Part 2
~剣士試験~
まだ剣士ではない者が、試練を乗り越え、活動する為の許可を合格する事で得ることができる。
~カラー昇格~
魂に刻まれた色によって、剣士の格を現す称号を、上げるもの。
・白色 最弱認定 ・青色 一般認定
・銀色 強者認定 ・金色 最強認定
・赤色 犯罪者認定 ・黒色 人殺し認定
試験を受け合格した者は、基本青色で、白色はそうそうにつく称号ではない。 この世界の五割が青色の一般剣士、三割を銀色、一割に金色。
現時点で、金色剣士は二人。そして犯罪を行った者を赤色、人を殺めた人間は、黒色。 犯罪者の認定を受けた者は、国から追われほとんど捕まえたが、残りの数こそ少ないが、生き残り故に、銀色以上の者がほとんどを占める。
剣士試験とカラー昇格は、名前こそ分かれているものの、やることは変わらない。 まだ剣士でない者は、自動的に許可を、余程優秀であれば、既に剣士である人間と同じ、昇格を審査を行う。
最低限の知識と、特訓を怠ることなく、剣士試験当日、会場へ着いたアスタ達。
「ふぅ……やっとだ」
「アスタ、眠いの?」
「ほんの少しだけ」
「ちゃんと寝なよ~……ノネさんでさえ、ちゃんと寝てたのに」
「フェイ……お前、アスタ色に染まったのか」
「え……普通ですけど」
「これが思春期か」
「大袈裟ですよノネさん」
「そうだよノネ、これくらい普通だって」
「アスタ……お前はそろそろ、目上の人に対する敬語をな……」
「はいはい、分かってますって」
「ホントかよぉ」
「そう言えばさぁ」
「今度はなんだアスタ……またタメ口か?」
「いや、俺たち以外基本大人なんだな」
「あぁ、まぁ……ほとんどがカラー昇格目的だろうな」
「許可は俺とフェイだけか」
「いや、もう二人いるみたいだぞ?」
「え?」
アスタ達が話していると、人混みの奥から声をかけ、こちらに寄ってくる者がいた。
「いたいた……ノネ~」
「おぉサラ、久しぶり……ってほどでもないか」
「そうね、初めまして二人とも、私の名前はサラ。 ノネとは親友なの、よろしくね」
「初めましてサラさん、僕はフェイって言います」
「アスタです、よろしくお願いします」
フェイはともかく、この時は珍しくアスタもお辞儀をして挨拶を交わした。
「ご丁寧にありがとうございます」
「なんだアスタ、できるんだな」
「流石に初対面の人だし」
「いつもやれよ……」
珍しいと感じたが、いつも通りだなと思うノネ。
「ノネ……さん、サラさんも参加を?」
「なんか違和感だな、アスタのそれ」
「せっかく意識したのにヒドイな」
「まぁいいか、いや、サラの弟子だよ。 いるんだろサラ」
「弟子?」
「えぇ、ほら、二人も……」
サラが連れて来た弟子は、二人の美少女だった。
「こんにちは、ボクはユキって言います」
「妹のミユキです」
「こんにちは、僕はフェイ」
「俺はアスタ、よろしく」
四人は自己紹介し、握手を交わした。
「この二人がサラの弟子か、にしても可愛い二人だな」
「そんな事……ノネさんの方が」
「ミユキ……照れてるのも可愛いな」
「へぇ!…///」
「ノネ、ナンパしないでよね」
「いやぁ悪い悪い、良かったよ。アスタ、フェイ、お前らには会わせたくてな。 サラにもだが、ユキとミユキに」
「あの、フェイさん。 フェイさんって、どんな本を読まれるんですか? 私も好きで」
「ミユキさんも本好きなの!? 僕はね……」
本が好きと言うフェイとミユキは、早速仲良く会話を始め、思わずアスタは。
「まるで合コンだな……」
「ねぇ」
「ん?」
「アスタ……君? なんて呼べばいいかな?」
「好きな呼び方で大丈夫ですよ、こだわりもないし」
「そう、じゃあアスタ!」
「いきなり、まぁ自由にって言ったけど」
「君はどんな剣士になりたいの?」
「え……どんな?」
「うん! ちなみにボクは……決まってないんだ!」
「ないんかい」
「えへへ、なんか考えすぎて明確に決まってなくてさ、アスタ君はどうなの?」
「今度はいきなり君付け?」
「なんかいきなりだったかなって、ごめんね」
「いや別に、マイペースな人だな、ユキ……さんって」
「アスタ君」
「今度はなんですか?」
「試験、お互い頑張ろ!」
「うん」
再び握手をするアスタとユキ。その時アスタは、ユキの手を握って、感じたことがあった。
「ユキさん、凄いな」
「え?」
「ユキさんの手、かなり剣を握って修行した手だ。 きっと血のにじむような」
「えへへ、何か恥ずかしいな。 アスタ君凄いな、握っただけで分かるなんて」
「あいや、別に……」
「なに照れてんだアスタ、てか口説くとかアスタするんだな」
「いや違うから! ノネ……さん、俺はただ」
「いやごめんな、反応が可愛くてな」
「たく……」
「でも優しいなアスタ」
「……///」
「ノネ、からかっちゃダメよ」
「流石サラ、よくお分かりで」
「何年の付き合いだと思ってるのよ、ノネの考えなんてお見通しよ」
「そりゃあ、サラには素の私を知ってほしいからな」
アスタをからかっておきながら、ノネまでサラを口説き始めた。
「もう…/// 弟子の前よ?」
「気にしないさ」
そんな光景を見て、弟子たちは唖然としていた。
「ノネ……」
「なんだアスタ」
「ノネも口説いてんじゃん」
「サラさん、ノネさんの前だと全然違うよね」
「そ…/// そんな……ことは」
「ユキ、ミユキ、そっちも苦労してるんだな」
「いえ、もう慣れました」
良いのか悪いのか、絆が深まるアスタ達。
「そう言えば、ノネのカラーって何色なんだ? 聞いたことなかったけど」
「ボクも気になる、サラのカラーって?」
アスタとユキに聞かれたノネとサラは、スっと答えた。
「金色」