をされています。

 今の風潮は上位の精霊であればあるほどいい、という感じですからね。殿下としては思うところがおありなのでしょう。


「ところでレティシア様。じりじりと時計塔から離れようとしていらっしゃいますけど、駄目ですわよ?」

「ぴぃ……っ」


 あ。シュエット様がニコッと。

 肩を跳ねさせたレティシア様の背中を押して中へ中へと入っていきます。

 ……レティシア様、助けを求める眼差しを送られても、駄目ですわよ?


「怖いことは早く終わらせましょ。ほら、手を握っててあげるから」

「あっ」


 マリア様がレティシア様に手を差し伸べて、殿下がショックを受けたお顔になりました。あらあら~。

 救世主を見る目でマリア様を見つめ、そそくさと手を伸ばされたレティシア様の白い手はサッと伸びて来たアリス様の手が握りました。あらら?


「マリーちゃんは殿下と手を繋いでレティシア様の後ろにいてほしいかなー?」

「なんで?」

「倒れちゃった時の為用」

「あー……」


 ……なるほど……

 全員が納得顔になりました。レティシア様がとても申し訳なさそうなお顔に。


「お世話になります」

「はいはぁい」

「じゃあ、行きましょうか!」

「ま、待ってくれ! 女性二人で先頭は何かあった時危険だ!」


 慌てたエリク様がアリス様達の前に出ようと動き出しました。シュエット様が「仕方ありませんわね」というお顔で微笑んでおられます。

 そこへ振り返ったアリス様がキリッとしたお顔で仰いました。


「エリク様はシュエット様と手を繋いでいてください」

「えっ!? そ、それは、え」

「よろしくお願いいたしますわ、エリク様」

「えっ、う、うむ……」


 受けてにっこり微笑んだシュエット様の手に、赤くなったエリク様がおそるおそる手を伸ばします。あら~うふふふふ。アリス様、なかなかやりますわね!


「……アリス……」

「さぁ! 出発ですよ!」


 何故かマリア様がアリス様に生暖かい眼差しを向けておられました。






 カツンカツンと足音が時計塔に響きます。


「かなりしっかりした造りだよね、ここ」


 私の歩調にあわせてゆっくり階段を上ってくださっているクルト様が上を見ながら呟かれました。

 時計塔の内部は外から見た感じよりも大きかったです。壁際に設置された階段は螺旋を描く形で上へと続いており、壁と手すりの間は大人が三人ぐらい通れそうな広さをしています。赤と灰色の煉瓦で作られている壁はザラザラしていますが、触ったからといって手に粉がつくような感じではありませんでした。

 そういえば一階の床も階段も埃などはありません。誰かが定期的に掃除しているのでしょうか?


「重要な施設、ということでしょうか? 掃除の手も行き届いているようですわね」

「そういえば、綺麗だよね。ユニはよく見てるねー」


 褒められました!


「朝、昼、夕、と聞こえてくる鐘の音はこの時計塔のものだろうし、重要な施設といえば重要な施設だろうな」

「かなり大きな音でしたわよね、あの鐘の音。……ということは、下手をすると至近距離であの大きな鐘の音を聞くことになるのでしょうか?」


 エリク様の声に、にこにこしていたシュエット様がふと思案顔になりました。

 ……たしかにあの鐘の音、ここから離れている炊事場や森の中にも聞こえてきましたから、かなりの音のはずですわね……

 そしてもうしばらくすればお昼の時間です。時計塔に入る前に懐中時計で確認したので間違いありません。慰霊碑で思った以上に時間をとられてしまいましたものね……


「いや、大丈夫だろう。遮音の魔法がかけられているようだ」

「遮音魔法、ですか?」


 登りながら建物内をじっくり見ていらっしゃった殿下のお声に、マリア様が首を傾げられます。


「ああ。あれだけ大きな時計なのに、秒針の音も、仕掛けの音も聞こえてこないだろう?」

「そういえばそうですね……」

「どこまでが結界内なのかは分からないが、少なくとも階段を登っている時に鐘の大きな音がするということはないだろう」

「なるほど」


 マリア様は何かを思い出すようにして何度も頷かれています。熱心なその様子に殿下がほっこりしたお顔になりました。嬉しそうですわねぇ、殿下。


「ということは、天井のように見えるあの一番上の部分より、さらに上の部分に時計の部分があるのかもしれませんね……きゃっ!?」

「シュエット殿、危ない!」


 上を見上げていたシュエット様が足元を崩されかけてエリク様に抱きかかえられています。

 エリク様! ナイスですわ!!


