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Ex-Stage 05

天秤祭1日目の夜のお話

              ~祭とは?、『騒ぐ事だ!!!』~



天秤祭1日目の夜、特設ステージにてあるイベントが開催されていた。


「ついに、この瞬間がやって来たーーーーーー!!!!

 今、アキバで最も熱い娯楽、そう・・・料理!!、そして今宵

 『アルティメットクッキングinマヨナカアリーナ、アキバ料理王決定戦』

 いざ、開・幕ーーーーーー!!!

 司会は私、文彦がお送りします!!、盛り上がって行くぜーーー!!」


観客席からも『ワァァァァァァァーーーーーーー』と盛り上がりの声があがる

司会者の文彦はマイクを掲げて観客を煽りまくる


***<マイク>**************************************************

見た目ユニークな棍棒、音声拡張機能付き、ジョークアイテムの一種

提供は海洋機構から

***************************************************************



そして、文彦はマイクを口許に構え


「この闘いに参加してくれた、勇者達を紹介するぜーーーー!!

 エントリーNo,1

 『腹黒眼鏡も思わずほっこり、皆の胃袋を守る猫料理人クッキングキャット!!』

 炎の神業料理人、《にゃん太》!!!」


文彦の紹介を受け、手を差し向けると


バシャンという音と共にライトアップされたにゃん太が現れる

にゃん太は片手を胸に当て礼儀正しくお辞儀をする

観客席からも「班長、絶対優勝祭だぜーー!!」「にゃん太さーん!!」と

応援の声があがる


「エントリーNo,2

 『向日葵の笑顔は俺が守って見せる、笑顔を支える縁の下の力持ち!!』

 笑顔の情熱料理人、《ギーロフ》!!!」


ライトアップされたギーロフが観客席にペコペコとお辞儀をすると

彼を応援する声援が観客席から響く

「頑張ってや~ギーロフーー!!」「絶対優勝です!!」


「エントリーNo,3

 『ソウ様の為に愛情一杯詰め込みます、西風はいつも優しく透き通る』

 西風の愛情料理人、《ひさこ》!!!」


ライトアップされ観客席に頭をペコリと下げるひさこ、彼女にも当然

観客席の仲間からのエールが届く

「ひさこーーーーファイトだよーー!!」


しかしひさこは観客席を見てガッカリする

「ソウ様、来てない・・・・」


ソウジロウは現在、外で屋台巡り中であり、シロエと念話中である

*アニメ参照*


「可哀想だが次行くぜ

 エントリーNo,4

 『腹が減ってはレイドは出来ぬ!!、黒き厨房の担い手』

 黒剣の鉄腕料理人、《ガノンドロフ》!!!」

「俺が男の料理って物を教えてやるぜ!!!!」


ライトアップされると同時に考えておいた決めセリフを放ち

カッコよく決めるガノンドロフ、しかし観客席からは一切反応がなかった


「って・・・ウチのギルドの奴は誰も来てねぇのかよ!?!?」


ショックを受けるガノンドロフに文彦は容赦なく現実を叩きつける


「黒剣騎士団の方達は街を巡回警備中です

 つうかアンタも参加しないでいいのか?」

「ヒデェ!!、アンタ司会者だろうが!!」

「問答無用で次行くぜぇ!!」

「マジヒデェよコイツ!!」


ションボリするガノンドロフを追いやる文彦


「エントリーNo,5

 『進化した科学は魔法と区別が付かない、マジカルクッキングの伝道師』

 不思議な食の探究者、《ミカカゲ》!!!」


ライトアップされたミカカゲは、お供の精霊と一緒に並んで頭を下げる


「頑張ろうねアリー♪」


観客席からも二人を応援する声が色々な所からあがる


「おおっと~、カワイイは正義なのか~?それともロリコンか~!?!?」


文彦のからかいに観客席から笑いが起きる


「エントリーNo,6

