13話
朝、起こされる前に目が覚めた。え、ここ、どこ?私の部屋じゃない。誘拐されたのは夢じゃなくて、現実だったんだ!ドアをノックする音がする。
「殿下、お目覚めですか?」
ハンナの声だ。良かった。ハンナも一緒なんだ。
「ハンナ、早くここから逃げないと!」
「寝ぼけてらっしゃるのですか?ここはノーザンフィールド公爵が王都に持っておられる別邸です。殿下が聖白百合学園に留学なさるので、こちらを使わせてもらうことになったではありませんか。」
呆れたようにハンナが言う。
そうだったわ。昨日、夜遅くにエルメニアの王都に着いたんだったわね。
「ハンナ、おはよう。ロッテがいないなんて珍しいわね。」
「はい。」
朝はいつもハンナとロッテが来てくれるのに、今朝はロッテがいない。口籠るハンナに無理矢理聞き出す。起こしても起きないらしい。
「疲れているんですよ。前回、殿下がエルメニアの夜会の出席が決まった時からずっと気を張っていて。許してやってください。」
ハンナが懇願するような声をだす。
ロッテは私と同い年なのに、私より早く起きて遅く寝る。私が座っていても立っているし、私の用事をしてくれている。だから、私より疲れているはず。侍女なんだからそれは当たり前なのかもしれないけど、それを言うなら、無理をさせてしまった私は主人として失格だわ。
私はハンナをじっと見た。ハンナも疲れていると思う。
「私は大丈夫ですよ。」
「本当に?午前中は何もする予定がないから、部屋でゆっくり休んでちょうだい。あなたにも寝込まれてしまったら、私が困ってしまうわ。用があれば呼ぶから。
この屋敷のマーサ達も疲れているのかしら?」
この屋敷に公爵邸から派遣されている使用人にももっと休みをあげた方がいいのかと思ったけれど、公爵邸の使用人と待遇が違うと問題になるからやめた方が良いと、ハンナに言われた。
難しいわね。良かれと思っても、私の独りよがりだったりするのね。こんなことで、ギルベルト様と結婚して大丈夫なのかしら?辺境伯夫人として,家の切り盛りができるのかしら?
「大丈夫ですよ。辺境伯や公爵様、また、家のことならハウスキーパーのベル夫人に相談なされば良いのです。殿下は下の者の意見でもそれが良い案なら受け入れられます。だから、きっと、賢夫人におなりになります。微力ながら、このハンナもお手伝いいたします。」
ありがとう、ハンナ。
午前中は特に予定もないので、ハンナには下がって休んでもらうことにした。ロッテも今日一日はゆっくり休んでもらうことにする。
一人で食堂に来たのでマーサがびっくりしている。
「おはよう。朝からいろいろ並んでいて、美味しそうね。
給仕をお願いできるかしら?」
不思議そうな顔をしながらもマーサは給仕をしてくれた。
食事の後、部屋で休んでいると、マーサが来客を告げた。来客と言っても、服飾店で、聖白百合学園の制服を持ってきたらしい。部屋に通してもらった。本来なら、約束を取り付けてから来るのだけれど、新学期が近いために急いで持ってきてくれたのだ。
入ってきた女性は私に「聖白百合学園への編入、おめでとうございます」と言った。そして、注文の制服ができたので試着して欲しいとも言った。
「大使のクレーマン伯爵より二着ご注文いただいております。取り敢えずご試着いただき、よければもう一着にすぐ取り掛かります。」
制服は私が聖白百合学園に留学することが決まったので、在エルメニアのヴェストニア大使のクレーマン伯爵が注文を入れてくれていたみたい。それはそうだよね。私がこちらに来てから注文を入れたのでは、新学期に間に合わないかも知れないもの。
