第二十二話 僕は早く姉と戦いたい
喉と鼻が辛いです。だから小説書くやる気が出なくってしばらく投稿できてませんでした。ゴメンナサイ…
剣を新たに手に入れたことで誰かと対人戦でもしようかと思ったが、他のメンバー同士でずっと戦っていたり、一人でいる人は買い物や研究をしている。ピアナラなら快く対人戦でもしてくれるだろうと図書館に寄ったが、いつもの図書館の雰囲気とは違い、薄暗く、ピアナラの人ならざる笑い声が聞こえたので逃げた。
せっかくの対人戦ができないと落ち込んでいた僕だったが、やりたいことを思い出した。そう、それは姉に会うこと。父と母にたまに姉の話は聞くけど、学園でもますます強くなっている。なんでも、護衛団や警察団からのスカウトが止まないと姉から父と母に向かって愚痴の手紙が送られていたし、学園で半年ごとに開催される対人戦の大会でも、見事3連覇を達成している。
その大会は姉が入学して1ヶ月後に開催された「春の部」と、その半年後に行われる「秋の部」があり、僕がフルファンテに入った頃は春だったので、もう一度「春の部」で優勝しているのだ。
ちなみに僕の年齢は今12で、姉は15。姉の誕生日は秋ごろだから。
父と母同士で対戦しているのでそこに割り込んで、学園に行けないか相談してみる。
「分かった。ヴェントが会いたいのなら、父さんも母さんも、協力するよ。」
ちなみに最後に春の部が行われたのは僕がフルファンテに入ってから2ヶ月ほど後の話。だからなんだかんだで結構時間が経っている気がするけどそれは気のせい。きっとフルファンテで過ごす時間が楽しいのだろう。
父と母が直接学園に連絡してくれるのならすぐに入ることが出来るけど、対人戦の大会となったら、4ヶ月後になりその頃には今のような休みの期間は終わり普通に仕事しているだろう。
そう考えていたけど、父と母がフルファンテの権力を存分に使って明日学園へ入ることが出来るようになった。
次の日、僕はルンルンな気持ちで学園へ入った。学園は広い。中心街の中でも広い方のフルファンテなんてここの敷地に置いたら、物置きとして使われるんじゃないかってくらい広い。
校舎と比べればフルファンテが10個くらいあってやっと同じくらいの大きさになるほどだ。
今の時間は中休みとでもいうのだろうか。学園を歩き回っていると、校庭で遊ぶ人や、的に向かって魔法を撃ったり弓を放ったりする人や、生徒同士で模擬戦をしている人、外で食事をする人、雑談をする人。今挙げたのは行動だけだが、人の量で言えば、中心街よりも多い。それだけ周りの国から多くの人が集まっているのだろう。
一通り歩いたところで学園の中へ入り、学園長に挨拶しに行く。……のが普通なのだが、昨日突然かなりの恐怖感に呑まれ、今日は学園にいないという。なんでだろう?
学園長がいないので、副学園長に挨拶をしに行く。
「こんにちは。私はこの学園の副学園長をしています、レイグレ・イウトと申します。」
「僕は、ヴェント・ホーグルです。今回は僕のために学園へ招いてくださり、ありがとうございます。」
「いいんですよ。あなたのお姉さん、コレレもあなたが来ると聞いて、楽しみにしていましたし、何より、ヴォラーレの顔を久しぶりに見れたので嬉しいです。」
僕は母が最初からフルファンテに入っていたのだと思ったが、最初の一年だけ、学園で生活していたらしい。そのことを知っていたのか、レイグレさんとも仲がよさそうに談笑している。
「私は先生と話してるから、コレレを探してきなさい。」
母はそう言い、僕と父を追い払った。
副学園長に、「今ならコレレの組は摸擬戦をしている頃」と言っている。
中休みの後の授業なのだろうか。さっき見た時、姉はいなかった。
とりあえず、模擬線をしている校庭へと行くと、
「あ、ヴェント~~!!!」
遠くから僕の名前を呼ぶ声が聞こえた。姉の声だ。
家で対戦していた時とは違う、柔らかい声で僕を出迎えてきた。姉のことだから、きっと成長していったり学園生活を通したりして、性格が変わったと思いたい。そうじゃなかったら人によったり場面に応じて性格を変えるフルファンテのみんなと同じになるから……。
僕の願いはしっかりと届いていたのか、姉の性格は変わっている。でも、約束を守れなかったり、規則を守れない人たちには昔の性格に戻っているという。なんか嬉しいけど悲しいなぁ……。
姉は家にいた時とあまり変わらない姿だったが、背も大きく伸び、髪も伸びている。僕の元へ走ってくるとき、遠くの男子たちが頬を赤らめているのが見える。無性にそいつらを一発殴りたいと思ったが、姉が母みたいになりそうなので、やめておこう。
僕が早速参加すると、何だこいつ?とか思われそうなので、ある程度時間が経って、姉が僕のことについて説明しだしたら参加しようと思った。
僕は姉と戦いたかったので、剣は持っているが、流石に斬れて怪我させるわけにはいかないので、昨日、リセルカに頼んで、斬撃を行えないようにしてはおいた。まぁもし剣を使うな言われても、衝撃吸収の無い木剣でも骨にヒビが入らない程度までは鍛えられたと思うからいいけど。
数十分ほど経つと、姉が僕の紹介をしてくれた。みんな関心を持って聞いてはいたけど、姉に僕がフルファンテに入った情報を聞いていないのか、その事には触れてくれなかった。そして、年齢のこともあってか、みんなに弱そうと陰でささやかれてた。姉より弱いからそうかもしれないけど、なんかボッコボコにしたい。
とまあ、僕には戦うだけの理由ができたので、誰か戦ってくれる人がいないか募集した。
でもなぜか付き添いの父の方に戦いを申し込んでくる人がいた。そしてなぜか父もそれを快く引き受けている。ずるい。
姉も周りの人に戦いを申し込まれているため、まだ戦えない。
すると、僕のもとに明らかに素行の悪そうな、制服を雑に着るとか、いろいろだらしない人がやってきた。恥ずかしくないのかな?
