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第12話 清楚ちゃんとツンデレちゃんの一騎討ち(?)

「あら碧斗さん。おはようございます」


「うん、おはよう」


 移動教室に向かう道中。碧斗は優愛と鉢合わせる。

 いつも通り制服を美しく着こなせており、碧斗は密かに「流石だな」と思う。


「ところで碧斗さん。三年生の白石先輩に告白されたそうですね」


 微笑みながら言っているが目が笑っていない。ただならぬオーラを放ちながら言われ、碧斗はつい身を引いてしまう。


「そ、そうですね。告白されました」


「(どうやら本当のようね。それならあの言葉っていうのも……)」


 渋々答えると、優愛は真剣な顔をしながらボソボソと呟く。

 碧斗には聞こえないが少し嫌な予感がする。


「それでは碧斗さんには好きな人がいる。というのも本当なのですか?」


「えっ!?いませんけど……?」


 先週のことではあるが、「好きな人がいる」というのは嘘であるため、その事はきれいさっぱり記憶から消えていた。

 なので碧斗はよく分からず、真顔で言う。


「そう。わかったわ」


(うふふ。碧斗さんったら可愛い♡好きな人って言うのは私の事なんでしょ?)


 ここに勘違いをする者が一人。

 声として出ているのと、心の中の声は全く異なっているが、本人は幸せそうなので良しとしよう。

 実際に先程まで笑っていなかった目も笑っていて幸せそうだ。


 そんな一方的にラブコメが起きているこの場所に、挑戦者が現れるのだった──。


「先輩、おはようございます」


 廊下の真ん中にて。碧斗と優愛が話している横を、朝陽が挨拶しながら通過する。


「おう。おはよう」


 朝陽はキレると碧斗でさえ手に負えなくなる。だからできるだけにこやかに、挨拶を返す。


(むむ。碧斗さんが挨拶をするだけでここまで微笑むだなんて……。私でさえあまり微笑んでもらえたことなんてないのに!)


 碧斗の隣で優愛は無表情を貫くが、心の中では怒り狂いヤンキーモードの優愛が暴れている。


「先輩好きな人いたんですねー」


 つい先程優愛に聞かれたことを、朝陽にも聞かれる。

 流石におかしいと感じた碧斗は目を見開き驚く。

 そんな碧斗の様子などお構い無しに、朝陽は追加で聞く。


「先輩つい最近別れたところですよね?ということは好きな人っていうのは少し前から付き合いのある人ってことですか?」


 隣で聞いている優愛は、声には出さないが「この一年生よくわかってるじゃない」と思う。

 優愛の中での朝陽の好感度が急上昇する。


「えっと……。俺好きな人はいないんだけど?」


 碧斗はまたしても真顔で言う。


「そうなんですね」


(先輩ったら照れ隠しでもしてるつもりなのかな〜?今は真顔だけど心の中では凄く動揺してるんでしょ?私だけは分かるんだから♡)


 またしても勘違いをする者が一人。

 優愛と同様、幸せそうに微笑む朝陽。


(今更だけどこの人は……佐倉先輩?入学してまだ少ししか経っていない私でも知ってる。先輩はこんなに可愛い子と知り合いなのに、私を選んでくれるだなんて……。嬉しすぎるよ~♡)


「ふふふ」


「朝陽、そんなに笑ってどうしたんだ?」


 朝陽の視界には床しか見えていなかったが、いきなり大好きな先輩の顔が大きく映る。

 その瞬間、「先輩は私のことが好き」だと思い強かった心が壊れ始め、いつものツンデレに戻る。


「ああ私は何てことを……。これも全部先輩のせいよ!絶対に許さないんだから!」


 と言って朝陽は廊下を走り去る。

 笑ったと思えば、いきなり自分を怒ってくる。朝陽の理不尽さに、碧斗は肩をすくめることしか出来なかった。

 昨日は恵奈に。そして今日は朝陽に嫌われた。

 碧斗は本気で思い悩み、トボトボと今から理科が行われる理科室に向かう。


 廊下に残された優愛は、未だに碧斗は自分のことを好き(※勘違いです)だということに喜び、一人「ふふふ」と微笑むのだった。

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