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第三話 僕は中央都市に行きたい

 最近、他の人の作品も見るようになって、気づいてしまったことがあるんです。

——前書きや後書きを書かなくていいことに!!

 私自身、空白に何も書かないというのが落ち着かなく、書いていたんですけど、書かなくていいんだ!と気づきましたね。といっても今までずっと書いているんだし、突然書くのをやめるのもなぁ…となりました。今後も書いていきますが、変な話も混ざるかもしれませんし、結構大事な話も混ざるかもしれません。

 こんな前書きに時間をとらせたくないので、物語の方を読んでいってください。

 フルファンテへ入ることになった僕は、準備を整える。持っていくものには20着ほどの着替え、枕、歯ブラシやシャンプーと、どこかへ旅行へ行くようなものだが、フルファンテは中央都市にある。実質引っ越すようなものなのでかなりの量がある。フルファンテには寮があるため、ベッドなどの最低限の家具はあるため旅行に行くための準備になった。ちなみに僕が枕を持っていくのは、枕は自分のお気に入りじゃないと寝られないからだ。父と母にも準備を手伝ってもらったが、母にはフルファンテではなく、学園に行くと伝えているので、準備中の会話の辻褄が合わなくなり途中気まずくなってしまった。


 数日が経ち、フルファンテに行くとき、荷物の重さに驚いてしまった。両手で持っても引きずるほど重かった。そのため父に風魔法で運んでもらった。父には感謝するしかない。馬車で行くときに父と母に見送ってもらい僕は悲しさのあまり父と母に投げかける言葉を間違ってしまった。

「僕!フルファンテに行っても頑張るからね!父さん!母さん!さようなら!!」

 その言葉を放った時、いつも優しい母からこの世の終わりを思わせるような怒りの感情があふれ出てきた。父は青ざめ、泣いていた僕も、目から突然涙が出なくなった。

「なんで私に内緒でフルファンテに行くの?ねぇ、あそこは危険なことばかりするから関わらないようにしましょうって言ったの誰だっけ?ねぇ、あ・な・た?」

「……バッ!……馬車の速度を上げるんだ!」

 父は僕だけでも助けるつもりなのか、馬車の速度を上げるように御者に命令した。しかし、馬が怖がり動かなくなってしまった。


 母は元々グランボル家の子であったため、ホーグル家のように風魔法の名家ではなく、火魔法の名家だ。しかもグランボル家は火魔法の質が高く、超高温の火を放つため周りからは「溶岩魔法の名家」と呼ばれている。今まで一度も母の魔法は見たことがなかったため初めて見ることができる魔法だが、そんなことで喜んだら、骨すら残してくれないだろう。母はこちらへ向かってきた。僕は怖くて動けなかった。すぐに母はこっちへ来て馬車に乗り込んだ。その時に母が触れた部分にヒビが入っている。そして僕を掴み、正座させられた父の横で僕も正座させられた。父は母に聞こえないよう

「すまなかった…。君を母さんにばらさずにフルファンテに送れなかった…!」

 言ったつもりだったが母に丸聞こえだった。

「なんで私に言わなかったの?夫婦での隠し事は無しって言ったわよね?」

「デデデデデ デモッ!!コレハカゾクカンノカクシゴトダッッ!!ケッシテフウフデノカクシゴトデハナイッ!!」

「変わらないでしょ!」

「ヒイッ!!」

 父がとてもカタコトになっているし一喝されて怯えている。母には誰も逆らえないのか…。

 でもどうしてフルファンテに行かれるのが嫌なんだろう?

「母さん、どうしてフルファンテに行ってはダメなのですか?」

「ヴェント、フルファンテについて何も聞かされなかったわけ?」

「父に少しは…」

 父のことを言った瞬間、母の視線は父を向く。その目には光がなく、見ている父を父と感じさせないような恐ろしい目だった。

 そしてその目がこちらへ向いた時、母はフルファンテについての説明を始めた。

「フルファンテっていうのは冒険者や警察団、護衛団に入っていたり、入るつもりの人が強すぎてこれ以上強くなる見込みがギルドや団の中で感じられない人が働く場所。つまりヴェントが紹介されるってこともうその域に入っているのよ。」

 ……え? いやいやいやいや!僕が強い?まだ姉を倒せないのに?じゃあ姉はどうして学園に……


 ………ハッ!