「やぁ、ヴェント君。僕と一緒に戦わない?」
「いいよ!!」
でも戦ってくれるとのことなので、めっちゃ食い気味で戦うことにした。
そのときたまたま試合が終わり姉が来た。
「ヴェント、そいつと戦ったらダメ!!」
「ウルセェんだよコレレ。俺の自由だし、こいつも引き受けた。俺が勝ったらお前に指導を受けた分と、大会で負けた分、俺の要求をいろいろと飲んでもらう。あと、武器は木剣じゃない。真剣だな。」
「ヴェント!!今すぐ逃……」
「いいよ!!でも僕が勝ったら、僕のお願いを聞いてもらってもいい?」
「ああ、いいぜ、まぁ勝てねぇだろうけど。」
姉がいろいろ言ってるけど、戦えるからいいでしょ。しかも僕も木剣じゃなくって自分の武器で戦えるし。大丈夫!僕なんとなくイラついてるから勝つよ!!
「そうだな。自己紹介がまだだった。俺の名前はデリクア・コダルディ。」
男の名前はデリクア。
僕と戦い始めるとき、どういうわけか、みんな集まってきた。
あとから聞いた情報によると、デリクアは学園で悪名高い不良で学園中の手下と共にいろんな非行を行なっている。姉と同じクラスで、よく姉に注意されているため、姉に不満が溜まっているが、対人戦では姉といい感じに戦えるが姉の方が強いのでさらに不満がたまり弱そうな僕を狙い不満をぶつけようとしたのだ。
結論としては姉が強いということ!
僕との模擬戦ではその手下を何人も呼び観戦させている。よくよく見ると、僕を姉との交渉材料にするのか、縄やらタオルや刃物やら、拷問でもするかのような持ち物を持たせている。
流石の姉も僕の意思に反対できなかったのか、手を合わせて僕が勝つように願っている。姉が僕のことを思っているなんて嬉しい。そのためにも圧勝しなきゃ。
デリクアは真剣に刀を持っている。どこかの国では刀を用いて戦う「居合」という技法があり、図書館の本で前見た。その構えと全く一致している。
居合というのは向かってきた相手を素早く切りつけるとのこと。要するに反射神経を研ぎ澄ます必要がある。さらに姉といい感じに戦えるというのなら、反射神経もかなり研ぎ澄まされているのだろう。
でも、自分の速さを見てもらいたいあまり、僕は全速力でデリクアの方へ向かうための準備をする。
「ゴスクエッツァ。」
いつも通り、技名を言い、深呼吸し、集中する。
「はっ、技名を言うなんて、お前くらいがいうのは、ヒーローごっこなんだよ!」
デリクアは構えた。でも僕には関係ない。
地面を思いっきり踏み込みデリクアへと向かう。距離は20メートル。その距離でも音を置き去りにしてデリクアへと斬りかかる。まぁ斬れないようになってるから殴るに近いんだけど。
デリクアは構えたまま全く動かない。罠かもしれないので一応フェイントとして直前で止まり、元のところへ戻った。
それでもデリクアは全く動かない。姉は見えていた様子なので、おそらくデリクアも反応しているだろう。周りの人は反応できていないのか、突如舞った土煙に驚きを隠せていない。
「嘘……だろ……」
デリクアはそう言った。遅すぎるのかもしれない。じゃあ次はもっと速く!!
デリクアは一撃で倒されるかませキャラ的なのにしようと思ったんですけど、せっかく名前出たんでもう少し無様な姿を見せてもらおうと、頑張ってもらいますね(笑)




