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第20話 ツンデレちゃんは『後悔』100%

「もぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!どういうことなの〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜~〜~〜〜〜!!!」


 朝陽は自室で枕に顔をうずめて言う。──約三時間前に碧斗の前で恥ずかしい発言をしてしまった。


(あの時の発言は一言一言、今でも鮮明に覚えている。──嫌だ。「両思いだね♡」だなんて言ってしまったのかな……)


 なんてことを考えていると、スマホが音を鳴らしながら震えた。


(通話……?一体誰からだろう)


 朝陽は枕から顔を離してからスマホの画面を確認する。そこには『宮嶌千夏(みやしまちなつ)』と表示されている。

 千夏とは、朝陽とクラスメイトで幼稚園からの親友の女の子だ。


「もしもし。どうしたのー?」


『いや〜。ちょっと聞きたいことがあってかけたんだ。──あ、もちろん《《あさちゃん》》と話したかったっていうのもあるから!』


「ありがと。私は《《ちなっちゃん》》の親友で嬉しいよー」


『はいはい。全然気持ちが籠ってませんー』


「バレたかー」


 二人は、ふふっ、と笑い合う。これが二人の"いつも"だ。

 教室で二人が話していると、周りにいる男子を含めたクラスメイトが優しい目で見ているのだ。


『っといけないいけない。話がそれちゃってたね。──それでね、あさちゃんって二年の橘先輩のことが好きなの〜?』


「ど、どういうことよ!わ、私が先輩の事を好きだって……!?」


『えっとね今日二人で学校の近くのスーパーで居るところを見つけた子がいてね。クラスのチャットではみんな話しているじゃん』


「どういうこと!?詳しく教えて!」


『あさちゃんもグループチャットにいるんだし、自分の目で確かめてみたら〜?』


「そうだね。──な、何よこれ!?」


 朝陽のクラスのグループチャットでは、三時間前から絶えずメッセージが生え出ている。

 一番上を見てみると、そこには碧斗と朝陽がスーパーで一緒に写っている写真が載せられている。


 朝陽は家に帰宅してからは、ご飯を食べたりお風呂に入ったりしていたため、チャットでの話に気づかなかった。

 その間にクラスメイト達は勝手に盛り上がり、いつの間にか『二人は付き合っているのではないか』ということで完結していたのだ。


「私先輩と付き合ってなんかいない!──それに、先輩のことなんて……好きじゃ……」


『はいはい、ストップー。本当に好きじゃないならそこで言葉につまらないよ。実際は好きなんでしょ?』


 親友の勘なのか、女の勘なのかはわからないが、いつもの通り優しい声には少しだけ圧がかかっている気がするのは、朝陽の勘違いだろうか。


「……先輩のことが好きなんだ。優しいしカッコいい。一緒にいると寂しい気持ちが消えてなくなるの」


『ふ~ん。私はどうなのさ。どうなの、寂しい気持ちが消える?』


「もちろん。ちなっちゃんは私のことを誰よりも見てくれる大好きな親友だからね」


『きゃ~!嬉しい!私もあさちゃんのことが大好きだよっ!』


「あ、ありがと!」


 二人は通話越しだが、心はすぐ隣にあるように感じる。お互いに《《辛い過去》》がある通し、一人のかけているところはもう片方が補う。そうやって生きてきた二人は家族よりも深い繋がりができていた。


『でもね~、あの数々の告白を「なんですか、キモい」で終わらしてきたあさちゃんが男子を好きになるとはね~。なんだか嬉しいような寂しいような、なんとも言えない気持ちだよ』


「私は告白されたことありませんー。こそこそ後ろからついてきてゴモゴモと訳の分からないことを言っていたから突き飛ばしただけですー」


『あはは、もうそういうことでいいよ』


 このままいっても話はまとまらないので、少し大人な千夏が身を引いた。


『とにかく今はグループチャットでの誤解をどうにかしないとだね』


「ふぇ?……忘れてたぁぁ~!!助けてよちなっちゃーん!」


『あれ、もうこんな時間か。──おやすみ~、あさちゃ~ん♡』


 最後に煽るように言われ、通話は終了した。

 そしてまたしても三時間前の出来事を後悔する。


(はぁ~。先輩と簡単に付き合えたら良いのに……。少しずつ冷たくしないように気を付けてみようかな……)


 学校に行くのが恥ずかしくて嫌になってしまったが、この出来事がきっかけで朝陽と碧斗の関係は少し近づいた。

 しかしこの時の朝陽には知る由もなかった。

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