BrothersLove
昨年、大学進学を機に
実家を出て
アパートでゆったりと
一人暮らしをしていた
朔夜の元に
ある日突然、思いがけない
来訪者がやってきた
この日彼は休日だった
『はい、どちらさ…』
チャイムに、些か気だるそうに
玄関から顔を出すと、そこには…
『やぁ兄さん♪久しぶり
会いたかったよ〜元気してた?』
ニコニコと手を振りながら
言う青年、恭
朔夜は驚く
『∑はっ、え、恭!?お前っ
何しに来たんだよ…?』
答える恭
『何しに、って…
俺も今年から大学生だし
進路の関係上、この家からの方が
通いやすいんだ。そういう事だから
兄さん、世話になるよ』
そう言って部屋に
押し入ろうとする恭を
必死に制止する朔夜
『おいコラ!待て待て!
誰が良いと言った!?帰れ!』
シュンとして見せる恭
『酷いや兄さん…
何でそんな事言うの
二人きりの兄弟なんだから
助け合いなさいって
母さんだって…』
呆れて、ため息をつく朔夜
『あぁ確かに言ってたが
そりゃオフクロ達に
何かあったら、の話だろ
2人ともバリッバリ
元気じゃねぇか!それに
そういうことなら別に部屋取れ
何で一緒に暮らす必要がある』
キョトンとする恭
『逆に、なんで兄さんが
もう住んでるのに俺が
別に部屋を取る必要があるの?
頼むよ兄さん
たった1人の可愛い弟の
頼みじゃんかぁ♪』
朔夜は、なかなか納得しない
『兄弟だからだろうが!
オレは認めねぇぞ』
それでも折れずに
笑いながら押し入る恭
『ははっ。兄さんには
迷惑かけないようにするからさ』
後を追うように
部屋に戻る朔夜
『今押しかけられてる時点で
既に迷惑してんだよ!こっちは
バカだろお前』
勝手にソファに腰かけ
突然指パッチンする恭
『さすが兄さん。分かってんじゃん
そ、俺兄さんと違って
バカだから、この辺の大学しか
合格れなかったんだよ』
呆れて腕を組む朔夜
『…分かるようで分からん
お前は意地でも帰るつもりも
他に部屋を取る気もないんだな?』
ニッコリ答える恭
『もち♪』
幼い頃から
言い出したら聞かない恭に
朔夜が折れるしかない
『何が「もち」だ
良いか!?お前はあくまで
居候の身なんだからな!?
立場をわきまえた行動しろよ』
喜ぶ恭
『ありがと兄さん!分かった』
こうして、同居を始めた兄弟
1週間は、恭は大学に通いながら
「普通に居候」していた
ところが、二人暮しを始めた
翌週の深夜、眠っていた朔夜は
突然の重みに目を覚ました
『…重っ…何?……∑恭!
お前、何してんの?』
『ん〜?夜這い♪』
『え、よば…アホか!
実の兄貴に夜這いかけるヤツが
どこの世界にいる!?』
恭を殴って、言う朔夜
『いったぁ…』
殴られた恭は
不服そうに頭を擦りながら言う
『…酷いや兄さん。オレ1週間も
我慢してやってたのに』
朔夜は怒っている
『は!?ふざけんな
自分の部屋に帰れ!』
しかし、恭は
笑顔で朔夜に迫る
『ちょっ!恭!寄るなバカっ!
部屋に帰れって!』
枕を投げ、ぶつける朔夜
それでも恭は笑顔のままで
『…ねぇ兄さん、昔みたいに
仲良く一緒に寝ようよ』
抵抗する朔夜
『はぁ?ふざけんな!なんで
いい歳こいた弟と
一緒に寝にゃいかん!?』
『良いじゃない
二人きりの
兄弟なんだから♪』
言いながら至近距離まで近づき
シャツを捲る恭
『わっ!やめろ!
何すんだバカ!』
腹を出した状態で
怒っている朔夜
『あれ、何?照れてんの?