服飾店の店員、デザイナー兼お針子でテレサという名前らしい、そのテレサが言うには、みんな入学が決まった時点ですぐに注文を入れるので、もうすぐ新学期という今は大分落ち着いているとのこと。
「どこか不都合はございませんか?」
そう聞かれた。
うん、よくわからない。今迄、採寸も仮縫いも出来上がってからも、ハンナが見てくれてたから。これで良いような気もするけど、自信ない。午前中は休んで良いと言ったけれど、マーサにハンナを呼んできてもらう。マーサはホッとした顔をして「かしこまりました」と言って部屋を出て行った。私がハンナやロッテに腹を立てて下がらせたと思ってたんだわ。
ノックの音もけたたましく、ロッテが入ってきた。
「殿下、申し訳ありません!」
「殿下のお言葉を伝えたのですが、、、」
申し訳なさそうにハンナが続いて入ってきた。
「無理をさせてしまったのね。もう少し、ゆっくり休んでいても良かったのに。
ハンナ、『午前中は下がってて良い』と言ったけれど、ごめんなさい。制服の具合がこれで良いのか自分ではわからなくて。」
ハンナは「まあ、殿下はご自分のお召し物でしょうに。具合がわからないとは困ったものですね」と言いながらも、なんか嬉しそう。
ハンナは私に手を上げるように言ったり、しゃがむように言ったりして、制服の具合をチェックしていた。特に不具合は無さそう。
「もう、脱いでも良いかしら?」
「ええ、お召し替えなさっても大丈夫です。」
ハンナがそう言ったので、ロッテに着替えさせてもらった。
ロッテがニマァと笑う。
「何、何なの?ニマニマ笑って。」
「いえ、聖白百合学園の制服をお召しになった殿下をご覧になって、辺境伯はどう思われるのかなぁと思って。」
どう思われるのかなって、どう思われるのかしら?
真っ白で清楚で上品な制服。私、ちゃんと着こなせてるかしら?制服に負けてないかしら?ギルベルト様にとても素敵な淑女だと思ってもらえるかしら?似合わないなんて思われたら、どうしよう。不安になってきた。
「では、帰って、本縫いに取り掛かります。五日、いえ、三日以内にはお届けいたします。」
テレサはそう言って、部屋を出て行った。
私はハンナの方を見る。
「とても良くお似合いでしたよ。制服、早く仕上がるといいですね。さすが王族にも顧客をもつ服飾店ですね。仮縫いで修正がいらないとは。」
ハンナがそう言った。
私は椅子に座った。
「午前中は予定がないから、下がっていてもらおうと思ったんだけど、結局、呼んでしまったわ。あなた達がいないと、私は自分では何にもできないみたい。」
「何を仰っているんですか?そのために私達がいるのです。
さ、殿下、お疲れになったでしょう?試着というのは存外体力や気力を使うものなのです。もう少し、横になってお休みになられますか?」
ハンナのその言葉をきいて、ロッテが私の服を脱がしはじめる。
少々強引なロッテによって寝衣に着替えさせられ、ベッドに押し込まれた。
「殿下、おやすみなさいませ。」
「ちょっと、ロッテ、まだ朝なのよ。眠れないわよ。あなたが眠たいなら、寝てても文句を言わないから。
それに、ハンナも大袈裟よ。試着くらいで横になるほど疲れないわよ。」
そう言って、起き出した。
ノックがして、ドアの向こうのメイドがロッテに何か言っている。
「殿下、辺境伯がいらっしゃっているそうです。」
「早く、早く着替えさせて!」
今来ている寝衣はギルベルト様が贈ってくれたもの。フリルやレースがいっぱいで可愛くて見て欲しいけど、結婚もしていないのにそんなこと、できるわけがない。急いで着替える。
私を着替えさせながらロッテが「来るのは夕方になるって話だったのに、どうなさったんですかね?」と言っている。いや、口より手を動かして!私も手を頬に当てて考えてしまったから、人のことを言えないけど。わたしも不思議だけれど、来てもらえて嬉しい。
