第十八話 僕は変態と戦いたくない
最近、新しいアニメや新シーズンが始まったアニメが多くあり、どれも面白く、結構見てしまう日々です。
勿論、小説は書いていますよ……多分。
朝早くにフルファンテへと入り、掲示板へと紙を張り出す人がいる。
この人はコナットさん。ギルドや警察団、護衛団がこなせない仕事の内容をまとめ「仕事」として掲示してくれる。
僕はたまたま速く起きて初めて、仕事を張り出しているのを見た。
「あ、こんにちは。」
「え、あ、こんにちは。」
僕に気付いたコナットさんが軽く挨拶をしてくれた。コナットさんはフルファンテの皆と違い、穏やかで元気のある青年だ。ああ、こんな人がフルファンテにいたらなぁ……
僕とコナットさんは軽い自己紹介をお互いに言った後、掲示板の近くに座り仕事内容だけじゃわからないことについて話し合った。結構盛り上がりそうだったのだが、僕の後ろの方を見ると、
「じゃあ、お仕事頑張ってくださいね。」
といって帰ってしまった。ん?後ろ……
後ろには早く仕事をしたいと言わんばかりのフェルメッツァ、ネビア、コレンテの3人が走ってきた。
「イタタタタタ!!!!!チョッ!!イタイ!!やめろぉ!!」
皆は僕なんていないかのように容赦なく踏みつけ掲示板の方に行った。
「おっとすまないヴェント。ここじゃ仕事のために仲間を蹴り落とすような奴しかいなかったからな。悪い悪い。」
フェルメッツァが謝ったのだが、
「「お前だけだ。蹴り落とすのは」」
とネビアとコレンテに怒られた。結構ひどいんだな。フェルメッツァって。
しばらく、3人は掲示板の仕事の内容を見ていたのだが、
「ハァ、多人数用ばっかか……」
と少し元気なさげに見ていた。僕も内容を見ていると、そこには
・ヌボーレの群れの討伐(1人以上)優先度1
・ラーズに出現した新種の魔物の調査・階級の設定(3人以上)優先度3
・渓谷の人斬りの討伐または捕縛(3人以上)優先度3
・リトレでの鉱石の採掘(魔物あり・1人以上)優先度1
・魔力暴走「風の悪魔」の解放(4人以上)優先度4
の内容が書かれている。
ちなみに「ラーズ」というのは中が広い空洞になっている洞窟のことで「リトレ」というのは中の空洞が狭い洞窟のことだ。
フェルメッツァは基本的に単独行動を好む人だ。それに加えて今回の1人用の仕事はフェルメッツァでは達成することはできないに等しい。
ヌボーレの討伐は空を飛べる人——ここだと、父、サキット、ネビアだけしか出来ない。フェルメッツァは魔法を使って上空に上がることが出来るが、実質的に地面に足を付けているのに等しい。だからできないのだ。
洞窟での鉱石の採掘はそもそもリセルカしかやらないしリトレでの仕事だとフェルメッツァの体格や攻撃手段では狭い洞窟で戦うことはできないだろう。
どうするか悩んでいるうちに
「よしじゃあこれもらうわ。お前ら、頑張っておけよ~」
といって依頼の紙を持ってヌボーレの群れの討伐へと向かってしまった。
フェルメッツァが悔しがり近くにあった机を壊してしまった。それも真っ二つに割れるとかじゃなくって、ミンチでも作っているのかってくらい細かく砕いている。そのせいで床もひび割れ始めてる。やめなさいよ?
