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ある科学者の日記
――月―日
異世界はある。
この言葉がクレイジー思想から常識に変わって早くも数年がたった。
大地震によって発生したと言われている歪み、そのむこうの異世界にいた進化生物、『クリーチェスト』と契約を結ぶ人々の数も年々増加し、日常生活、法律までもが変わってきている
今朝のニュースでは、クリーチェストと契約を結んでいる学生だけが通うことのできる高校の建設が始まった、と報道していた。
未来への希望をつくる、というだけならいいが、どうもその学校には日本の法律が適用されず、校則が全てとなるらしい。
もしも私に子供ができたなら、そんなところには行かせたくはないな。
私はただ、彼らの力によって紛争が起こらないことを切実に願っている。
そしてそのために、私は研究しているのだ。
…誰かが来たようなので今日はこれで終わりにする。
明日は、良い研究の成果を書きたい。
それではよい夜を。