着替え終わり、急いで応接室へ。階段だけは一段ずつゆっくり、しっかりと。階段から転け落ちたら、シャレにならない。昔、子供の頃、走って階段を降りていたらお母様にとても叱られた。
お母様がまだ娘の頃、公園を散歩していたら、走ってきた子供が階段をふみはずして下まで転げ落ちてしまった。打ちどころが悪く首の骨を折って死んでしまったのを目撃したらしい。
「私が階段を上がったところだったのよ。その子が走ってきてぶつかりそうになったの。避けたらそのまま下に落ちてしまって。あの時避けなければ、あの子は死ななかったと思うと、、、」
お母様はそこで言葉に詰まって泣き出してしまった。
「でも、お母様、避けなければぶつかられたお母様が押されて階段から落ちて死んでしまったかも知れないですよね。」
私がそう言うとお母様は、
「それはそうだけれど、転がり落ちていくあの子の悲鳴や首の骨の折れるゴキっていう嫌な音、その時漏れたあの子の声、あの子の母親の悲鳴や泣き声が今でも耳から離れないし、流れた血の赤い色が目に焼き付いて離れないのよ。」
そう仰って、さらに激しく泣き出した。
お母様は時々、夜中に悲鳴をあげられることがある。それは、宮廷医のシュミット先生によると「昔の衝撃的な出来事が心に癒えることのない傷を作っていて、時々、表に出てくる」かららしい。
だから私はどんなに急いでいても、階段や段差は慎重に降りることにしている。
応接室にはギルベルト様がいた。あと、男性が一人。この男性、たしかエルメニアの第一宰相ロイド伯爵、イザベル様のお父様だわ。どうしたのかしら?
ロイド伯爵はエルメニアに留学に来た私に挨拶をしに来ただけだった。
「殿下、聖白百合学園への編入、おめでとうございます。」
ロイド伯爵は編入試験が必要だと言った。
「決まりとして、殿下には編入試験を受けていただきます。」
え〜、聞いてないわ、編入試験なんて。制服も注文してあるし、編入は決定してんじゃないの?エルメニア語は大丈夫だと思うし、学科もまあ自信ある。ただ、危ないのはマナーとか、マナーとか、マナーとか。エルメニアとヴェストニアでは細かなマナーは違うでしょうし、そこは考慮してくれないかしら?ダメ?この期に及んで、聖白百合学園を落ちました、なんて恥ずかしいどころじゃないわ!
私の焦りが顔に出ていたのか、ロイド伯爵は笑っている。
「編入試験は殿下の学力をみるためです。この結果によって、編入が取り消されることはありません。ご安心を。」
ああ、良かった。
ロイド伯爵に訪問のお礼を言うと、伯爵は「何かございましたら、いつでも仰ってください。ギルベルト、お邪魔虫は消えるよ」と言って席を立った。
お邪魔虫なんて。ギルベルト様と二人になりたいなぁ、とは思ったけどね。やっと二人になれると思ったのに、「あ」と言ってドアのところで振り返った。「伯父上は小鴨亭に行くって言ってましたよ。」
ギルベルト様がそう話すと「小鴨亭か。何を食うかな。あの酒が入っているといいんだが」と言いながら出て行った。もう、意識が何を食べるかということにしか向いていない。小娘といえど、王女の前なんだけど、、、公爵といい、この伯爵といい自由すぎるわ!
呆れた顔のギルベルト様。
「必要な書類が届いてなくて、仕事にならないと言っていました。それで、書類が届くまでは休憩だと。けれど、しなければならないことは山積みなんだから、他の仕事をすればいいのに。」
ギルベルト様は真面目だわ。宰相であるロイド伯爵がサボってるんだから、一緒にサボっても大丈夫ではないかしら?