兄さんは相変わらず可愛いなぁ』
嬉しそうに言う恭に
朔夜は抵抗を続ける
『お前まじふざけんな!
何のつもりだっ…おい…』
一旦シャツを下ろす恭に
昨夜はホッとして言う
『お前…本当冗談キツイ
なぁもう良い加減に…』
そこまで言って
一時、言葉を失う朔夜
恭が突然下りたままの
シャツの下から
服の中を手探り出したのだ
くすぐったい感触に
赤面し怒る朔夜
『ちょっ…やめろって!
くすぐってぇよ…恭…おまっ…何』
恭は、朔夜を宥めるような
口調で話す
『真っ赤んなって怒ってる
本当可愛いんだから。大丈夫』
『何が大丈夫だ!?てめぇが
変なことするからだろが!
大丈夫なもんかっ!やめ…』
朔夜の乳首をつまむ恭
『ふふっ♪』
『∑ひゃっ!ちょ…やめっ
…やめて〜……』
嫌がる朔夜
しかし、恭はその手を緩めず
反対側の乳首もつまむ
『たっ…頼む…恭…も…
やめっ…オ、オレら…血の繋がった
兄弟なんだから、ダメだ、こんな…』
胸板を撫で回しながら
答える恭
『だから?何か問題?
そりゃ結婚は出来ないけどさ
イチャイチャしちゃいけないなんて
誰が決めたの?』
恭の手首を掴み
抵抗を試みる朔夜
『問題しかねぇよ…バカ!
実の兄弟で、こんな//』
抵抗虚しく、触られ続ける胸
『こんな…?』
『こ…こんな…こ//』
力なく、恭の手首から
手を離す朔夜
怒る元気も衰退していった
『…ねぇ兄さん?気づいてる?
なんだかんだ怒ってたけど
俺のこと、好きで好きで
仕方ないって顔してるよ?』
『なっ…誰がお前なんか…
好きなもんかっ…
デタラメ…言うな…』
笑う恭
『デタラメなんかじゃないよ
兄さん、可愛いよ♪』
朔夜は赤面している
『男に、可愛いとか…
バカか…ちょ…
いつまで、どこ触っ//』
『ん?お、へ、そ♪』
上を攻め終え、へそ周りを
撫でていた恭
朔夜は慌てる
『それ以上下は
絶対触んじゃねぇぞ!
すぐやめろ!』
イタズラっぽく笑う恭
『やめなかったら、どうなる?』
『お前を今すぐ
放っぽりだすからな!』
余裕の表情を見せる恭
『へぇ?可愛い弟に、そんな事
優しい兄さんが出来るの?』
へそ周りをくすぐられ
悔し涙を浮かべる朔夜
『それ以上下触ったら…
マジで放っぽり出してやる//』
楽しそうな恭
『兄さんも知っての通り
人はダメって言われると
やりたくなるんだよね』
言いながら、手をずらすと
朔夜のズボンが少し盛り上がる
『ふざけんな馬鹿っ!
良い加減にしろ!
