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誤字・脱字を修正いたしました。27.4.12

「それじゃあ、アーテとマティクはお願いね?布と糸を好きな色で構わないから出来るだけ多く。お金はこれとこれを換金。アーテは対処を知ってるわね?それとこれが通行証と転移石はこれよ。私を思い浮かべなから魔力を流しなさい。使い方は大丈夫ね?」


「はい。大丈夫です」


「………………うん」


「あとは対処できるなら個人でしなさい。とくにアーテはもう一年だからなるべく自分で出来るように。拐われそうになったりとかどうしても、という場合は巻き込んでもいいから帰ってきなさいね。私が片付けるから」


 再びはい、と言う返事を聞いて私は『転移』の呪文を唱える。今日は冬支度のために布を買ってきてもらうの。服は布よりお金がかかるから自分達で縫った方が安上がり。裁縫ができる女の子は花嫁修行としてできるから布が一番いいのよね。


 呪文が出来上がればそのまま二人の足元に円陣を描いて発動する。場所は布が一番豊富に取り揃えている『ノノクタン』の街。少し遠いけど、街に行かせるのも慣れさせるために必要よ。十五でいきなり街に放り出されても何もできないものね。


 『転移』と口にすればフッと消えたアーテとマティク。今ごろ門と少し離れた場所に転移して街へ向かっているに違いないわね。


 さて………………じゃあこちらも狩りに出掛けましょうか。熊男騒動から多少時間はかかったけどバナルとロロのおかげでなんとか準備が出来ている。


 今日のお留守番はロロとトッティとミミル。残りの私と熊男、バナル、テテラ、エーラ、イーグ、モルフィーリ、カトレー。探索はしているから今日も大丈夫だと信じたい。近くで魔物を見せたこともあるので耐性は付いてきてるし、過去に数回も戦っているから大丈夫よ。


「準備はいい?バナルがリーダーよ。目標は冬の貯蔵用のお肉ね」


「今日は僕とテテラとイーグは前衛で後は後衛。エーラは回復補助に徹すること。ビークイーンがいるかも知れないとの情報があるから警戒は怠らないように。あと、イーグとカトレーは調子に乗るなよ?一人で突っ走らないように。いいな?」


「心配しなくてもバナル兄ちゃんの約束は守る!」


「な!俺たちの心配しなくても大丈夫だぜ!」


 悪いけどそれが心配なのよ。ほら、張り切って剣と杖を振り回さないで。危ないわ。いざとなったらしっかりするのになぜ普通の時はお調子者になっちゃうのかしら。今も「僕が全部やっつける!」て。カトレー、やっつけるのはいいけどお肉の部分は残さなきゃいけないのよ?


 バナルも一抹の不安が残るようだけど「行くぞ」と言えばみんなの掛け声で出ていく。私もその後ろを熊男を連れていくのだけど………はぁ。熊男は戦闘に向いてそうね。分かっていたけど。


 顔が見えるようになったおかげでよく分かるわ。魔物狩りが好きなのかどうかは知らないけど、なんだかわくわくしているのか瞳を輝かせている。男の子って戦闘好きよね。なぜなのかしら。


「行ってくるわね。なるべく多く集めたいから遅くなるかも知れないわ。日が暮れる前には戻るでしょうね」


「わかってますよ。気を付けて」


「きーつけて!」


「きょーつけて!」


 ミミルもトッティも言葉はもう少しね。頭を撫でてから玄関に向かえば熊男が待っていたので遅れながらもバナルたちの後ろについていった。援護できる距離に離れて無言で歩く。


 なぜか熊男と肩を並べているけど………今日は仕方ないことにしましょう。私はあの子たちを危険な目に合わせる事はしない。そのために生き物の魔力がどこにいるか把握するために魔力を飛ばした。


 確か誰かが『魔力探知』なんて言葉を使っていたような気がするけど、これは術者の魔力量によって範囲が変わるわ。少なければ自分を中心に数メートル。魔術師で数十メートル。より魔力があればキロでいける。


 私は魔力がある方なのでキロは簡単に越えられる。まあ、エルフならだいたいは出来るわね。ただ、使い方を間違えると『覇気』になってしまうのだけどね。魔力の使い方を間違うと、回りに飛ばしているから寄せ付けないようになってしまうのよ。


 まあ、探るのか寄せ付けないのかの違いだけど難しいと言えば難しい。魔力を操るからよね。それで早速美味しそうな魔物がみんなの右からやって来るわね。あれは………ウルウルフ。初心者向けの魔物。ちょっとお肉が固いやつね。


 『魔力探知』ができるのはテテラとカトレー。気づくかしら?あと―――二十……………十五………あら様子見?ちょっとだけ賢いウルウルフみたいね。仲間を集めるつもりなのかしら。十メートル範囲なら目視にはじゅうぶんな距離………………………ちょっと、


「あなたは動かないで」


「あの子たちが死ぬぞ」


「ウルウルフならあの子たちでも大丈夫よ。無理なら初めからこんな事しないわ」


「………殺す気か?」


「だったらこんなところで育てたりしないわよ。言ったでしょう?ここに集まる子どもはみんな孤児なの。親に捨てられたけど、一人でも生きたいと願う強い子達なの………ここにたどり着けない子どももいるけど、強く願った子どもたちは生きるために必死にこの森を抜けて家にたどり着くのよ。だから私は生きられるように魔法も剣も教えてあげているの。それを自由のきかないただ物を与えられ、大きくなれば貴族に下げ渡す教会と一緒にしないで。ただ守られるだけが子どもたちの至福ではないわ」


 いちいち説明しないと納得しないのね。この熊男は教会と同じような場所だと思っているの?間違えないでほしいものだわ。あそこは孤児を助けるけど、食事は質素で“ 人族 ”しか受け入れない。それに成長するにつれ貴族に売り渡されるのよ?行く宛が貴族の下にしかないなんて、奴隷と一緒だわ。


「知ってる?教会はない神を崇めて混血種を嫌うのよ。なにが平等なのかしらね。なにが慈悲?笑ってしまうわ」


「………ホルティーナは詳しいな。後で教会の事を教えてくれ。引っ掛かる」


「私は教会に対して毒しか吐かないわ」


「それでも、なにか手がかりがあるなら―――」





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