しばらく掲示板を見ていると、全員がやってきた。
「初めての仕事はどれにしよっかな~?」
ピアナラが掲示板を見ている。
が多人数であることが必要なのと、優先度が高い依頼が3つもあり、どうするか決まらなかった。
「くじ引きでもするかの?」
仕事が決まらずに5分ほど経ったときに、イモさんが提案をしてきた。みんなも賛成し、結局このような分け方になった。
渓谷の人斬りの討伐または捕縛に参加するのは僕、コレンテ、父。
魔力暴走「風の悪魔」の解放に参加するのは母、ピアナラ、リセルカ、フェルメッツァ。
洞窟に出現した新種の魔物の調査・階級の設定に行くのはクレミシ、ソリチューナ、イモさん。
仕事の相性によって、ピアナラとコレンテの仕事が交代となったが別に困ることでもない。
なぜかピアナラは嫌がってたけど。
準備を終え、早速仕事へと向かう。
みんなの移動速度が速いこともあって、案外すぐについた。
渓谷には草や木と言った緑はなく、砂漠に近いような岩場だった。
そしてそこの真ん中には1人の男が立っていた。ズボンだけを穿いていて上半身の傷だらけの裸を見せつけている変態だ。おまけにタトゥーも彫られていてその模様は何とも言えないが少し不気味だ。
「あいつが確か人斬りだ。」
そう父が依頼の紙を見ながら言う。さらに
「あいつ、人を斬る前に必ずフルファンテかを聞くらしいな。なんでだ?」
と一言付け加えた。
すると男がこちらに気が付いたのか、
「お前さんらは、フルファンテなのか?」
「……ああ。」
呼びかけに対し、父が頷いたその時、男は剣を持って走り出しこちらへ来ていた。2人はまだ反応していない。だからここは一番早く反応した僕が止めるべきだろう。
短剣を取り出し、右手で男の頭部、左手で男の腹部に突きをした。でもそこに手応えはなかった。
ソリチューナの幻影魔法のように消えていった。
「……反応されたか。」
何もないところから声がしたと思えば、男が突然出てきた。
「お前さんの名は?」
「ヴェント……ホーグル。」
「そうか。オリジンが言っていたやつの名字と同じだな。子か?」
男はそう問いかけた。僕は静かにうなずいた。
「おいヴェント待て!勝手に話を進めるな!」
父が僕に近づき、肩に手をかけようとしたその時、何もないところに男——つまり幻影が出てきた。
幻影魔法を使って話すことはできない。せいぜい音を出すとしても、幻影がそう音を出しているように認識させる精密な操作が必要だし、何より、普通に話すような音を出すこと自体が難しい。
「邪魔するな。」
男がそう言い、幻を父にぶつける。父はもしも本体だったらの場合のために一応攻撃はした。
でも幻影が完全に消えるその前に、剣の部分の幻影が父の腕に当たった。そして父の腕からは、血が出た。そこまで浅い傷なので、戦闘できなくなるわけではないが、僕たちには十分すぎるプレッシャーを与えた。
「分かっただろう?俺の幻影魔法は‘‘実体‘‘となる。超過種と言えばわかるはずだ。あいつらはすげぇなぁ。意図的に超過種を付与できるなんてね。そして俺の超過種をこう言った。『贋作』と。」
「そういやお前さんの顔もあいつが言っていた情報と似ているな。たしか……テンペスタ・ホーグルだっけか?」
そう言って父の方を指さした。父もその言葉を警戒したのか男を睨んだ。
「当たり……かな?じゃあ俺も自己紹介しておくかな?」
男は不吉な笑みを浮かべて自己紹介を始めた。
「俺の名はコルニカ・ブラギロレ。ラフィアンに入ったわけとするなら……まぁ、俺を認めてくれたからかな?」
「認めた?どういうことだ?」
コルニカの言葉に父の怪我を処置しに来たコレンテが反応した。といっても誰も回復魔法を使えないのでガーゼとかで覆うだけなのだが。
「俺は問題児でな。いつも人を騙す。だからギルドにいた時はそのせいでいつも事件の容疑者になる。何もしていないのに、罵詈雑言を浴びせられ、鞭で叩かれ、散々だよ。鞭で叩かれたときの傷がこいつらだ。その犯人だってギルドに賄賂を渡して逃れてる。そんな世の中を変えたい——その考えにオリジンは同情してくれたからな。フルファンテに何か恨みがあるわけじゃないが、認めてもらったなら、そのための恩返しってもんをするべきだと思うからな。」
そういってコルニカは幻影を5体増やし僕たちへと向かってきた。
本体を倒さなきゃいけないけど、幻影をほっとくわけにはいかないから6対1の状況が実質的に言えば6対3なのだろう。でも仕事であるし、この先避けられないことである以上、戦うしかない。
最近、19:00投稿になったのはいいんですが、なんかそのせいで他の作者さんとの投稿時間がかぶりにかぶっている気がするので、今週、実験期間として19:20投稿にしてみます。その方がログイン数が多いなという実感が湧くと19:20分にするつもりです。




