海
海についた。
空気が澄んでいる。
波の音が気持ちいい。
来て良かった。
本気でそう思えた。
砂の感触が心地いいし、不思議だ。
挿し絵をしたいのだがどうすればいいのか分からん。
まあ、公開する頃には出来ているだろうな。
砂を触ってみた。
温かいし、どこか懐かしい。
そういえば家族で海に行ったときに沙を触ったっけな。
あの頃は楽しかったな。
適応障害もなく。
学校には行けてたし。
父さんは嫌いだったけど、友達とよくおばあちゃん家で遊んでた。
あの頃に戻りたいな。
まあ、戻れるとなっても戻らないけどな。
未来が変わるの怖いし。
海のさざめきの中で小説を書いている。
とても気持ちがいい。
鳥の鳴き声。
波の音。
全てが俺に温かく響いてくる。
本当に来て良かったな。
でも、少し風が強い。
今、上の方にいるから怖いな。
俺は高所恐怖症の片鱗があるんだよな。
いつか、克服できたら良いな。
音楽を聴きながら歩いてきた。
星野源さんや、Orangestarさんなど。
俺はこの人達の曲が好きだ。
自分を肯定してくれている気がするから。
帰り道。
おばちゃんに迎えに来てもらった。
情けないがしょうがない。
疲れたから。
しばらく家にいたのに、急に動くからだ。
全く。
自分に飽き飽きする。
でも、車だと十五分ぐらいだった。
歩いたのが馬鹿らしいな。
まあ、歩けて良かったけど。
車でおばあちゃんに言われた。
「よく歩いたね。」
「大変だったでしょ?」
俺は嬉しかった。
自分の頑張りを認めてくれた気がしたから。
お昼ごはんを食べずに歩いていたから、おなかがすいた。
おにぎりを買ってくれた。
家に帰るとララのという猫が上に乗ってきた。
かわいい。
柔らかい。
猫だ。
撫でられたかったのだろう。
寂しかったのだろうな。
家で一匹だけだったから。
改めて家の大事さがわかった。
家に帰るために出掛けるのだ。
その言葉の意味が理解できた気がした。
俺はこの五時間で海が好きになった。
旅も悪くない。
そうも思えた。
最後に。
この小説はノンフィクションだ。
俺の気持ちをただ、吐き出しただけ。
そんな文章だ。
もし、救われた。
もしくは、共感した。
そう思ったときは、自分のおかげだ。
自分を誉めてあげてくれ。
俺はただ、出来事を並べただけだから。