~07~
06を修正し、それに合わせて書いてあるので話の流れが合わないと思う方もいらっしゃると思いますがご了承ください、さて相変わらずのぐだぐだでございます。
イベントも始まり、水上戦を行っている前線部隊を援護すべく、モンスター達の侵攻軍に対し足止めを行うことにしたレオン達は、龍化したジェイドの背中に乗り、長距離用にカスタムされたボウガンで空からモンスターを狙撃していた。一方でモンスターの動きを観察し念話で大規模防衛軍の本部へとリアルタイムの偵察連絡を行っていたロベルトはある事に気付いた。
「モンスターの動きが統制され過ぎている」
「ヤマトでも、ゴブが練兵訓練していると報告があったし、こっちのサーバーでも似たような事があっても不思議でもないけど」
「ロベルト、すまないがモンスターの動きを対策本部へ逐一報告してやってくれ」
「ああ、まかせとけ」
後手になってしまうのは否めないが、被害を抑える為にも対策がたてれるように情報を集めるしかないので今の現状ではそれが精一杯だった。少しでもモンスターを減らそうと伊織も範囲魔術を使い、モンスターを攻撃していく。
「あれは?」
ロベルトの言葉に釣られ、指差された方向を見ると大型の侵略船が進んで来ているのが見えた、どうやら本命の侵攻軍のようだった、ロベルトが早速本部へ連絡を入れると帰ってきた答えは本部への撤退だった。
「どういうこった!?、え?、まあ一理あるか、分かりました」
念話を終えるとロベルトは全軍撤退をすることをレオン達に伝え、撤退支援をすることを伝えた、冒険者達の防衛軍の方が優勢であったのに関わらず、撤退とはどういう事かとレオンが問うと。
「水上戦をしていた冒険者集団の船が海中からの攻撃で壊されてまっくてるらしい、このまま行きゃあじり貧になるのが分かってるそうだ、水上戦を諦めて陸地戦に全戦力を注ぎ込むらしい」
「なるほど、私達は少しでも多くの冒険者を撤退させて被害を減らす事かですか」
「多分そういうこったな」
「やはり、ゲームの時のようには行かないか・・・」
そう呟くレオンの言葉にそこにいた面々は顔を俯かせるが、皆は頭を振りそれぞれが出来る様々な攻撃でモンスターを倒していく。
他の全ての冒険者が無事帰還を果たしたのを確認してレオン達も撤退し、呼び出しに応じて対策本部へと出頭した。そこでは既に陸戦に備えた冒険者達が集まっており入室してきた指揮官から既に戦場予定地での罠の設置や砦の設営に取り掛かっていることが告げられる、作戦を告げられレオン達も部屋を後にすると割り当てられた部屋で装備の点検や物資の補給等を行っていた。
「陸戦になれば確かに冒険者に分があるかもしれないが、どう読む?」
「確かに陸戦になれば、サファギンにシーパンサーやシーファングなんかのアドバンテージは無くせるけど」
「相手も飛行タイプのモンスターはいるからな、ドッコイドッコイじゃねぇか?」
レオンの問に答えた伊織やロベルトの意見も最もで、相手も空からの攻撃を仕掛けてくるのは十分にあり得る、容易には行かないだろうと思っていたのだが。
「なら、我らが暗黒龍と白銀龍とで3:3に別れて相手の飛行タイプのモンスターと戦えば問題あるまい?」
そう述べた黒騎士をレオン達は呆気に取られた顔で見ていた、しかし黒騎士はなおも告げる。
「なんなら私とシア(タカミヤの事)だけで構わんぞ♪、戦力としては十分だろうしな」
「だがそれでは・・」
「いつまでイベント気分でいるのだそなたらは、これは戦争だぞ?」
「「「・・・・・・・」」」
レオン達は言葉を無くしてしまった、確かにレオン達はこの戦いがイベントであると考えていたのだ、ゲームをしている気分だった事は否定できない。そんな空気を壊すように部屋に戻ってきたのはタカミヤとナナとロンとジェイドだった。部屋に戻ってくるなり気の抜けた声で皆に手に入れてきた天津を配っている。
「どうしたの?」
「「「なんでもない」」」
タカミヤが首を傾げていたが三人は首を振って気にするなと言って、配られた料理を口に運ぶ。何があったのかと首を傾げるタカミヤやナナをおいてけぼりにしてレオン達は作戦を立て直す事にした。平原での陸戦になることを踏まえ、レオンは細かい部分を捕捉していく。
