父さんが来た朝
次の日の朝
起きれなくて寝てたら父さんが来た。
どうやら部活に行けと言いに来たらしい。
そんなことしても行かないのにな。
「俺が怒ったから学校に行けてないのか?」
父さんが聞いてくる。
違う。
いやそれもあるけど、本当は違う。
朝起きれない、学校に行けない。
その全ては、適応障害だからだ。
俺の病気も知らないで部活に行けと言ってくる父さん。
ふっ。
笑えるな。
父さんはそんなことも知らないで続ける。
「先生から電話があって、みんな心配してるってよ。」
「お前がいないとダメだって。」
「起きてみないか?」
部活のみんなが俺を?
みんななら心配するだろうな。
でも、一回顔をだしたしいいや。
あと、適応障害の人を頼りにするなよ。
そんなチームなのか?
嫌になる。
「うん。」
そう言って俺は頑張って起きた。
怒りを力に変えれたから。
本当の事を言ったらダメだろうな。
病気を言い訳にするな、といわれたらもう無理だから。
父さんは出来るだけ優しくしようとしてるのだろう。
元気づけようとしてた。
「さあ、頑張ろう。」
「せっかく受かった高校で、二年半頑張ってきたんだ。」
「もったいないだろ?」
俺は時が止まったようだった。
は?
何がせっかく受かった高校だ。
何が二年半頑張ってきただ。
一年間はリモート。
一年間は無理して休み休み学校に通った。
どこが頑張ってきた?
皆勤賞を取っているやつもいるんだぞ?
でも、本音を言えない。
俺は怒られるのが怖いから。
結局リビングまで連れてこられた。
ゆっくりと歩きながら。
「じゃあ、俺は会社に行くけど、部活頑張れよ。」
会社の合間に来ることじゃないだろ。
馬鹿なのか?
そう思った。
でも、言えない。
今、ダメージを食らったらもう立ち直れない。
そうやっていつも反抗をやめる。
そういえば反抗期が来ない子供は、いつか爆発して引きこもりになり、親に反抗を始めると聞いたことがある気がする。
そんなことになったら嫌だな。
絶対に怒られるじゃん。
反抗をやめたのは誰のせいだよ。
そう思わないかい?
これを読んでいる人よ。
まあいいや。
そう言って父さんは家から出ていった。
そして、俺は自分の部屋に逆戻りして、この小説を書いている。
といっても日記のようなものだけど。
「部活頑張れよ。」
「お前がいないとダメだって。」
その言葉が重くのし掛かる。
期待。
善意。
心配。
その全てが俺には重りだ。
だから、これは報復だ。
誰かに届いて、それが広まる。
そして、父さんにも届く。
そしたら俺がどんな気持ちで過ごしてきたか分かるだろ?
名前を出さないだけ、ありがたいと思え。
父さん。