「あ、ありがとうございます……エリク様……」

「いや、うむ、その、気を付けてくれ」

「はい……」


 あら? お二人とも真っ赤になっておられますわ。あ! さてはエリク様、体勢的にお胸に触れてしまいましたわね!?

 そして一番上からお二人を振り返っているアリス様とレティシア様がとっても微笑ましそうなにこにこ笑顔です。


「……レティシア様、アリス嬢、その眼差しはやめていただきたい」

「あら~」

「ふふふ~」


 咳払いしつつエリク様が物申していますけど、微笑ましい気持ちは分かるのでフォローできませんわ。シュエット様も嬉し恥ずかしといった感じですし、よいのではないでしょうか? うふふ。


「ユニも足元には気をつけてね?」

「はいっ」

「いざとなったらちゃんと助けるけど、危ないことにはなってほしくないから」

「はいっ!」


 ああもう! クルト様大好きですわ!


「殿下も足元気を付けてくださいね! 危なくなったら抱きかかえますけど!」

「私がそっち側なのか!?」


 マリア様と殿下は……うぅん……どちらが逞しそうかといえば、その、はい……あえて何も申しませんわ。私にも情けはございます。


「そういえばさくさく登ってきちゃいましたけど、レティシア様、かなり健脚ですね?」


 一番前を行くお二人は足取りも軽く階段を登っておいでです。私達は男性が女性側の歩みにあわせておいでですから、わりとゆっくりめです。それでもだいぶ息があがってきていますけれど……

 ……あのお二人、全然息も乱れていないのですけれど、どうして……?


「淑女の嗜みとして足腰を鍛えておりましたから」


 ……それは本当に淑女の嗜みなのでしょうか……?

 多分鍛えたのは爺やさんなんでしょうけど、あの方はレティシア様をどんな超人になさりたいのかしら……


「アリス様も健脚でいらっしゃいますよね」

「パン屋で鍛えてますから!」


 ……パン屋で足腰が鍛えられるのかしら……? 腕ではなくて?


「パン屋さんも大変なのですね」

「重い材料を抱えて動くことも多いですからねー。基本、作業中は立ちっぱなしですし。生地を捏ねる時は全身を使って全力で捏ねますし。たまにワイン樽抱えて階段の上り下りしますし」


 最後! なにかパン屋に関係無いものがきませんでしたか!?

 それパン屋の普通なんですの!?

 お願い誰かツッコんで!?


「あ、そろそろ上の階ですよ」

「けっこう長かったですわね~」


 ああっご本人達がきゃっきゃうふふしながら上の階に登りきってしまいました!

 階段側に残った全員が目で問いかけあい、そっと心に蓋をして粛々と足を進めました。ええ。きっと考えては駄目ですわ。謎は謎として残しておくべきなんですわ。マリア様がなんだか遠い目をされてましたけど。


「おー、頂上部は広いですね!」

「まぁ、本当。ちょっとしたフロアになっていますわね。そしてさらに上に天井がある、と」

「この上が鐘とかがある部分かなぁ」

「あそこの壁に小さめの扉がありますから、そこから時計の仕掛け部分や鐘のある場所に向かう感じなのかもしれませんわね」

「この場所でも時計の音とか聞こえないから、遮音魔法はここにもかかってるんでしょうねー」


 上の階に姿を消したお二人の声が階段に聞こえてきていますから、魔法的な効果の区切りは、上のフロアから一階まで、ということでしょうか?