「俺達は陸戦メインでゲリラ戦を仕掛け、敵を撹乱するのが主な役目だ。それと、ミヤと黒騎士はロンバルディアで飛行タイプのモンスターを担当してほしい」
「まあ、ワイヴァーンとかはいるでしょうし、それは構わないけど」
「うみゅ、まふぁせるふぁよい(うむ、まかせるがよいと言っているらしい)」
「食べながら喋らない、あ~あ~、口の回りをこんなに汚して~もぅ」
威勢良く返事をした黒騎士だったが、もっきゃもっきゃと餡まんを頬張り口の回りをタカミヤにハンカチで拭かれているのでなんとも間の抜けた光景だった。その光景に思わず噴き出したのはロベルトで釣られて伊織とナナまで笑いだした。
「いや、すまん。なんだか和む光景だったもんでつい」
「ほんと、み~さんはオカンっぽいよねぇ~」
「仲が良いのは良い事ですの」
ひとしきり笑い終えた三人も、レオン達も、気分を切り替え戦場へと出発した。
~×××平原~
既に上陸した先発部隊と戦闘を開始し平原は戦場となった、魔物の怒号や冒険者の雄叫びが入り交じるなかタカミヤと黒騎士はロンバルディアの背に乗り、戦場を空から一望していた。
「なあシア」
「なんです?」
「そなたは・・・【天翼族】であろう」
「・・・・正確には【古来種】と【天翼族】の混成種族ですが・・・」
「やはりそうであったか・・・」
「貴女は何故そんな事を気にするんです・・・、『聖霊天使』様」
「私の事・・・・知っていたのか」
「立場上、存在だけは一応」
「なあ、私の事を知っているのなら・・・1つ聞いてよいか?」
「答えられる範囲でなら」
タカミヤはそう答えたが、黒騎士は何やら不安げな顔でモジモジとしていていつまでたっても質問がこなかった。だからタカミヤは自分から切り出すことにした。
「もしかして、・・・・名前・・・・ですか?」
「何故分かったのだ!?」
「いえ、初めステータスを見た時点では気付いてませんでしたよ?、さっき貴女が私に【天翼族】かどうか聞いてくるまでは・・・ね」
「それで、そのぅ」
「覚えていないので、残念ながらご期待には添えられません」
「そうか・・・」
物凄くガッカリしている姿のせいか、はたまた覚えてなかった罪悪感からか、タカミヤは彼女に慰めの言葉をかけてしまった。
「まあ、知り合いに当たってはみますが可能性は低いと思います」
「本当か!」
もの凄く笑顔で顔を近付けられて、タカミヤは思わず引いて言葉を訂正したくなったが。
(これで分からなかったとなるとまた落ち込むでしょうし、今更無かったことにできる雰囲気でもなさそうですし、困りましたね・・・・)
タカミヤがそんな事を考えているとも知らず、黒騎士は呑気に鼻歌を口ずさんでいた。
(まさか、エルダーテイル生誕20周年記念イベントで発表された新種族の英雄の片割れに既に名前以外のデータが与えられていたとは・・・、【天翼族】のテストを兼ねていた私の所に来たのは偶然なのか、はたまた誰かの悪戯なのか・・・、運命なのか・・・・困りましたね)
溜め息をついてさてどうしたものかとタカミヤは考え初めたのだった
《エルダーテイル生誕20周年記念、追加新種族》
※【ノウアスフィアの開墾】で後々追加される予定だった新種族。平等を保つため、あるイベントをこなして転生することで以下の2種族になれる仕様で追加パック解禁後の年末頃に解放される予定だった。
【竜角族】
竜の角が生えた種族、【猫人族】や【狼牙族】などから転生するとまんま竜顔になってしまうなどの問題点があり修正中だった種族、【天翼族】とのステータス差はほぼないが、こちらの方がHPやSTRやVITなどが高め。
【天翼族】
背中に天使の翼が生えた種族、こちらは強制で【ヒューマン】がベースになり、翼が生える仕様。タカミヤは自身のテスト用アバター【アナスタシア】でこの種族のステータステストを行っている最中だった。黒騎士もこの種族
【竜角族】に比べMPやINTやSPDとAGLが少し高め。




