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第28話 恋する少女達同盟っ☆(中編)

「頑張ってアオっちの噂を消し去るぞなんて言ったけれど、実際どうしたらいいんだろう」


「私も同じことを考えていました」


 恵奈と朝陽は、平然とした顔でそう言った──そう、二人は無策だったのだ。

 優愛はと言うと、策はあるが使いたくない。

 それは学校内には有能なメイドが数名潜んでいるが、今回ばかりは彼女達に頼むとプライドが傷つくからだ。

 優愛はそれを踏まえて、真面目な表情で口を開く。


(わたくし)に良い提案があります──」


(メイド達は使わない。だって私の頭脳があれば碧斗さんは救われたも同然だからね)


「──碧斗さんの噂が広まったのは、私達が彼と話しているからではありませんか?ですので、少しの間話さないで居ればいいと思います」


 後半はこみ上げてくる笑いを抑えるので精一杯だった──おバカさん二人にはこれくらいの演技で十分よ、と思っているが、真面目な表情と言う化けの皮を被っている。


(後は私が愚かなお猿さん達(碧斗の悪い噂をしている人)に、可愛くそれは違うよとでも言っておけば完璧ね)


「そうね。元はと言えば私達がアオっちと話したからこうなったもんね……」


「先輩……、ごめんなさい。戻せるなら時間を戻したい」


 優愛は多少は言い争いになることを前提に話したが、二人はすんなりと受け入れたので以外に思う。


「それでは私達が頑張って、碧斗さんの噂を消しましょう。それでは、解散っ!」


 強敵(ライバル)が消えた嬉しさのあまり、最後は語尾に♪がつくくらいのテンションで言った。

 しかし二人にはバレていないので良しとしよう。


 ◆(恵奈視点)


 佐倉さんと伊集院さんって意外とおバカさんなのかな。

 私がこうも簡単に引くわけないじゃん!

 一人、抜け駆けしようかな。


 そう思い、恵奈は碧斗にメッセージを送る。


『今日の昼休み、話したいことがあるので体育館裏まで来てくれませんか?』


『どうして体育館裏なんだ?』


『アオっちの噂が出回っているのに、話していたら、噂を流した人の思い通りにことが進んじゃうじゃん』


『そっか。わざわざ気を使ってくれてありがとな』


 そこでメッセージは途絶えたが、最後の一言、『ありがとな』に心を射抜かれていた。

 周りから変人扱いされない為にも、表には出ていないが、今すぐにでも声を出して走り回りたい気分だ。


「早く昼休みにならないかな♡」


 その後、昼休みまでの授業をハイテンションで受けた恵奈だった。


 ◆(朝陽視点)


 先輩達はおバカさんですね。

 私、一人勝ちしちゃってもいいってことですよね。


「ふ、ふふ、ふふふ……」


 つい声に出てしまった。

 強敵(ライバル)が居なくて、碧斗は精神的に不安定。

 朝陽にとっては今までに無いくらい最高のチャンスだ。


 私が先輩のお嫁さんに……最高すぎるよぉ♡


「朝陽ちゃん、そんなに顔を真っ赤にしてどうしたの。何かムカつく事があった?」


 気がつくと、視界いっぱいに仲のいいクラスメイトの顔が。

 慌てて立ち上がるが、ドキドキと鼓動が早くなる──碧斗の事を考えていたが、原因は碧斗に無い。クラスメイトが驚かしてきたからだ。

 そう考えた朝陽は言う。


「びっくりするから、驚かさないでよ〜」


 相手が気を悪くしないように、あえて明るい声で言ったが、その相手は真顔。

 その理由は──


「何回も名前を呼んだよ?それでも反応がないから目を合わせたらいいかなって思ったんだよ」


「えっ!?呼ばれてないよ」


「考え事のし過ぎだよ」


「そ、そうかな?」


「うん、きっとそうだ。良かったら今日、気分転換がてら昼ご飯食べない?」


「食べる!」


「やった、決まり。誰も来なくてのびのび過ごせる体育館裏で食べようか!」


「賛成!」


 一年部会で良からぬ会話が。

 昼休みが修羅場ななりそうだが、今は誰もそのことを知らない。

 朝陽は、先輩の事はご飯の後に考えよう、と思い、『一人勝ち大作戦』は一時中断したのだった。


 ◆(優愛視点)


 ど、どうしよう……


 優愛は一人、教室の机に突っ伏して抜け殻となっていた。

 早速昼休みに二人きりで話そうと思い、メッセージを送ったのだが、帰ってきたのは断りの連絡。

 どうやら理由は先客が居るとの事。


 碧斗はクラスメイトからの人望が厚いので、その人達との約束だと言うことは有意にある。

 だから彼らと昼食を共にするだけ、とでも捉えていいのだが、女子は何を考えているか分からない。

 もしかしたら先程手を組んだ時も、ハナから裏切るつもりだったのでは?と思ってしまう。


 真意は見て確かめないと、と意気込んだ優愛は、昼休みに碧斗の様子を確認することに決めたのだった。

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