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お姫様とドラムスティックと王子様(仮)  作者: 黄色以外のポメラニアンはあまり見たことありません。
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バンドとか、え!?いや違いますって!!

初投稿失礼いたします。弱い頭で書かせていただきました。お見苦しい文章になっていると思いますので、暖かく見守るように呼んでいただけると喜びます。(きいろい奴が)

ぼくね、おおきくなったら、『おひめさまになりたい』!








冬の空は高い。


霜焼(しもやけ)けた手、

肩にかけた紺色のバッグは何冊もの教科書(きょうかしょ)と大量の課題(かだい)でぱんぱん。辛すぎる。

これは修行なのだろうか。

こりやすい俺の肩は悲鳴をあげた。

海のすぐ近くの学校なだけあって、通学路を歩いていると波の音が寒さをよりいっそう引き立てる。

重いやら寒いやら大変だ…。

それでもまだ、炎天下の中で汗をだらだら流しながら歩くことに比べればよっぽどましである。

わかってはいる。

だが、これから更に寒さを増していくのだと思うとやはり考えるだけでとてつもなく絶望的だ。

それでも授業さえ終われば好きなだけ部活でサッカーができる。

そう思えば耐えられないことはないが…。


 高校生になってなんだが、俺は『お姫様になりたい』のだ。


一人称が『俺』なので気づいてはいると思いますが、俺、男っす。うっす。

誰もが認める健全な日本男児(にっぽんだんじ)、現在16歳、高校1年生。


いつからだったのだろうか。

何がきっかけだったのだろうか。


おかしいとは自覚しているが、仕方がない。


しかし、『お姫様になりたい』といっても

「いつか白馬に乗った王子様が…♪」

とか、

「このドレス着てみたい!!!」

とかそういう事とは違うようで、別に男が好きってわけじゃないし女装もしない。ましてや女の子になりたいだなんて思ったことは一瞬たりともない。

脳内がメルヘンお花畑という訳ではないらしい。


『お姫様願望』、これはさほど生活に影響を(およ)ぼしてはいないので最近は(たい)して気にしていない。


「おはよーっす、(かける)

朝っぱらからいい笑顔で挨拶をかましてくるのは小学校時代からの友達、インテリイケメン爽やかメガネ市川(いちかわ)

俗に言う親友に近い関係だと思っているし、思われている。

それにしても爽やかだ、掛けている黒縁メガネでさえ爽やかだ。

俺に対する挨拶なんかにも爽やかさが流出している。ああ、もったいない。

[100点満点中500点!おめでとう!]

そう言ってあげたい。そんな素晴らしい挨拶だ。

「うーっす、イケメン。」

「おいw」

爽やかイケメンは笑った、

市川はもちろん俺とは違ってモテる。頭もいい!「神は二つを与えず(?)」とかいうやつはきっと嘘なのだろう。

俺が誇れるのは体育の成績が4なのと、中学で吹奏楽をやっていたため音楽の成績が4なことぐらいだ。もちろん国語は2!!!

5なんて見たこともない。俺からしてみれば成績に5が実在するということすら信じ(がた)い、都市伝説に近い存在…。

どうしてこうなってしまったのか。


 『お姫様になりたい』


市川に明かしたらどんな顔をするだろう。軽蔑(けいべつ)されるだろうか、友達ではいてくれなくなってしまうだろうか。



うわ………やってしまった…………。

忘れ物だ。やけにいつものバッグが軽いと思ったら課題をおいてけぼりにしていたらしい。今日は塾があるのに…っ!!俺もついに<老朽化>してきたのか。


そんなことを考えつつ1年1組の教室へ階段をかけ上がった。

うちの高校は4階建ての2つの棟でできていて、南棟が上から1年、2年、3年、そして職員室という順番になっている。きっと先輩たちが後輩の教室を通ることを避けるためだろう。学校が荒れている時の配慮なのだろうか、平和なこの高校の1年生にとってはありがた迷惑なのだが…。

それでも4階までの長い道のり、サッカー部の俺には坂道を歩くくらいのもの。毎日部活で行われる階段ダッシュでは1階から4階を往復する。何回も、何回も…入部してすぐ課せられたこの苦行。どんなに辛かったことだろう!!

