第二話 僕は学園に行きたい
一番最初の活動報告にも書いていますが、もし活動報告を書きすぎた時のためにここに前書きと後書きの説明を入れておきます。
私は基本、前書きと後書きに小説を書いたときに思ったことなどを書いていく人です。
活動報告に書いたといっても、本当に一部しか説明してませんが。
…こんな話はいいので、「速さ=強さ ~常に最高速で動けば相手は簡単に倒せるんです~」をどうぞよろしくお願いいたします。
中央都市の学園、スフォルツォ学園は主に15歳以上の貴族階級が自身の技を磨くための学園だが、姉のように才が認められると、誰でも学園に入り技を磨くことができる。
学園では基本寮生活のため僕は姉としばらく戦うことができないのだ。だがスフォルツォ学園は才が認められれば、学園へ入ることができる。そう、誰でもだ。つまり僕のように15歳に達していなくても才が認められれば入れるのだ。そのためにすることはただ1つ!ひたすら速くなること!父から聞いた情報によると姉は速さを生かした体術や風魔法を駆使していた。つまりそれよりも速く…誰にも見られないほど速くなる必要がある。父によると目に見えないほど速くなるには、今この世で最も速いと言われる魔法、フラッシュ・アトミックの速度を超えないといけないらしい。フラッシュ・アトミックは、かなりの魔力を消費する代わりに、遠くにある山を一瞬でなかったことにする威力を持つ魔法だ。その速さは、撃ってからは見えなく、山が壊れてようやく気付くほど速い。かと言って今僕に一瞬で速くなれと言われているわけではない。少しずつ速くなっていこう。
———半年ほど経ち、僕は100キロを10分で走り切れるようになったのだが、ある問題ができた。それは、空気抵抗だ。今までは、気合いで何とかしてきたけど、この速さを超えようとすると、耐えられず、斜め後ろに飛んで行ってしまう。そのことを父に相談すると、父は
「今度は魔法の特訓をしようか。」
と言ってきた。僕は魔法がそれほど得意でないことは分かっているはずだ。何をするのだろうか。そんなことを考えると、父は僕に思いっきり走るように指示を出した。その時に、体の前に風を生み出し周りの風を流すようにするイメージを持って走れと言われた。最初は思いっきり走ると飛ばされてしまうが日に日に魔法を扱うコツをつかんだのか、空気抵抗を感じることなく走れるようになった。しばらく空気抵抗によってタイムを縮められず、他の訓練で体を鍛えていたこともあって、空気抵抗を感じずに走れるようになってから1週間ほどで魔法を100キロを1分ほどで走り切れるようになった。そのため、父が言っていたフラッシュ・アトミックよりも速く走れるようになった。
僕が11歳にの誕生日を迎えた時、フラッシュ・アトミックより速く動く事実を世間に知らしめようと父は僕にアソルビメント石、通称「魔法吸収の宝石」と呼ばれる透き通るほど透明な青い石を渡した。そしてフラッシュ・アトミックを放ったと同時に僕がスタートし、フラッシュ・アトミックをアソルビメント石で吸収することでフラッシュ・アトミックより速いことを証明する舞台を開いた。父は顔が広く、他地域の有名な貴族や中央都市の学園で働いている教師までも呼んでくれた。父にはこのような舞台を用意してもらい、感謝しかない。
父はフラッシュ・アトミックを撃てる知人に事情を説明した。知人は最初は冗談だと思い笑っていたが、父はかなり真剣に話していることに気付き、少し呆れた顔で応えてくれた。僕のためにこんなに頑張っているんだから、僕だって相応の結果を見せてあげなきゃ!
