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超超弩級戦艦紀伊 ~暁の出撃~  作者: 生まれも育ちも痛い橋
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来襲 ミッドウェー

お久し振りです

1944年 5月10日


それは嵐の様に過ぎ去っていった。

それまでとは違う、鉄の暴風。

空母の艦載機と思しき戦爆連合200機にも及ぶ戦力がミッドウェーへと押し寄せた。

迎撃に上がった二十数機の戦闘機隊も多勢に無勢、逃げるか撃墜されるかという有り様で殆ど相手に被害を与えられなかった。

そして先ず急降下爆撃によって対空銃座や電探設備が、続く水平爆撃で兵舎や飛行場が半壊した。


だがそれだけでは終わらない。

嵐が一航過して幾ばくもしないうちに、今度は100機にも及ぶB-17の爆撃がミッドウェーを襲う。飛行場の復興を急ぐ為に多くの要員を割き、電探が破壊され航空機に対する目が奪われ、更に米軍の置き土産である重機の予備部品を使って八九式戦車を現地で無断改造したもの(ただし八九式戦車の後部に無理矢理ブルドーザーのブレードをポン付けしたり牽引式のロードローラーを牽けるようにしたものだが)が活動して騒々しく、敵機接近に気付くのが遅れ、気付いたがサイレンを鳴らすのが遅れ、これから肉塊や鉄屑となる物でひしめく混沌の中に容赦なく破滅が舞い降りる。


数度に渡ったB-17が戦列歩兵の如く並んで蹂躙した爆撃に、地上に存在するありとあらゆる施設が、物体が、まるで巨大な竜巻が通り過ぎた後の様に破壊の限りを尽くされていた。

奇跡的に飛行場の端の方に軽量の戦闘機であれば辛うじて着陸出来そうな平地は残っていた。だがそこ以外は、無数の隕石が落ちた跡のクレーター状になっていて所々に木材や鉄が細切れになって散在している。

一通りの後防空壕から出てきた者は、これまで築き上げてきた物が一瞬の内に無に帰し、自分達が今まで相手にしてきた物がその力のほんの一部しか発揮しておらず、これほど大変な強敵を相手にしているのかという事実に呆然とするしか無かった。



1944年 5月14日


補給物資を満載するはずだった船団は、殆どが荷を積まず身軽な状態で日本を離れた。その半日前には四隻の空母を中心に据えた小沢艦隊が横須賀を出た。

米空母が出現したという情報から、本来はもっと多くの戦力、『翔鶴』『瑞鶴』も引き連れたかった。

しかし、今現在それら二隻はインド洋に出向いていた。快進撃を続けてコルカタ

まで進軍した陸軍を支援する他、インド洋方面の英国艦隊を完全に叩く、更に遺独潜水艦作戦の支援も兼ねていた。

よって現在小沢艦隊にはその二隻の替わりに『龍驤』を交え、『赤城』『蒼龍』『飛龍』の四隻態勢になっていた。本来であれば一時的なもので1ヶ月後辺りにミッドウェー守備隊は輸送船団のみでの撤退が予定されていた。だが急な米艦隊の出現でそれでは守備隊諸共全滅する恐れがあり横須賀にいた小沢艦隊が出向くことになった。


小沢艦隊

空母『赤城』旗艦 『蒼龍』『飛龍』『龍驤』

戦艦『榛名』『霧島』

重巡洋艦『利根』『筑摩』

軽巡洋艦『長良』

第四駆逐隊 第十駆逐隊 第十七駆逐隊 第六十一駆逐隊 計十二隻

他油槽船



収容部隊(山本五十六直率)

戦艦『紀伊』旗艦

空母『瑞鳳』

軽巡洋艦『北上』『大井』『神通』

第十五駆逐隊 第十六駆逐隊 第十八駆逐隊 計十隻

他輸送艦 輸送船 油槽船


輸送船団を山本五十六が直接率いるというのは奇妙なことに思えるかもしれないが、山本は自分が建てた戦略で苦労をかけた守備隊に連合艦隊最大最強を誇る『紀伊』と共に労う事で士気を上げるという狙いと、いざという時の船団の弾除け、もとい被害担当艦。そしていざ敵機に襲われた際にとある「実験」をするために作戦に参加することとなった。



次は既にある程度書き上がっているので少々早め(当社比)に投稿出来ると思います

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