放っぽり出してやる』
そうは言ったものの
思うように体に力が入らず
満足に起き上がることすら
出来ない朔夜
『あれ?どうしたの?兄さん
俺のこと、放っぽり出すんじゃ
なかったの?』
微笑んでいる恭
朔夜は悔しそうに言う
『黙れ…だから、今…』
必死に力を込めるが、体は
言うことを聞いてくれない
『くそっ…おいコラ恭っ!おま
人が動けねぇのを良いことに
どこ触って…』
そうこうしているうちに
恭の手は、朔夜の陰部の
すぐ上に到達していた
『やだなぁ兄さん。まだ
そんな変なとこは触ってないよ』
赤面抗議する朔夜
『嘘つけ…触ってんだろ//黙ってすぐに
その手を抜け』
『やぁだよ?兄さんの反応が
可愛いから、やめられない♪』
『ふざけんな…っ!//』
もう、ジタバタするしか
術のない朔夜
驚くほど恭の力に抵抗できない
『やっぱり出来ないよね
兄さんは、優しいから』
ニッコリ言う恭
朔夜は悔しくて顔を逸らす
『どけっ。この馬鹿力…』
恭は微笑んでいる
『俺別に力なんて
入れてないけど?兄さんが
弱くなったんじゃない?』
言いながら、指を進める恭
ついに朔夜の陰部に触れた
『おまっ、恭…やっ//』
嫌がる朔弥をよそに
探り続ける恭
そのまま軽く掴む
『やぁっ…やめっ。ダメだ恭っ//
変なとこ掴むな//』
言葉で必死に抵抗する朔夜。
しかし…
恭の下半身攻めは終わらない
『何、考えてんだ…お前…
実の、兄貴相手に…』
陰部を触りながら
答える恭
『実はずっと我慢してたんだ
兄さんと、こういうのしたかった』
『だから何で//』
空いている片手で
朔夜の頭を撫でる恭
『決まってるじゃない
好きだからだよ、兄さんが』
ようやく気が済んだのか
ズボンから手を抜くと
シャツ越しに朔夜の胸板に
顔を沈める恭
一瞬唖然とする朔夜
『はっ?』
恭は顔を近づけ答える
『聞こえなかった?兄さんが
俺のこと好きだったように俺も
兄さんのこと好きだったんだよ
ずっと…』
頬を染めている朔夜
『だから、誰がお前なんか…』
優しい眼差しで見つめ
話す恭
『もう、無理しなくて良いよ
その気になれば家からでも
通えたのに、わざわざ
一人暮らししたのは、俺を
意識しちゃうからでしょ?』
勝手に指を絡めながら言う
硬直する朔夜
『何…だよ、その妙にお前だけに
都合の良い解釈…ここのが通学費
かかんねぇから、オレは….』
そう話す唇に、2本指を当てる恭
『半分は本当だけど、半分は嘘
顔にそう書いてあるよ』
『……』黙ってしまう朔夜
微笑む恭
『ね?もう、認めちゃいなよ兄さん
そしたら、楽になるから』
『……』朔夜は、肯定も否定もせず
だんまり作戦を決行した
『…あぁ、そういうこと?
なら、このまま好きにするよ』
恭は朔夜の作戦を
都合よく解釈して
ちゅっ、と
閉じた口にキスをした
『///』
赤面しつつ、意地を張って
声を出さない朔夜
恭は面白がって
頬や額、首筋などにキスをする
必死に耐える朔夜
恭は少しだけ離れて
様子を伺う
『……か』
ボソボソ話し出す朔夜
『…気…が…済んだ…か…?』
微笑む恭
『まぁ大体は?もうちょっと』
そう言うと、微かに開かれた
朔夜の口に恭は
強引にキスをした
『…んぅ…!』
突然のことに戸惑い
言葉を失う朔夜
離れると、恭は
頭を撫で
兄を褒める
『良く頑張ったね、兄さん
今日のところは、気が済んだよ』
涙目の朔夜
『何で上から目線なんだ…?
「今日は」って何だ
毎日これか?冗談じゃねぇぞ』
笑う恭
『慣れてよ?兄さん
俺らを邪魔する人は
いないんだから』
『慣れてたまるか!
実の弟に、毎日こんな…
何の罰ゲームだよ…』
拗ねる朔夜を
恭は、撫でて宥める
『罰ゲーム?ゲームじゃないよ
両想いなんだから』
朔夜は赤面している
『…またデタラメ言いやがって』
もう片方の手にも
指を絡める恭
『兄さんの意地っ張り
俺は諦めないから
近いうち、必ず
好きと言わせる
それじゃ、おやすみ』
そう言うと恭は
朔夜のベッドから降り
自室に戻って行った
呟く朔夜
『…寝られるか…バカ…』
自信満々な恭に
朔夜は悔しがる一方で
認めたくなかった感情と
葛藤し始める事となった
〜Fin.