海を目指す
その日の昼。
俺は今。
海に向かっている。
死ぬためじゃない。
ただ、海が見たいだけだ。
土手を歩いていたら、お婆さんに挨拶された。
「こんにちは。」
だって。
嬉しかった。
人と繋がっていれらた気がした。
海までは片道二時間。
俺は体力がある方かもしれない。
あと、五十分もないぐらいでつく。
俺のはじめての挿し絵が海になるかもしれない。
まあ、期待しててくれよ。
神社のある公園についた。
そこでお参りした。
ご縁がありますようにと思って五円をお供えした。
そこで動物が見えた。
とかげのような違うような気がする。
そんな動物だった。
俺はとなりのトトロを思い出した。
本当にご縁があったから、神はいるのかもしれない。
もうずいぶん歩いてきた。
海が見える。
少しだけだけど。
きれいだ。
ちゃんと見える位置に移動しようと思う。
今でも、潮風の匂いがする。
少し落ち着く気がする。
どこまでも行けると思わせてくれる。
こんなに広かったんだな。
海って。
期待が高まる。
この目で直接見た海はどんな景色だろうか。
一人で歩いてきたにふさわしいほどの景色だろうな。
きっと。
この思い出は忘れられないだろう。
そんな気がする。
書き忘れてた。
これはただの、日記として書いている。
これを読んでいるということは、誰かに俺の一日が届いたということだ。
あと、誰かに歩いてほしいわけでも、自分の感情を押し付けているわけでもない。
その時思ったことをそのまま書いている。
実際の記録を。
ここに俺の感情を置いておきたくて書いているだけだ。
だから、救われた。
そう感じたら。
あなたの感受性が高いということだ。
どうかそれを忘れないでほしい。