 『戦士を支える食事を緻密に計算、幾人の戦士達を守る料理』

 大規模戦闘料理人(レイダー)、《静琉(しずる)》!!」


ライトアップされ艶やかに礼をする静琉、観客席から山程のエールが送られる

静琉はそれに応えて意気込みを語る


「応援してくれる皆の為に頑張るわねぇ~♪」

「「「「姉さーーーーーーーん!!!」」」」


「以上6人の勇者達でお送りするぜ、チャンネルはそのままだ!!!!」


ビシっという動作で何処かを指差す文彦

観客席から


「放送してねぇよ!!」

「あっはっはっはっはっは」


という野次や笑い声が響き渡る。


「勇者達よクジをひけぇい!!」


クッキングアリーナの6人の待つ中央に、黒子姿のスタッフがクジの入った箱を

持ってきて前に差し出す


6人は一斉にクジを引き、対戦組み合わせは以下の通りに


一回戦

にゃん太 VS ギーロフ


二回戦

ガノンドロフ VS 静琉


三回戦

ミカカゲ VS ひさこ



対戦相手とラウンドが決まったところで文彦からある事が告げられる


「えー、ひさこ選手は『ソウ様居ないからやる気でない・・・』

 と言う事で辞退したそうです」



観客席から


「なんじゃそりゃ~」「せっかくだから頑張れよ~」


と野次と応援が半々で送られ、ひさこは文彦からマイクを借りて客席に


「色んな人が応援してくれてるのにワガママ言ってゴメンナサイ!!」


と、頭をペコっと下げた


「まあ・・・怒ってる訳じゃねぇしな」「ああ、そだな」


と客席もひさこの事を許してくれたようだ

文彦はひさこからマイクを受けとると


「ひさこさんはこれでファンが増えたかもしれませんね

 ラブレターには返事を書かないで頂くといいと思います」


文彦はジョークで場を盛り上げると、仕切り直し


「では、一回戦始めるぜぇ!、2人共前へ」


にゃん太とギーロフは並んで出てきて顔を見合わせると

握手を交わしあい


「ご指導宜しくお願いします、班長」

「此方こそ、お手柔らかにお願いしますにゃぁ」

「お互いに健闘を誓いあう二人、いい光景です」


「文彦自重しろー」と野次られてしまい文彦は席を外す

バックヤードに置かれた大型ブリキ時計と銅鑼を運んできて


「制限時間は20分、それでは第一回戦・・・・始めぇい!!」


合図と共に銅鑼をジャーンと打ち鳴らした。

闘いが始まるとまず動いたのはにゃん太だった

特設キッチンを手際よく確認すると、コンロに弱火で火を付けフライパンを置く


「食材選びの時間も有意義に使ってこその料理人にゃあ」


そしてにゃん太は会場中央の食材台へと向かう


一方ギーロフも竈に火をくべ鍋に食材を放り込む


****竈***************************

かまどとは昔のコンロのようなもの

*********************************

必要ないと思いますが、一応念のために別個で書いておきます、スルー推奨。



ギーロフは鍋を煮込みつつも食材を切り刻んで行く


「後は下ごしらえして、出汁も作らなきゃ!」


***出汁*******************************************************************

だしは料理の大半に必須、洋風ならブイヨンスープ等のこと

料理の様々な味付けに使われる重要な物、出汁が不味いと料理も不味くなりやすい

カレーや鍋物、スープやラーメン等の麺類等、大概は出汁が決め手となる。

**************************************************************************


にゃん太も食材を選んで戻ると、テキパキと切り刻み下ごしらえし

あるものに取りかかる


様々な分類に切り分けスパイスを振り


「よい火加減ですにゃあ、いざ・・参るにゃあ!!」


芳ばしい匂いをあげるそれを横目でみやりつつにゃん太はトッピングを作り始める