「とんでもない。やらなければならないことは決まっていて増えはしても減るわけではないのだから、やれるものからやっていかないと。休みの日に呼び出されたり、夜遅くまで、ひどければ明け方までやって、辻褄をあわせなければならなくなるんです。そうなれば、殿下にお会いする時間が無くなってしまいます。真面目なのではなく、自分のためです。今日だって書類が届き次第、王宮に呼び戻されるんです。いつ呼び戻されるかわからないから、王都の案内もできない。」
え、「殿下にお会いする時間がなくなる」って、私に会いたいってこと?いつ呼び戻されるかわからない隙間時間にも、家に帰るのではなくて私に会いに来てくれたってこと?
「モテない殿下を騙すなんて、イケメンの辺境伯にとっては朝飯前ですよ。」
ロッテ、脳内に話しかけないでって言っているでしょう。「モテない」って、主人に向かって失礼よ。まったく。本当のことかも知れないけれど。大好きな人に「会いたい」って言われて、嬉しくない女の子がいるの?婚約者なんだから、「自分は愛されている」って騙されて、何か問題ある?ないでしょう。
「殿下、昨夜は遅かったので、お疲れでしょう。なのに、殿下のお顔が見たくて、伺ってしまいました。
殿下のお顔が見れて嬉しいです。
これで失礼します。」
ギルベルト様はそう言って、席を立とうとした。このままではギルベルト様が帰っちゃう。もう少し、ギルベルト様とお話ししたいけど、何か良い話題はないかしら?
あ、あったわ。あの、かわいい寝衣のお礼を言わなくては!
「あの、ギルベルト様、お寝衣をありがとうございます。」
「え、寝衣?」
不審な、というか嫌そうな顔をするギルベルト様。なんでそんなお顔をなさるのかしら?でも、そんなお顔も尊いわ。見ることができて幸せ!
「はい、マーサがギルベルト様が用意をしてくださったと。事情があって持ってきた寝衣が着れなかったので、助かりました。」
ロッテと濡れた布を取り合ったため自分の寝衣が濡れてしまい着れなかったという本当に馬鹿馬鹿しい事情。
立ち上がりかけたギルベルト様が再び椅子に座る。やったね、もう少しギルベルト様とお話しできる。
「あれは、その、グロリアが自分の新しい寝衣を買う時に、殿下にはあの寝衣が絶対似合うと強く言うから。本当に申し訳ありません。とんでもない物を差し上げて。」
申し訳無さそうに謝るギルベルト様。もう、申し訳無さそうなお顔もお姿も尊い。今日は尊い百面相を見れて幸せすぎる。クラクラしてきた。
クラクラは精神的だけでなく、身体的にも出ていたらしい。
「殿下、その、本当に申し訳ありません。まだ結婚もしていないのに、あのようなものを。どうか、お許しください。」
少し怯えたようなギルベルト様。そのお姿も、また絵になるなぁ。って、なんで怯えているの?おかしくない?
ロッテが後から教えてくれたところによると、顔が紅潮して目が半開きになっていて口角も上がり「悪鬼が憑依したよう」だったらしい。
なんか誤解されている。私がどんなにあの寝衣を気に入ったか、しっかりと伝えなくては!けれど、隙間時間に、ご自分の家である公爵邸よりも私のところに来てくれたことで私は舞い上がってしまっていたみたい。とんでもないことを口走ってしまった。
「私の普段のお寝衣はちょっと草臥れていて胸のところにリボンがついているだけなんです。あんな花柄でレースやフリルのいっぱいついたかわいいお寝衣、憧れだったんです。もう、本当にかわいくて。さっきまで着ていたんですけど、着替えずにあのままお会いすれば良かったです!」
そこまで言ったところで、後ろからロッテに口を塞がれ、羽交締めにされた。
ギルベルト様はロッテの行動に少し驚かれたもののにこやかに笑いながら、
「はい、機会があれば是非、」
と言ったが、何かに気づいたのか、突然慌て出して、
