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親友と呼べる存在


第一章


少女の暗い過去と未来に光を

榊山高校は、『能力者が通う高校』として以外にも、だだっ広い敷地でも有名である。

やはり一学年に千人ほどの学生がいるため、当然そうなってしまうのだろう。


登校してきた楠原深月と、朝から殺人キックを二発もお見舞いされた霧間麻人は、『これより榊山高校。関係者以外の立ち入りを固く禁ずる。』と書かれた紙が貼られている校門をくぐった。


それぞれが個性をもった大きな建物が建ち並ぶ光景も、さすがに一年間過ごせばなれてくるのか、二人はちゃくちゃくと目的地である、『第二学年学習棟』へとむかう。

分かりやすく言えば、二年生の校舎だ。


人数が多いため、学年によって勉強するための建物が変わるのだ。


霧間と楠原はグランドを横目に歩き、『実践棟』と呼ばれる能力の測定や、実際に友達同士で手合わせをするための施設を左に曲がった。

すると見えてくるのは、かなり大きな三階建ての、白い壁の建物。

それが第二学年学習棟だ。


二人は玄関を通過し、階段の近くで他の生徒の邪魔にならないようなところで足を止める。


楠原が言った。


「じゃあ、私は三階だからここで。」


「おう、じゃあ。」


霧間がそう返し、楠原は階段を上がっていった。


この学校でのクラス分けは、ランクの測定によって行われている。


楠原深月、すなわちAランクの学生は、三階の一番奥の教室に入り、その階には、B、Cランクの学生の入る教室もある。

二階は、D、E、そして休憩所となっており、一階はF、そして霧間麻人が所属する最下位クラスのGがあり、そして隣には職員室がある。


なので霧間は階段にはむかわず、他の学生の間を縫うようにして一階の廊下を進んでいく。


職員室の横を通過し、彼は教室に入った。


教室内は大学の講義室のようになっており、およそ二百人ほとが入れる大きさだ。


学生の数よりも多めに入室できるようにしてある理由は、一クラスあたりに所属する学生の数が違ってくるからだ。

能力測定の結果によって振り分けられるため、全クラス等しい人数というわけにはいかない。


一番多いのはCランクとDランクであり、Cの教室には150人ほど、Dの教室には200人ほどの学生がいる。


また、学生はCとDのクラスの関係を、『クリーチェスト召還の壁』と呼んでいる。


ちなみに楠原深月の所属する最高ランクのAには、彼女を含めたったの10人しかいない。


Aランクの条件は、『クリーチェストを召還し、融合できるかどうか』である。


10という数字が、その難しさを表しているといってもいいだろう。


霧間はその数字を思い出すたびに、幼なじみの楠原の存在を少し遠くに見てしまうのだった。


しかしながら、人数で考えるなら霧間麻人の所属するGランクも負けてはいない。

その人数はたった30人であり、その数字はAランクの学生に続いて少ないのだ。

ただ、Aランクの次に少ないからと言っても、楠原が霧間の存在を少し遠くに見ることは永遠にないだろう。


もともと、Gランクの実力をとることの方が謎、とも言われており、このクラスに所属する学生には何らかの事情があると言っても過言ではない。


ランクの測定は、『筆記テスト』『実技』と大きく二つにわけられている。

実を言うと、霧間麻人は点数だけ見ればDランクの実力はあるのだ。


しかし、彼にはどうしても越えられない壁がある。


それは、筆記テストの問1の最初の問題。

いや、問題と言うよりも確認といってもいいだろう。

『あなたの契約しているクリーチェストは何ですか?』というのがそれだ。


毎回出されるこの確認。誰もが書く時間しか要しないはずのこの質問。

そして何よりも、これが不正解だと問答無用でGランクが確定するという質問なのだ。


自分自身の契約相手を知らない霧間麻人にとっては、最後の『Aランク級の問題』よりも、いや、世界で一番難しい問題と言えよう。


なお、テストの採点については、教師たちが持っている特殊なペンを使って行われる。

自動的に、正解なら丸をうち、不正解ならばってんを刻むという優れものだ。


このことより、教師は学生の契約相手を把握していない、とも言える。

よって彼らにも霧間麻人の契約相手はわからないのだ。


年に六回行われる測定試験で、霧間はこれまであてずっぽうでクリーチェストの種類を書いてきた。

しかし、『一万種類を越える』数から正解を当てるのは、神業とも言えるだろう。


そして霧間にそんな神様の力が宿っているわけでもないため、彼は今日もこのGのクラスにいるのだ。


実技は、『クリーチェストから何かを借りる』という条件を満たせばFランクは確定し、『召還したクリーチェストに命令し、クリーチェストがそれに従う』というものがクリアできれば、最低でもCランクとなる。

しかしこれらは霧間麻人にとってはほとんど関係ないと言えるだろう。



霧間が教室に入ると、すでに10人ほどの学生が来ていた。

普通なら軽い会釈の交換があってもいいのだが、彼とクラスメイトの間ではほとんどない。


理由は単純、霧間に関わるとFランクの学生から目をつけられるからだ。


霧間のような例外を除けば、何もできやしないGランクの学生は瞬殺されてしまうだろう。


ほとんどのGランクの学生がそれを恐れる故、霧間には友達がほとんどいないのだ。


霧間はいつも通り誰とも会話を交わさずに隅っこの席につく。

この場所は彼の特等席とも言え、そしてその隣、そのまた隣も必ず空いている。


霧間が距離を置かれているから、というのも理由の一つだが、最も大きな理由は他にある。


そして霧間が席について数分後、その理由が教室に入ってきた。


そいつはどかどかと教室内を歩き、霧間の特等席の隣に腰かけた。


「よう麻人!今日も愛しの彼女の深月ちゃんと仲良く登校してきたのか!?」


そしていきなり霧間に声をかけた体つきのいい、金髪でショートヘアーの男は、彼の親友であり、学年一の問題児(学力が)、岩國(イワクニ) 浩也(コウヤ)だ。


そんな彼の言葉に、霧間麻人はため息をついて返す。


「俺を彼氏とするなら、朝っぱらからその愛する彼の頭に蹴りを二発も撃ち込むったぁ過激な愛情表現だな。」


それを聞いた岩國はただただ大きな声で笑う。


それを見た霧間はもう一度ため息をつき、そして親友の頭を軽く小突いく。


今日も変わらない、非日常が始まった。



茜空と超能力シャ の閲覧ありがとうございます、作者の黒崎 千叉です。




やっと入りましたね、学校。



いやあ、長かった。



飽きずによんでくださったかた、本当に感謝です。




登場しました、霧間君の親友の岩國浩也君です。




岩國の クニ は 国 じゃないのでそこんとこよろしくお願いします。



なんで國かって?



三國○双みたいでかっこいいじゃないですか。



こだわりです、はい。




しょうもないこだわりです。





それはどうでもいいとしまして、




リア友から「何でツインテールなん?」って質問がきますが、




もう一度言います、個人の好みです。






はい、



なんか内容のないあとがきになりましたね。




もう少しストーリーを進めたら楠原深月さんのプロフィールを書こうと思います。




3サイズとかは想像に任せますので。




それではまた次回。



皆さんお元気でお過ごしください。




黒崎千叉

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