しばらくして僕はフラッシュ・アトミックを撃てる知人の横に並び、知人がフラッシュ・アトミックを撃つタイミングと同時に動くということを父が説明し、早速本番が始まった。フラッシュ・アトミックは撃ち始めに体の前に魔力を溜め一気に放出する。そのため溜め込んでいる魔法にはかなり濃い魔力が溜まっていて、その証拠に花火を至近距離で見ているかのような光を発している。そして魔法が溜まったのか、知人が手を遠くへ向け魔法を放った。放った魔法はさっきよりも強く光り、隕石でも落ちているかのような輝きを見せていた。その光は速すぎてみんなは見えていないようだが訓練の成果もあってか、僕にはフラッシュ・アトミックが落ちてくる球をとる最初の訓練のように遅く見えた。最初は同じ速度で進んでいたが、僕は速度をあげフラッシュ・アトミックの進行方向の前に行き、アソルビメント石をフラッシュ・アトミックへと向けた。すると石が緑色に光りフラッシュ・アトミックを吸収した。周りの光もなくなり、いつもの風景に戻った。早速僕はこのことを報告するため、父の元へと戻った。その事実に父は声をあげて笑った。周りの人たちは口を大きく開いてたり顔が青ざめてたりしている。一応事実確認のため、石から吸収した魔法をとるのだが、その方法は、石を熱するだけだった。魔法を取り出すといっても魔法の量に比例して爆発するだけなので遠距離から火魔法で石を熱しているだけなのだ。この石は一定の温度以下だと魔法を吸収し、一定の温度に達すると、吸収した魔法の量に比例して爆発する。魔法を一度も吸収していなかったら、何も起こらないという不思議なものである。
もちろん、熱した石からは大きな爆発が起こり、その事実が認められ、僕は学園で働いている人に
「僕って学園に入れる?」
と少し嬉しげに話しかけた。しかしその人は
「君は学園じゃ、いても暇なだけだ。もっといい場所を紹介するから………」
と僕を学園には入れさせようとしてくれなかった。やはりこの程度じゃ姉にはまだまだ追いつかないのだろう。でもその人はきっと僕を学園に入れるために手助けするのだろう。いい場所を紹介してくれるみたいだし。
後日、その人から手紙が届いた。手紙にはこう書かれている。
テンペスタの子、ヴェントへ
あの日君は信じられないことを僕の前でやってくれた。あんなことをしたのは君が初めてだろう。
このことを学園や王に報告したけど、学園にはいても意味がない。だから、みんなが君にとある場所を紹介するそうだ。そこは君の父親と母親、テンペスタとヴォラーレが昔入っていた「フルファンテ」という組織に入ってもらう。テンペスタにある程度事情は説明したから、説明は父から聞いてくれ。あとフルファンテは中央都市にあるから、頑張って頼めばお姉さんと戦えるかもね。
あとこの話は、君の母親には内緒にしてね…
スフォルツォ学園教師 モブ・パーシステアより
と書かれていた。やっぱり僕は学園に入れても価値がないほどまだまだ実力不足なのか……
でも、姉と戦いたいときに戦えるような場所に移動するのは嬉しいことだ。あとで父にフルファンテについて聞いてみよう。
・・・というかどうして母に言ってはダメなのだろうか。別に言ってもいいのでは…
でも僕は約束はきちんと守る人だ。例え知らない人でも、父と知り合いなら信用できるしね。
父にフルファンテについて聞くと、主に魔物の討伐や犯罪者の取り締まり、国の護衛とやることは様々だが、今説明したことは本来、冒険者が魔物の討伐、警察団が犯罪者の取り締まり、護衛団が国の護衛をやるため、実際にやるということはあまりないが、やるときは、今言った人たちが手に負えない業務をこなすというもの。つまりやることは多くないが1個1個が辛いものとなっている。
といっても11歳という異例の若さで入って、すぐに死ぬのはフルファンテとしてもよくないことなので、最初は現場での仕事やメンバーと共に対人について学ぶそうだ。
学園では実力不足で入れないうえに、新しく入った場所でも僕は弱いと思われている。
———もっと訓練しなきゃ!
この作品を読んで、書いている内容からわかることとヴェントの考えが一致していませんが、それはヴェントがそういう人だったということです。
これからも、ヴェントを暖かい目で見守っていただけると、嬉しいです。