第二十一話 僕は剣を大事に使いたい
11月に入りもうそろそろ1年が終わりますね。
って言いたかったけど、それは12月のセリフだと書いていて気付きました。もう時間の感覚がヤバい……
仕事内容としては失敗に近いけど、重傷を負わせたし、何より「ラフィアン」に関係することなので、一度フルファンテへと戻りイモさんやみんなにこの事を伝えることになった。
丁度みんなも戻ってきたので、そのことを話す。ピアナラ達のグループでもラフィアンか定かではないけど、似ているようなことが起きたらしい。
イモさんはこの情報から一時的に優先度の低い仕事の受付を停止しラフィアンに関する情報の収集に集中し始めた。僕たちは来た仕事をこなすのは変わらないが、仕事量が実質的に減ったので、休みみたいな状態になった。いつも通り訓練をするのは変わらない。
僕はあることをしたいと思っているのだが、最近はピアナラに訓練に付き合わされていて、出来ないのだ。
しかも最近、戦闘中にブツブツ独り言みたいなことを言ってくる。何とか勝ってはいるのだが、日に日に独り言を話す速度が速くなっている。そんな悪い気が当たったのか、ある日———
ピアナラが独り言を話していると突然彼女の周りに黒い岩が出現した。僕はなんとなくその岩に見覚えがあった。
そう、僕の短剣と同じ鉱石、ミティガジオーネだ。
僕はあの時の鍛冶師さんの説明を受けた時のことを思い出した。
「いいか?ミティガジオーネを加工するにはミティガジオーネで叩く必要がある。どういう原理かは知らねぇが、こいつらをぶつけるとすぐに壊れる。そして言っておくが、ミティガジオーネは高いし貴重だ。もし壊しても俺は直せねぇからな。気をつけろよ。」
僕はそんな説明が頭に浮かんだが、そんなことより今の状況だ。
なんでピアナラが別の魔法を使えるんだ?
「ヴェント、これがアタシの初めてできた‘‘呪い‘‘だ!喰らえ!!」
え?呪い?まさかあの説明していたおじさんについて話している時、なんか楽しそうにしてたのってまさか呪いのこと?
ピアナラが放った岩は避けられるような速さだったが、焦っていたのか僕はとっさに剣でガードしてしまい、壊してしまった。
「「あ。」」
僕もピアナラも目を丸く、点にしてお互いを見ている。そして同時に壊れた剣を見る。
「……どうする?」
「……とりあえず、イモさんに……」
ピアナラが弱気な態度に変わってしまい、「イモさんに報告しとけば?」って感じで小さな声で言い、どこかへ行ってしまった。
「———で、ワシに剣を直す方法を教えてほしいと。」
「はい。」
僕は鍛冶師さんとの話を思い出し、イモさんに話す。もともとミティガジオーネはイモさんが渡したものだったのか、他の場所はどうかと提案したが、持っていないだろうと反対された。
「……ハァ、仕方ない。ヴェント、2日くらいの旅の準備をしといてくれ。あいつには会いたくないんじゃが、まぁヴェントのためだしのぉ……。」
イモさんは何か決心をしたのか、旅の準備をするよう僕に行ってきた。父と母に事情を説明し、旅の準備を手伝ってもらったが、今回はなぜかついてこなかった。どうしてなんだろう?父と母に聞くと、
「ヴェント、一応言っておくが、この武器は持って行かない方がいいと思う。あいつは武器が壊れたのを見ると、うるさいからな。」
父がその言葉を放ち、母も頷く。え?なんかヤバいことでもあるの?
