第十話 僕は骸骨を倒したい
3連休、もう今日で終わりですね……(三・ω・) グスッ
……皆さんも、頑張って元気に次の休日を迎えましょう。ご武運を
月明りに浮かぶ人型の何かを見つけた僕とサキットは起きていないメンバーを起こす。
起こすときに気付いたのだが、周りが騒がしいのは魔物たちが人型の何かに怯えたのかそれがいない方向へと逃げ惑っている。この状況から言えることは2つある。1つは、人型の何かがとても強く、魔物が本能で逃げだしているということ。もう1つは、みんなの眠りが深すぎること!結構騒がしいんですけど!何でこんな状況でぐっすり寝られるわけ!?
全員が起き、それに向かって戦闘態勢をとった。するとフェルメッツァが人型の何かについて知っているらしく、そのことについて説明しだした。
「あいつはカダベレスカル。通称‘‘骸遊び‘‘だ。」
名前の通り、人型の何かの正体は骸骨だった。
ガダベレスカルは死んだものなら何でも操れる。人も魔物も、植物も。誰もが死んだと認識できるようになれば、例え生きていようと操れてしまう。が、基本的にガダベレスカルの操れるものが少しでも抵抗すると、操ることができない。そのため、少しでも生きていると感じたならば操らない賢い生き物だ。逆に自身の能力を理解しているため、一部は生きていても強制的に操れてしまうものもいるらしい。
今回の骸骨は強い。その証拠に手を掲げ魔力を放出すると、そこら辺の逃げている魔物に魔力を注ぎ、操った。その証拠に、目が骸骨の魔力の色に変化した。
と言ってもフルファンテのメンバーに物量は通用しない。
「透き通る氷壁」
そうガイアが言葉を放つと氷壁が僕らを囲み、操られた魔物の攻撃を通さないようになっている。
モナーキア王国では夏にアイス屋で削り氷という削った氷にジャムやソース、フルーツにジュースと好きなものをかけて食べる人気のスイーツがある。その氷は「天然氷」というのを使っていて、それはガラスよりも透き通っていると言われる氷なのだそう。
ガイアの放った氷は「天然氷」を出したのではないか。
「これで削り氷って作れるの?」
と聞いてしまった。戦闘中なのに。
「お前、何今そんなこと……」
ガイアはツッコもうとしたが、父の顔を見たのか
「ツツツッ!作れるよッ!!」
と返してしまった。
作れることを知ったので後で作ってもらおう。何かけようかな。
「とにかく、この氷は僕の魔力は通す。お前ら僕の華麗な攻撃を見ていてくれ。」
そう言ったガイアだったが、
「「うるさい」」
と母とクレミシに氷を溶かされてしまった。ガイアは涙目になった。
「「フルファンテは誰かに守ってもらうほどやわじゃない。」」
そう2人が言うと、みんな頷いて操られた魔物を倒した。
ガイアの心は折れた。その証拠に地面とコソコソ話をしている。
とりあえず空にいるカダベレスカルを討伐するのだが、その役は魔法で空中での行動が可能なフェルメッツァ、ネビア、サキットそして父だ。サキットは自己紹介の時に空を飛んでいたと話していたが、フェルメッツァは土魔法で足場を生やしての移動、ネビアは水魔法で生み出した水の中を泳いだり、水を凍らせて走ったり。父は風魔法を使うのでそのまま飛ぶだろう。
残りの人たちは操られた魔物の討伐。僕もそこに含まれている。
問題なのは母とクレミシ。周りが木しかないので、燃え移ったらこの森は終わり。なのだが、魔法で生み出した炎なら燃え移っても操れるとのこと。魔法って便利だなぁ~。
そんな作戦を立てていたが、骸骨が手を掲げ魔力を放出したが、それがさっきと違う。骸骨を中心に球状に広がっていき、みんなを包み込んだその時、僕たちは何もない、ただ平らなだけの空間に移された。
「チッ!超過種かよ!」
フェルメッツァがそんなことを言った。
