シャープな診断 ①
♯1 FELLOWへのお題は〔夜に捕まる〕です。
〔三人称(彼、彼女等)の使用禁止〕かつ〔「声」の描写必須〕で書いてみましょう。
よるはいった。さあ、いまからおまえをおいかける。
ひくくてくらいこえでいった。
ひるはいった。おまえなんかにつかまるか。
たかくてあかるいこえでいった。よるはひるをおいかけた。
ひるはにげたけど、よるはあきになってから、ずっとあしがはやくなっていった。
だからすぐにおいついた。
♯2 FELLOW へのお題は〔昔の話をしてほしい〕です。
〔地の文のみ禁止〕かつ〔「帰り道」の描写必須〕で書いてみましょう。
私は走り出した。懐かしい道の形。
ランドセルを背負った学童のころを思い出し、電柱を数える。あの頃は見えなかった塀のてっぺん。私を大きくさせた十年の歳月。
それでもきっとあの場所が変わらずあるなら。
「6本目の電柱、路地裏っ、三つ目の角っ」
踵を変えて曲がった私を向日葵の花園が迎えた。
♯3 FELLOW へのお題は〔君はひとりでどこに行くの?〕です。
〔地の文のみ禁止〕かつ〔「黄」の描写必須〕で書いてみましょう。
太陽を見上げながら咲き、風に揺れる黄色い小さな日輪たち。今の私の身長よりも高いものも。
両手を広げ、まだ微かに残る去っていく夏の香りを吸い込む。
すると、にゃあという声がした。声の主は、緩やかな向日葵畑の丘をずんずんと登っていく。
私は尋ねた。
「君はひとりでどこに行くの?」
♯4 FELLOWへのお題は〔抱きしめないで〕です。
〔キャラの年齢操作禁止〕かつ〔「女性」の描写必須〕で書いてみましょう。
夢を選ぶか恋を選ぶか。
その選択を迫られ、私は己の才を憎みながら、すべての責を若さに担保させた。彼は私を理解してくれた。それが悔しいのか嬉しいのか。
ただ、これ以上抱きしめないで。キスをしないで。
私の甘えを彼が受け入れてくれたから、私は渡米する。心のどこかで彼を残す自分を責めながら。