 先のお二人に続いて殿下とマリア様が登りきり、エリク様とシュエット様が登って、私達の前にも上の様子が見えてきました。


「本当に広いですわね……」

「この広さ……どう考えても外から見た時計塔の大きさと違う気がするんだけど……」


 クルト様もそう思われますよね?


「ここは明り取りの窓が大きいうえにいっぱいだね」

「周り一面に窓がありますのね……」


 あら? 窓の向こう、あそこに見えるのは惑わしの迷路ではないかしら? ここからなら上から見ることが可能なんですの?

 ……もっと早く訪れておくべきだったかもしれません……

 あと、この床の模様がすごく細かいのですけど、これに似たものをどこかで見たような気がいたします。

 どこで見たのだったかしら……?


「ワンフロアになると分かりやすいですね。うん。やっぱりここ、拡張魔法が施されていると思います」


 後ろから登ってきてた殿下パーティーの方々が、そう言ってメジャーを取り出されました。そしてテキパキと円形のフロアを測りはじめます。

 ……すごく手馴れておいでですわね……?


「外側は目測で測ってたのでおおよそですけど、中の広さは本来のものの一・五倍ですね。広すぎず、けれど、狭くない」

「特別広いというわけではありませんから、時計部分の仕掛けもそれほど大掛かりなものでは無さそうです」

「ここまで上がってくるのにけっこうなスペースをとっています。拡張されている部分を含めても、残りの高さにそれほど余裕はありませんから、このすぐ上に時計と鐘があるのは確定だと思います。外から見た時計塔に鐘の姿はありませんでした。そのことから、四方を文字盤(エト)で囲った中にあると推測されます」

「問題は動力源の大きさでしょうか……鐘の音が大きく聞こえるのが魔法的なものでない場合、現物の鐘も相当な大きさになります。……ですが残っている部分の大きさ的に、そこまで大きな鐘を設置して、なおかつ時計を動かし鐘を鳴らす動力源を設置するというのは難しい気がします。鐘が鳴る為に振るスペースが必要ですから」

「おそらく魔法的な仕掛けで音を大きくしているのでしょう。仮にそう仮定して、定期的に動力源を新しいのに取り換えているとしたとき、その場合の魔石の大きさを考えると、最低でも大人の握り拳より大きなサイズのものが必要になるでしょう」


 ……殿下のパーティーメンバーって……研究者なのかしら……?


「鐘の音の広がり的に、内部に鐘を設置し、その音を数倍から数十倍にして文字盤(エト)から発しているのだろうと思われます。それなら省スペースで作れますし、仕掛けも複雑にならずにすみますし、魔石もそこまで大きなものを必要としませんから」

「大人の握り拳より大きい、となるとそこそこの大きさだが?」

「王都の時計塔のだとそれ以上に大きい魔石が設置されていると聞きますよ」

「ああ、確かに……」


 殿下が納得した顔で頷かれます。なるほど。王都の時計塔の動力源は、もっと大きい魔石なのですね。


「とりあえず、鐘の鳴る時刻になる前に問題の時計部分を見てきましょう。流石に至近距離での大音量は避けたいですし」


 クルト様が仰って、皆が頷きました。

 こちらのフロアにも特別なものは見えませんでしたし、時計の仕掛け部分に問題の『絶叫』に関するものがあるのでしょうか?

 レティシア様は今のところそこまで怖がっておられませんけど、『絶叫』が聞こえた時にどう反応されるのか未知数です。

 出来れば怖くないのがいいのですけど……『絶叫』ですからねぇ……

 とりあえず、レティシア様が気絶なさらないことを祈っておきましょう。

 あと、出来れば爺やさんと早くお会いできますように。

 ……あら? 光を灯してくれてる精霊さん達が一斉に一か所に視線を向けられました。何かいるのかしら……?

 あっ。クルト様が私を振り返りました。


「行こうか、ユニ」


 手を伸ばしてくださいます。


「はいっ!


 もうクルト様、大好きですわ!






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段々とレティシア様の精神が安定してきてる…? うん気のせいですね(−−;)
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