超過種。言い換えるならば突然変異。突然変異と言っても元の状態よりさらに強くなり、その生物の特徴を超えるというもの。
人も例外ではなく、闇魔法を手に入れるのも超過種の影響と考えられているが、その原因が分かっていない。超過種も規則性がなく、これといった定義がない。そのため図鑑に載っている魔物の情報も、どこまでが普通で、どこからが超過種によるものなのかすらも分かっていない。
今回のカダベレスカルの超過種の内容、図鑑に書いていたものとすれば空間変換。内容は自身の指定した空間に含まれる対象を指定し、自身ごと空間を転移するというもの。だが今回は全員違和感を感じた。本来カダベレスカルは死んだものを操る。つまり後衛だ。なのにこの空間には何もないカダベレスカルを守る者も、みんなを攻撃するものも。自分から死にに行っているようなものだ。
全員が疑問に思っていると、カダベレスカルは魔法を発動した。それは空間の裂け目を発動させ、そこから死んだであろう、大量の冒険者と魔物が出てきた。
それを見たイモさんは
「だからダンジョンに何もないのか……!」
そう言っていた。
これは後から聞いた話なのだが、ギルドは、期間内にギルドへ帰らないと、報酬の取り消しをする。つまり依頼達成の申告忘れを減らすためだ。だが、それでも帰ってこない場合、その場の探索の依頼が入る。最近その依頼を出すことが多くなったうえ、その依頼の失敗も同じくらい多くなっているということ。つまり今回戦っているのは、ダンジョンに入った冒険者たちを何らかの形で殺し、回収して手駒にすることを何度も行い、ある程度数がそろったら空間変換で人をここに呼び寄せ、今の状況を見せ、殺す。これを何度も繰り返してきたのだろう。
僕はそのことを理解した。許せなかった。だから僕はカダベレスカルに向かって走った。
みんなごめん。勝手に動いて。
カダベレスカルは僕が消えたのに気付いたのか死んだ人たちを盾にしようとする。でも今の僕は違う。
前の盗賊狩りをした時、直線にしか動けないのなら、対処も簡単になってしまう。だから僕は2日間で全力で走りながら自由に動くために訓練を行った。だから、盾なんて関係ない。後ろに回って思いっきり叩きこむだけだ。
僕は後ろに回り短剣を思いっきり骸骨の頭に振り下ろした。骸骨は反応してはいるが、少し後ろに振り向いただけ。短剣が当たった時、骸骨は高いところから落とした卵の殻みたいに粉々に砕け散った。
これで終わり。そう思った時、僕は後ろから剣が降られる音がした。何とか反応して躱せたが、肩を浅く斬られてしまった。僕は急いでみんなの元へ戻った。
「お前、その傷……」
フェルメッツァが心配している。
「大丈夫、浅い傷だよ。」
僕はそう言ったのだが、傷を見た時、僕は信じられないものを見た。
傷から黒い‘‘なにか‘‘が出てきている。
イモさんに回復魔法をかけてもらったが、傷は塞がり切らなかった。
「3つ目の超過種……」
1つ目は空間変換。2つ目は空間収納。空間の裂け目に色々入れるやつ。3つ目は傷蝕。傷を与えたら、対象を傷口から呪い、蝕むというもの。今まで超過種を持つのはせいぜい1つと言われていた。つまりこれは異常なのだ。
そんなことはさておき、僕の状態について説明しておこう。傷蝕は1時間で死ぬ。がそれはあくまで死ぬというだけ。7~10分ほどで傷口周辺に麻痺する。30分で全身麻痺となる。1度麻痺となったら絶対に治らない。対処法はただ1つ。これを使った本人を倒すというもの。つまり大体5分で倒さないといけない。ノーダメージで。
超過種についてなんですが、種類として示す超過種と、超過種でのスキルについて話すので2つに使い分けていますが、意味が違うものとして捉えていただけると嬉しいです。




