表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蒼き英雄 Another  作者: 雨宮結城
第二章 剣士試験編
6/8

Part 2

 ~剣士試験~

 まだ剣士ではない者が、試練を乗り越え、活動する為の許可を合格する事で得ることができる。


 ~カラー昇格~

 (たましい)(きざ)まれた色によって、剣士の(かく)(あらわ)称号(しょうごう)を、上げるもの。


 ・白色 最弱認定 ・青色 一般認定


 ・銀色 強者認定 ・金色 最強認定



 ・赤色 犯罪者認定 ・黒色 人殺し認定


 試験を受け合格した者は、基本青色で、白色はそうそうにつく称号ではない。 この世界の五割が青色の一般剣士、三割を銀色、一割に金色。


 現時点で、金色剣士は二人。そして犯罪を行った者を赤色、人を(あや)めた人間は、黒色。 犯罪者の認定を受けた者は、国から追われほとんど捕まえたが、残りの数こそ少ないが、生き残り故に、銀色以上の者がほとんどを占める。


 剣士試験とカラー昇格は、名前こそ分かれているものの、やることは変わらない。 まだ剣士でない者は、自動的に許可を、余程優秀であれば、既に剣士である人間と同じ、昇格を審査を行う。


 最低限の知識と、特訓を(おこた)ることなく、剣士試験当日、会場へ着いたアスタ達。


 「ふぅ……やっとだ」


 「アスタ、眠いの?」


 「ほんの少しだけ」


 「ちゃんと寝なよ~……ノネさんでさえ、ちゃんと寝てたのに」


 「フェイ……お前、アスタ色に染まったのか」


 「え……普通ですけど」


 「これが思春期か」


 「大袈裟(おおげさ)ですよノネさん」


 「そうだよノネ、これくらい普通だって」


 「アスタ……お前はそろそろ、目上の人に対する敬語をな……」


 「はいはい、分かってますって」


 「ホントかよぉ」


 「そう言えばさぁ」


 「今度はなんだアスタ……またタメ口か?」


 「いや、俺たち以外基本大人なんだな」


 「あぁ、まぁ……ほとんどがカラー昇格目的だろうな」


 「許可は俺とフェイだけか」


 「いや、もう二人いるみたいだぞ?」


 「え?」


 アスタ達が話していると、人混みの奥から声をかけ、こちらに寄ってくる者がいた。


 「いたいた……ノネ~」


 「おぉサラ、久しぶり……ってほどでもないか」


 「そうね、初めまして二人とも、私の名前はサラ。 ノネとは親友なの、よろしくね」


 「初めましてサラさん、僕はフェイって言います」


 「アスタです、よろしくお願いします」


 フェイはともかく、この時は珍しくアスタもお辞儀をして挨拶を交わした。


 「ご丁寧にありがとうございます」


 「なんだアスタ、できるんだな」


 「流石に初対面の人だし」


 「いつもやれよ……」


 珍しいと感じたが、いつも通りだなと思うノネ。


 「ノネ……さん、サラさんも参加を?」


 「なんか違和感だな、アスタのそれ」


 「せっかく意識したのにヒドイな」


 「まぁいいか、いや、サラの弟子だよ。 いるんだろサラ」


 「弟子?」


 「えぇ、ほら、二人も……」


 サラが連れて来た弟子は、二人の美少女だった。


 「こんにちは、ボクはユキって言います」


 「妹のミユキです」


 「こんにちは、僕はフェイ」


 「俺はアスタ、よろしく」


 四人は自己紹介し、握手を交わした。


 「この二人がサラの弟子か、にしても可愛い二人だな」


 「そんな事……ノネさんの方が」


 「ミユキ……照れてるのも可愛いな」


 「へぇ!…///」


 「ノネ、ナンパしないでよね」


 「いやぁ悪い悪い、良かったよ。アスタ、フェイ、お前らには会わせたくてな。 サラにもだが、ユキとミユキに」


 「あの、フェイさん。 フェイさんって、どんな本を読まれるんですか? 私も好きで」


 「ミユキさんも本好きなの!? 僕はね……」


 本が好きと言うフェイとミユキは、早速仲良く会話を始め、思わずアスタは。


 「まるで合コンだな……」


 「ねぇ」


 「ん?」


 「アスタ……君? なんて呼べばいいかな?」


 「好きな呼び方で大丈夫ですよ、こだわりもないし」


 「そう、じゃあアスタ!」


 「いきなり、まぁ自由にって言ったけど」


 「君はどんな剣士になりたいの?」


 「え……どんな?」


 「うん! ちなみにボクは……決まってないんだ!」


 「ないんかい」


 「えへへ、なんか考えすぎて明確に決まってなくてさ、アスタ君はどうなの?」


 「今度はいきなり君付け?」


 「なんかいきなりだったかなって、ごめんね」


 「いや別に、マイペースな人だな、ユキ……さんって」


 「アスタ君」


 「今度はなんですか?」


 「試験、お互い頑張ろ!」


 「うん」


 再び握手をするアスタとユキ。その時アスタは、ユキの手を握って、感じたことがあった。


 「ユキさん、凄いな」


 「え?」


 「ユキさんの手、かなり剣を握って修行した手だ。 きっと血のにじむような」


 「えへへ、何か恥ずかしいな。 アスタ君凄いな、握っただけで分かるなんて」


 「あいや、別に……」


 「なに照れてんだアスタ、てか口説くとかアスタするんだな」


 「いや違うから! ノネ……さん、俺はただ」


 「いやごめんな、反応が可愛くてな」


 「たく……」


 「でも優しいなアスタ」


 「……///」


 「ノネ、からかっちゃダメよ」


 「流石サラ、よくお分かりで」


 「何年の付き合いだと思ってるのよ、ノネの考えなんてお見通しよ」


 「そりゃあ、サラには素の私を知ってほしいからな」


 アスタをからかっておきながら、ノネまでサラを口説き始めた。


 「もう…/// 弟子の前よ?」


 「気にしないさ」


 そんな光景を見て、弟子たちは唖然としていた。


 「ノネ……」


 「なんだアスタ」


 「ノネも口説いてんじゃん」


 「サラさん、ノネさんの前だと全然違うよね」


 「そ…/// そんな……ことは」


 「ユキ、ミユキ、そっちも苦労してるんだな」


 「いえ、もう慣れました」


 良いのか悪いのか、絆が深まるアスタ達。


 「そう言えば、ノネのカラーって何色なんだ? 聞いたことなかったけど」


 「ボクも気になる、サラのカラーって?」


 アスタとユキに聞かれたノネとサラは、スっと答えた。


 「金色」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