~幕間17.5~
グダグダなコメディですらない幕間のお話~。
~ レオン ~
無理ゲーボスバトルが終わって2日後、丸1日寝て何とか元通りに復活したレオンは。
「あ~、やっぱ釣りはいい」
近くの湖で釣糸を垂らしていた、静かな穴場で他に人も居ないので釣り放題である。
「元の場所に帰れたら、またヨシュアとエステルを誘って釣りにでも行くかな」
「おや、釣れますかな?」
「ええ、中々好調です」
レオンが家族達(ヨシュアはレオンの嫁の弟、エステルはヨシュアの幼馴染み(恋人))を思い、物思いに耽っていると他の釣り人が現れ声をかけられる、レオンは釣りの成果を見せながら釣り人に応じると。
「ココの湖には『主』が居るそうですか、ご存じですか?」
「なんと!!、本当ですか!?」
「ええ、前に一度だけヒットさせた事は有るのですが、竿ごと持っていかれまして」
「むう、そんな大物是非とも釣ってみたい」
「ふふ♪、アナタも相当な釣りバカのようですね♪」
「いえいえ、自分等まだまだですよ♪」
「1つ勝負をしませんか♪」
「それはまさか!!」
「ええ!!『爆釣勝負』です!!」
「望むところだ!!」
こうしてレオンはレイクロードという釣り人との『爆釣勝負』で主釣りに挑むのでした。
~ タカミヤ ~
「錬成が甘い!!」
そう言って打った刀を再び炉の中に放り込む、もう15回目のリテイクである、自分の持ち込み素材は一切使ってないのでいいのだが、鬼気迫りすぎて声をかけれない御船は、ただひたすらタカミヤが刀を打つ光景を眺めているだけである、刀にはタカミヤにとって譲れない何かがあるらしく今日は朝からずっとこの調子である、ちなみに半蔵は「刀ならなんでもいいんじゃない?」と言ってしまったが為に先程炉に放り込まれ大神殿に逝ってしまったばかり、御船もおいそれと下手な事は言えない状況だった、タカミヤが再び刀を打ち始めて数時間、打った刃を水に付け、出来映えを確認している。
「ふむ、いい出来だ」
タカミヤはそう言うと御船から預かっていた前の刀の鞘と柄を出来た刀に合わせていく、鞘に納めたそれを御船に放り投げると。
「出来たわよ、持っていきなさい。代金は・・・・別にいらないわ」
「おお、これでまた侍士ができる、感謝します!!」
御船は頭を下げ鍛冶場を後にすると早速侍士に戻るために自宅のあるゾーンに向けて走り去っていった、御船を見送ったタカミヤは自分の家の前に《お袋の味の日本料理屋『大和姫』が今度は鍛冶に進出!!!》《拘りの頑固一徹刀鍛冶!!『武士刀姫』本日開業!!!》という意味不明な看板と、冒険者の長蛇の列が出来ているのを確認し。
「本当に・・・海外には侍士に憧れを持つ人が多すぎるんじゃないのかしら?」
そうボヤく中、看板を抱えて呼び込みをしている半蔵の姿を発見すると、神速の動作で詰め寄り半蔵を捻り上げると。
「下手な事口走ると炉に放り込まれるんで注意してござるよ~、拙者もさっき放り込まれってぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!タカミヤさん!!!、ゴメンナサイ!!!ごめんなさぁぁぁぁい!!!」
「半蔵、聞かなくても大体分かるけど、犯人は誰なのかなぁぁぁ♪」
「オリヴァーさんです!!、オリヴァーさんが折角だからお店にしちゃえって、看板もオリヴァーさんが」
口調が元に戻るくらい慌てる半蔵を解放するとタカミヤはグランセル中央会館へとSPD,AGL全快の超高速で走り去っていった、グランセル中央会館でオリヴァーのもういい加減何十度目になるかの悲鳴と謝罪が響いたのは言うまでもないことであり、皆にも「またオリヴァーさん何かやったな?」と認識されているのでした。
~ オリヴァー ~
グランセル中央会館の執務室で、冒険者各位の嘆願書を処理するなか、シェラザードが紅茶を淹れてくれ小休止をとっていた。
「いやぁぁ♪また今回もミヤっちのおかげで、『侍士』職の皆からの嘆願だった『刀』問題が解決したよ♪、ミヤっち様々だね♪」
「オリビエ、アナタねぇ。この前だってミヤの家を勝手に『大和姫』なんてお店にしちゃって宣伝までして『ナパームストレッチ』なんていうよくわかんない物凄い技でお仕置きされたんじゃない」
「あれは、想像を絶する痛さだったよ・・・・」
「アナタが想像するミヤのお仕置きってどれくらいよ?」
「ん~・・・、磔の刑にされて、スター○ースト・ストリーム連発されて240連メッタ切りとか?」
「それも確かに十分酷いけど」
「ふ、武器を使ったお仕置きなら僕には防ぐ手段(GM権限)がある!!」キラーン!!