 僕は気づいてしまった。母さんはフルファンテに関わらせるつもりはないと言っていた。つまり本当は姉も入れるが母が入れたくなかったのだろう。だけどフラッシュ・アトミックの速さを超えたことが知られ学園に入れるのは周りから宝の持ち腐れだと言われるから、きっと父がそのことを心配してこっそりフルファンテに入れてくれたのだろう。いっそそのまま姉も入れればいいのに。


 また、ギルドの最高ランクであるプラチナムランクは見たことないけどめっちゃ強いドラゴンと戦うような存在だ。つまりフルファンテで働くということはそれ以上の強さがあるということ!?じゃあ、姉がもしギルドに入ったらスーパーウルトラプラチナムゴールデンランクとかなのかな!!うん!きっとそのはずだ!


 そんなことを考えていると、母はこんなことを言う。

「でもせっかく紹介されたし、あの人にもお世話になったからなぁ。……分かった。テンペスタ(あなた)、ヴェントをフルファンテに入れてもいいわ。ただし、あの人に死なせないようにだけ言っておいてね。」

「ああ、分かった。ありがとう、ヴォラーレ。」

 父はさっき怒られすぎて涙を流しているため、涙の痕ができている。そこをなぞるようにまた涙が溢れ出ていた。

 というか、「あの人」って誰なんだろう?父と母がお世話になった人と言えば、2人が働き始めたころから働いている人?それとも、「死なせないように」とか言ってたから回復魔法使い(ヒーラー)?一応聞いておこう。

「母さん!さっきから言ってる『あの人』って誰?」

「会ったらきっとわかると思うけど、あの人——イモータリア・インベジオン、イモさんは結構長生きで、100年くらい前からフルファンテのリーダーよ。優しいし、人思いだけど……」

「だけど?」

「仕事が入って働く時は、その真逆よ。だから、いつものイモさんとは別人と考えた方がいいわ。」

 イモータリアさんのことを話した時、最初はいい人そうに説明していたけど、働く時のことを説明するとそのことを思い出したのか、母の顔は少し悩んでいるような顔をしていた。

テンペスタ(あなた)、本当にイモさんにヴェントを任せてもいいのかしら?」

「ま、まあ彼も少し落ち着いているようだし?きっと大丈夫だと思うよ!」

 父は仕事でたまに中央都市へ行くのだが、その時にイモータリアさんに会っているらしい。その状況を言っているようだが、父の顔には焦りがある。

「…そう、じゃあヴェントをイモさんに預けるために私もついて行くわ。」

「え、でもヴォラーレ…!」

「…何か異論は?」

「ハァイ!何もありません!!」

 父が何か言いたげにしていたが、母の決定には誰も逆らえない。


 母の説教?一方的な怒りのぶつけ合い?が終わったことでやっと馬車に乗り、移動するのだが、さっきと違うのは母、そして父が乗り込んでいること。

 母が行くとなった時、ついでに「私も行く!!」と父が言い始めたのだ。ホーグル家の人は家に誰もいなくなるが、家政婦やホーグル家直属の騎士がいるので、防犯対策はバッチリ。何かあっても父が風魔法でひとっとび。どうして行きは馬車なのか。それは単純にゆっくりしたいから。

 魔法で行けば家から中央都市まではおよそ1時間で着く。馬車では半日かかる。出発したのは、朝なのだがさっきの説教や母の怒りに怖がった馬を落ち着かせたり、母と父の支度があったので、夕日が差し込み、もう間もなく夜になるといった時間帯である。


 この世界に時計はあるのだが、魔法によって時計の時間にズレが生じるため、基本は魔法を使わない家の中に設置したり魔法を使わず旅をする商人が出店の時間の目安として小さな時計を持っている。そのため魔法を使うものや魔法が使えなくとも魔法を使う場所に近い存在——騎士や冒険者などは時計よりも感覚で時間を計っているのだ。



 中央都市。まだ正式な名前を聞いたことがないし、いったいどんなところなのか。そして姉はどこまで強くなったのか、フルファンテはどんなところなのか。気になってしょうがない!!

 同時進行で複数作品を書くと、配分に困りますね。今はこの作品を優先させていますが、もうそろそろもう1つの方も書き始めようと思います。そのため、1つ1つの話の投稿ペースが落ちますが、これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

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