でも僕は愛着の湧いたこの剣を置いていくのは嫌だし、一応片方の剣がまだ壊れていないので護身用に持っていく。
次の日、僕はイモさんととある山に行くことになった。その山に向かう途中、魔物と戦闘になるかもしれないとすこし警戒していたが、なぜか一度も来なかった。
そうして何事もなく山の頂上に着くと、そこには一軒の家がある。近くに湧水があるが、それ以外は森。周りの景色なんて見えない。
「イモータリアだ。入るぞ。」
イモさんが家の中へ入ると、そこには白い髪を引きずる、ドワーフがいた。
「おい、ファブロ。風呂入ってんのか?」
「ああん?少なくとも入ってはいるさ。昨日半年ぶりの風呂は最高だったぞ?」
「毎日入れや。」
ドワーフはイモさんと軽く話し合った後、親しい近所のおじさんみたいに自己紹介をしてくれた。
彼の名前はファブロ・アキエイ。イモさんとはアイニツィオ歴200年くらいからの友人だそうだ。
ドワーフの平均寿命は400年。恐らく今の年齢は100歳の人に割り当てたら90歳くらいだが、元気で言えばそこらの若者もしのぐだろう。
イモさんが僕の剣の事情を話した後ファブロは泣き顔になり
「剣たちが!ヌウオオオオオ!!!!!」
叫んだ。ちょっと地面が揺れているのは気のせいだろう。
「イモさん、剣今持ってるんだけど、見せる?」
「見せてショック死しても責任取らんぞ?」
イモさんは400年来の友人には冷たい。僕は壊れた剣を見せたが、もっと泣いた。涙が多すぎて、足元が濡れ始めた。
5分ほど経つと泣き止んでくれ、僕はホッとした。
「それで?この子にどんな剣を創ればいいんだ?」
「お主が創れる最高品質の剣じゃよ。あ、前の剣と同じ感じのカスタムで頼む。」
「分かった。出来たら魔法で送るから、待ってろ。」
そう言ってファブロは鉢巻を額に巻き作業を始めた。結構真剣に取り組むつもりらしく、すぐに追い出された。
僕の使っていた剣も有効に使うらしく、回収された。まぁ、再利用してくれるのは嬉しいけどね。
フルファンテへ戻るとみんなはいつも通り訓練していた。
ちなみにピアナラはというと、さらに呪いの研究をしているらしく、僕がファブロのところへ向かった時から図書室に籠っている。
剣を持っていない間はひたすら体力づくりと新技のイメトレ、剣なしでの新技の再現といったところだろうか。
そんな感じで2週間訓練をひたすらしていると、もうファブロから剣が送られてきた。手紙も一緒に送られていて、そこには
剣について
基本的に重視したのは同じで、ミティガジオーネとの接触で割れるのを防ぐよう、別の鉱石を混ぜた。若干耐久力は落ちるかもだが、切れ味は保証できる。一応、魔法を溜める魔具を使うと聞いたから、そのためにも様々なカスタムをしといてある。詳しいことはイモータリアと、フルファンテだっけ?そこにいる魔法技師に聞いておけ。
ファブロ・アキエイ
イモータリアと分割で10000000くらいくれ
剣の説明についてはだいたい分かったけど、お金って……自分で言うのもなんだけど、そういうのは子供に言わない方がいと思う……
この後、イモさんにも会ったけど、「お金のことには触れるな」と言われた。ファブロってどんだけお金に目がないんだろう。
剣を改めてもらった僕は、剣を改めて持っての新技の練習や切れ味を試した。
剣の大きさや重さが前回より少し変わっているので、それを踏まえての技の精度や出来ることを確認していった。
肝心の切れ味というと……
なんと!料理には使えるくらいの切れ味!
トマトとかの切れ味が悪いとぐちゃっとなるのには使えないけど、キャベツだって切れるし、玉ねぎだって、涙が止まらないけど、切ることが出来る。
いいじゃん。この剣。
今回の話はまとまりとしては弱く、全体的に文字数が少なくなってしまいました。
この作品は3000文字くらいを基準として書いているので私としては「アチャー!」とか思いますけど、無理に長くするより、短いなら短かったで終わらせた方がいいのかな?
そんなことを考えながらハロウィンの夜に書いた後書きです。
……寒いですね。




