予想外の再会、吉と出るか凶と出るか!!【Ⅰ】
「はっあーい、お久しぶりね。いやぁ、なんだか素敵なオーラを感じたから外に出てみたら貴方達だったのね。そりゃあ素敵よね」
「いやあの、それは良いからその血なんとかした方が」
この人相当美人なのに、前回も今回も血流し過ぎだろ?!……しかもよりによって鼻からさ。
それに、何でここにミマリアが居るんだ?日本文化を崇拝してるみたいだから、いかにも日本ですな岩風呂とか釜風呂とかを専門的に扱ってるこの旅館に居てもおかしくないっちゃ、おかしくないけど。
……おかしくないけど。タイミング良過ぎないか。
「なぁ、領。せっかくだから、情報通で専門に事を扱ってるミマリアにいろいろ聞いてみないか?突っ込みたい事は山ほどあるけど、それは置いといて」
あぁ、そうか!!琉峡の事、何か知ってるかもしれない。
そうと決まったら、皆が集まってる麻矢と類の部屋に引きずっていこう。もっと血を吐かれそうだけど知った事か。琉峡の方がよっぽど大事だ。
「そういう事だ、ミマリア。オレ達の部屋に来てくれないか?」
「あら、何か事情がありそうね、楽しそうだし。……でも、信用ならないわ。私達は前回貴方達を売り飛ばそうとしていたのよ。怨まれていてもおかしくないはず。そんな人達の部屋にほいほい付いて行けと?」
えっと、つまりはどういう意味だ?
「何か仕掛けられてるかもしれない、何か企んでるかもしれない、そう思うから来れないって事だね?」
あぁ、成る程。
「んな事するかよ。こっちは琉峡のピンチですっげー困ってるんだぞ?!」
「え?!琉君のピンチなの?分かったわ、行く」
「はえぇ!!どんだけ琉峡の事気に入ってたんだよ」
「出来る事なら私の手元に置いて一生下僕として過ごして貰おうと」
「出来るか!!」
こいつやっぱ危険だ、思考回路がけっちょんけっちょんになってる。でも専門なんだよな、人さらいについては。しかもこんなに琉峡の事気に入ってるなら気合入れて捜してくれるかもしれない。
「そうね、それなら協力するけど。けどね、私最近栄養不足なのよ。サービスショットの一枚や二枚撮らせてくれるわよね」
「構わない!」
「構わないのか……」
「だっていちゃいちゃ出来るし」
「そっちかよ」
もしかして、ミマリアって至軟と何気に気が合う?それとも扱いが上手いとか?
「さぁ、始めるわよ。まずはハグしてちゅー」
「えぇ?!――ん……」
ちゅ、と少しばかり久々なキスを落とされて甘い感覚に体を支配される。いろいろつらいものがあるから、あんまり深入りはしないよな、と思っていたのだが……それが誤算だった。にやっと笑ったような気配を何となく感じ取った瞬間、唇をぺろりと舐め上げられる。
まじかよ!勘弁してくれなんて思いは勿論届かず。ここ廊下なんだから人来たらどうするんだよなんて思いも当然――――。
「心配しないで頂戴。人が来たらシメるわ」
駄目だろ!!しかも人の心を勝手に読むな。
カシャカシャパシャパシャ遠慮せず撮られて、その間も至軟はやめる気は無いらしく。唇を割って舌まで侵入してきた。本格的にヤバくなる!!
こっちはこんなにも焦っているのに、涼しい顔をして舌を絡み合わせられる。そして唾液が混ぜ合わせられて視界に涙が滲んで来た時、ゆっくりと離れていった。細い銀の糸での繋がりがぷつりと直ぐに切れた辺り、そこまで大惨事にはなっていないのだろうけど。
「ばかやろー」
「そうだな。領に対しては、そうなっちゃうかも」
「っ……ふん、だ」
ふいと視線をそらしても離れないのは……そうだ、ちょっと寒いからだ。別に今のでふらっときたとか、そういうのは無いぞ。無いからな!!
「どう?二十枚やら三十枚位、撮れたんじゃない?」
「えぇばっちりよ。こうなったら琉君を全力で助けるわ」
心強いけど、何だかな。
そんな思いが拭いきれないのは、決して領可のせいでは無いと断言出来る事だろう。