7ヵ月ほど走り続けたため、自分の体も大分(だいぶ)慣れてきたらしい。


 どんなに長い道にも終わりはある。

しかし、

「あ、鍵ないじゃん。」

…回り道も時には必要です。


 課題を入れたバッグはかなり重い。スッカスカなおつむとは反比例する課題の量…。


 そういえば部活後の校舎は初めてだ。

他の部活より長く練習している吹奏楽部の合奏の音(そういやこの高校、吹奏楽で賞とかよくとってるんだっけ)、その他同好会の話し声、教師や来校客などの足音。あとは…


「… ギターの音?」


微かに響く低音。

北棟にある視聴覚室とかいうところから?

ギター部とか軽音楽部とか、この学校にはなかったはず。


見たい。


知りたい。


胸騒ぎがする。


聞きたい、もっと近くで。

音楽経験者なだけあって音への敏感びんかんさは(にぶ)っていないようだ。

ちょっと前まで音楽にアホみたいに明け暮れていたのにな。


合奏でいつも感じていたワクワクが身体中に思い出される。

音楽に触れたい

そんな欲望が頭の中を駆け巡り、胸をどきどきさせ、腹の中をぐるぐるかき回した。


今思えばこんな俺もパートリーダーまで登りつめたんだっけ。


懐かしい感覚。

体が熱くなった。


ちょっとだけ、視聴覚室のドアの近くに………。

全神経をドアの向こうから聞こえる音に集中させた。

さっきの音はギター、いやベースだったのか。

弦を弾く音…ちょっとピッチ(音の高さ)が合っていないような。

このちょっとのズレが命取りなんだよなー。

ちゃんと音聞けよー…。自分の楽器愛してやれよー…。

どんなやつが演奏してるんだろうか。

ドアについた小さな窓から中が覗けそうだ。


別に女子の更衣室を覗く訳じゃあるまいし、悪いことはしていないはず。

だけど、何故かすごくドキドキした。期待で胸が弾けそうとはこのことなのか。


誰がいる?何をしている?


見えたのは背の高い男、先輩か??

あの人がベースを鳴らしていたのか。

ピッチ、ピッチ気にして!!気づいて!!


あとは、誰だ?

あれ?もしかして…


「君、誰??」

「はぃ?!」

咄嗟(とっさ)にドアから離れた。

俺の後ろには少女が不思議そうにして立っていた。

身長は俺よりか少しばかり低いか。

華奢(きゃしゃ)でくりんとした目、小動物を思わせる…

そんな少女にビビるとは、とんだ鳥野郎(チキン)じゃないか…

少女はリスのように首をかしげ俺をじーっと見つめた。

いつから見られていたのだろうか、これはかなり恥ずかしい。


http://14649.mitemin.net/i149509/


彼女は何かひらめいたようだ。

「あ、わかった!!」

「へ?何!?」

何だ、嫌な予感が

「うちのバンドに入ってくれるんだね!!!わーい!!ありがと!!そうならそうと言ってくれればいーのにー!おっけーおっけー!シャイなんだねっ!!!」

バンド!?

「いや、え?違っ…!」

「はいはい、わかったわかった!!」

いや、わかってない!!絶対わかってない!!

部屋に入りなさい。バンドに入りなさいと言わんばかりに背中を押される。

この少女、見かけによらず…強いぞ……小動物なんてめっそうもない…!


バンドとか…っ!


少女に抵抗しつつも密かに音楽との再会に期待を(いだ)いていた。










だいじょうぶだよ。

いつでもきみをまもるから、なかないでいいんだよ…!

ここまで読んでくださり本当にありがとうございました!アドバイス等々ございましたら何なりとお申し付けください。本当にありがとうございました!!

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