「え、いや、違います。昨夜遅くてまだお疲れのところに伺ってしまい、申し訳ございません。今日のところはこれで失礼いたします。」
そう言うが早いか、ドアの向こうに行ってしまった。
ハンナが「殿下、何を仰っているんですか」と呆れている。
「そうですよ。いくらかわいいお寝衣だからって『寝衣姿を見せたい』って、どんな痴女ですか。」
妻が痴女って嫌だよね。大変な誤解を与えてしまったわ。誤解で嫌われてしまう。いえ、もう、嫌われてしまったわ。
その日の昼食は美味しくなかった。美味しくない訳はないんだけど、正確に表現すると味がしなかった。
食べながらも涙と鼻水が出てくる。鼻水味がする気がする。
「殿下、何か他のものをお持ちいたしましょうか?」
マーサが声をかけてくれたが、首を横に振る。モソモソと味気のない食事を終えて、部屋に戻った。
部屋に戻ってぼんやり座っていると、グロリア様から来訪したい旨の使いが来たので承諾した。来訪したグロリア様、相変わらず美人。そして気品が溢れ出ていて洪水になっている。私みたいに「寝衣姿を見て欲しい」なんて口走ったりしないんだろうな。
私は椅子を勧めて座ってもらった。
「殿下、無礼を承知で単刀直入にお聞きします。ギル、ベルトは何か大変無礼なことをしてしまったのではないでしょうか?家に帰るなり逃げるように部屋に行ってしまって。
許し難いことをしてしまったのでしょうが、両国のためにも、どうか、お許しいただけませんか?」
まさかの直球。単刀直入に聞くとは言っていたけれど。
グロリア様は「ギルベルト様」が無礼なことをしたのでは、と言ったけれど事実は逆。「私」が大変非常識な発言をしてしまったのだ。
「その、ギルベルト様は悪くないんです。私がとんでもない発言をしてしまっただけなんです。弁解のしょうもない失言、、、」
首を少し傾げるグロリア様。私も美人に生まれたかった。こんな美人なら「寝衣姿を見せたい」と言っても「ご冗談を」と受け流してもらえた気がする。
正面に向き直り、
「殿下は『弁解のしようもない』と仰いましたが、ギルベルトは殿下が弁解をする間もなく帰ったのでしょう?殿下が何を仰ったかは存じませんが、ギルベルトは殿下の発言に対しての弁解を聞く義務があります。それを聞かずに帰ったのですから悪いのはギルベルトです。」
グロリア様はそう言った。
けれど、物事には限度というものがある。どう考えても「寝衣姿を見せたい」というのは痴女の域。ギルベルト様に痴女の弁解を聞く義務があるとは思えない。
「その、いただいたお寝衣があまりにもかわいらしくて、ついギルベルト様に『見て欲しい』って言ってしまったんです。」
目を大きく見開くグロリア様。呆れられてしまったわ。
「まあ、あのお寝衣、かわいいと思ってくださったのですね。ギルに強く勧めて良かったですわ。
あのお寝衣、私とお揃いなんです。
ギルは私の寝衣姿を見たことがあるので、殿下がお見せになる必要はございません。お見せならなくても大丈夫です。」
グロリア様、本気で言っているの?なんか、本気のように見えるけど、、、ギルベルト様が何故グロリア様の寝衣姿を見たことがあるのかも気になるけど、それを見たから私が寝衣姿を見せる必要はない、見せなくても大丈夫という根拠も気になるし、論点というか問題というかがずれている。
「殿下の『弁解のしようもない失言』はそれですか?それなら、失言でもなんでもありませんわ。かわいいものを見せたいと思うのは当然ですし、『かわいい』を共有しても良いと思われる相手がギルだなんて喜ばしいことですわ、
良かったですわ。ギルが殿下にどんな無礼なことをしてしまったのかと、とても心配でしたの。」
かわいいものを見せたいと思うのは当然かも知れないけど、それが寝衣の場合は当然じゃないと思うんだけどな。
でも、グロリア様の安心した顔を見ると、私の失言は大層なことではないような気がしてきた。グロリア様はお茶を一杯飲んで、帰って行った。