「また絶妙に格好悪い事を」
「でも、ミヤっちっていつも攻撃行動範囲外のグレーゾーンギリギリなお仕置きばっかりじゃん、正直どうやっても防ぐとかもう無理っぽいし・・・今度は何だろう・・・考えるだけで恐くなってきた・・・」
「今度はどんなお仕置きを受けるのかしらね」
「あー、シェラ君酷いぞ~、ミヤっちに一緒に謝ってくれても」
そんなほのぼの?したやりとりをする最中、突如執務室の扉が開かれ。
「シェラ君後は頼んだ、とう!!」
「逃がすかあああああ!!!!」
執務室に入ってきたタカミヤの顔を見るなり窓を開けて逃げだしたオリヴァーと扉前から神速で窓から飛び出してオリヴァーを捕まえに跳ぶタカミヤを見ながらシェラザードはヤレヤレと溜め息をつきながら窓の外を覗き、お仕置きを受けている最中の昔っからバカっばかりやる放っておけない友人の姿を眺め。
「マッスル・スパーク・インフィニティー!!!」
「ぎゃあああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!、ごめんなさぁぁぁぁい!!!」
「また物凄く色々ベッキリ行きそうな空中関節技ね」
ヤレヤレと溜め息を付きつも執務室の窓を閉め、オリヴァーを回収しに外へ向かうシェラザードだった。
~ トマス & カッツェ(オズ) ~
「うふふふふ~♪魔女っ子ですか~♪中々可愛いですね良いですよね~♪、魔女!!」
「そっち!?」
「実は私『魔法使い』に憧れてたんですよ~♪」
「あれ?、トマスさんメインロール『魔法使い』じゃ?」
~《魔法使い》~
多分どっかにいる魔法英雄のメイン職業、魔法攻撃職の魔法全てが使える。
「はい♪いやぁぁ~♪、一時は色々有りましたが念願の『魔法使い』ライフが堪能できて私本当にいつも満足してます♪」
「魔法使いライフ?ってなに?」
「さあ♪カッツェちゃんも立派な魔女目指して頑張りましょ~う♪」
「おお~~?、って言うか僕男ですよ?」
「へ?」
その言葉にピタリと停止するトマス、しかしトマスは首を捻りながら。
「嫌々、カッツェちゃんみたいな可愛い子が男の子な訳無いじゃないですか、その装備だって女性専用ですし女の子なんでしょ?」
「ふぇえ!?、コレやっぱりそうなんですかぁ!?」
レオン達に言われた通りオズの新装備『マジカルローブ』はやはり女性専用だったらしい。
「うう、恥ずかしいけど、コレで信じて貰えますか!!」パオーン!!
「まっまさか!!!」
オズの勇気ある行動(一歩間違えば逮捕される危険行動)により、どうやらトマスの誤解は解けたらしいが。
「///もうお婿に行けません!!///」
「もしもしギルド連盟受付ですか!?、今すぐ『外観再決定ポーション』のては「させるかぁぁぁ!!」ぶぎゃあす」
「オズに変な事すんなこの変態!!!」
格好良くトマスに飛び蹴りを入れオズを救ったノインだったが、読者の方々は多分こうお思いだろう。
ノインが言うな!!、と
他にもギルドの方々とファン5000人が集まりトマスを包囲する。
「ふっふっふ~♪GMを敵にするというのがどういう事なのか教えて差し上げますよ~~♪」
「「「「「カッツェたんの貞操は我等が命に代えてもまもーーーーる!!!」」」」」
「///余計なお世話ですっ!!///」
「さぁ戦争の始まりですよぉぉぉぉ♪!!!!!!」
とまあ、グランセル脇のフリーフィールドで訳の分からない戦争をしているバカ達が居たりと、今日もまたグランセルは平和です。
~その日の夜~
「ミヤ!!湖の主が釣れた料理してくれ!!」
「こ!!これは、幻の幻想級食材!!!」
「ああ~♪、無理ゲーレイドボスを頑張ったからきっと神様がご褒美をくれたんだ♪」
「料理人Lv90ですら失敗濃厚(成功率40%)の『オリハルコンフィッシュ』、腕が鳴るわね!!」
レオンが『爆釣勝負』で釣り上げた湖の主はそれはもう美味しかったらしい。
『大和姫』
タカミヤの家に勝手に取り付けられた日本料理屋の看板。グランセルで和食が食べれるのはココ一軒のみ!!、一応まだ営業している。
『武士刀姫』
上同様タカミヤの家に勝手に取り付けられた鍛冶屋の看板。グランセルで刀が手に入るのはココ一軒のみ!!、一応まだ営業している。
~《シェラザード》~
オリヴァーの秘書、レオン達とも古い付き合いで元《軌跡》の一員、オリヴァーがGMに転職する際に秘書役として同行し、今なお秘書を続けている。昔っからバカをやるオリヴァーが放っておけない優しい姉さん、オリヴァーよりは年下。