~~~~~~~~~~~~~~~~~20分後~~~~~~~~~~~~~~~~~


「それまで!!、2人は料理を止めて盛り付けてください」


にゃん太とギーロフはお互いに皿に料理を盛り付け始める


「ではココで審査員を紹介します

 まずは<RADIOマーケット>のご隠居、<茜屋=一文字の介>

 お次は今回の食材提供でございます<海洋機構>の豪腕、支配人<ミチタカ>

 祭りに乗り遅れて居たので取り敢えず連れて来ました

 <ホネスティ>の<アインス>」

「何て事を言うんですか!?、のっ・・乗り遅れてなんかいません!!」


紹介と同時に席を荒だって立つアインス、しかし隣に座るミチタカに宥められれて

渋々ながらもまた席につく


「出不精だったので無理矢理連れて来ました、<ロデリック商会>の<ロデリック>

 そしてこの人、言わずと知れたこの人、<味王(あじキング)>!!」


その下手な変装の老人が現れた瞬間、客席、参加者、審査員、全て心が1つになる



               (((((誰?)))))



「まあこのオッサンはスルー推奨だ、それではまずはギーロフ選手から!!」

「あの司会者、時々毒吐くな」「なんであの司会者選んだんだろうな?」


観客席の疑問など露知らず先々進行する司会者

ギーロフは料理番組でお約束の蓋をつけた皿を運び、審査員の前で一気に開ける


「おお、こいつぁ」

「ハンバーグですか」

「はい!

 <スーパークレセントバーグ、オリジナルデミグラスソース仕立て>です」

「成る程、この街の娯楽である食事の原点、<クレセントバーガー>を

 思わせる料理ですな」

「審査員の方々、審査をどうぞ」


司会者から促され、料理を食べる審査員達

皆がその懐かしい味に唸る中、味王は


「うーまーいーぞー!!!!」

「うわっ!!、あのオッサン口から光でたぞ!?」

「ネタだ!!、絶対ネタロールだ!!」

「はい、観客の皆さんの言う通りこのオッサンはネタロール<味王あじキング>です

 料理を食べると口とか目から光を出せるだけの役立たずですが

 今日はこの為だけに変装させて連れて来ました~」

「あの司会者やっぱちょっとヒデェ」


毒言を吐く司会者にガノンドロフが呆れる

そして続いてにゃん太の番となる


「吾輩はこちらですにゃぁ」

「これはまたよい匂いですな」

「なんという料理ですか?」

「ロック鶏を使った

 <鶏肉と香草の包み焼き、秋風の薫りに揺られて>ですにゃあ」

「これまた見事!!」


審査員の面々は料理に舌鼓を打っている

<味王>は端っこで寂しく光っていた


「審査員一人につき20ポイントの持点があり、ポイントの多い方が勝者です」


司会者の説明を聞き、にゃん太とギーロフは静かにまつ

採点が終了し司会者が採点表を受け取ると


ダララララララとドラムロールが何処からともなく聞こえてくる

辺りを見回すと、黒子の格好をした人がわざわざ叩いていた


「アイツ絶対<ちんどん屋>だろ」

「ガノンドロフ君余裕ねぇ、次は私とアナタの対決よぉ」

「ふん!、<黒剣>が<D,D,D>に負けるもんかよ」

「あら♪、お姉さんそういうの好きよぉ」

「///だぁ!?、すり寄んな///」

「は~いそこ、いちゃつくならホテル行ってください」

「///いちゃついてねぇ!!///」

「うふふ♪、うぶなのねぇお姉さん食べちゃいたいわぁ♪」


「とにかく結果発表!!!!」


気を取り直した司会者のセリフに合わせドラムはダダダン!と締めくくりを入れる


「60:40で、勝者・・・・にゃん太!!!」

「くぅ~、やっぱり負けたか~」

「いえいえ、よい闘いでしたにゃあ」

「審査のポイントを聞いてみたいと思いますが、アインスさんどうでしたか?」


司会者の文彦からマイクを受け取りお互いの料理の良いところを語って行き

どちらも褒め称えたアインスは最後に


「やはり決め手は、この世界の食材を見事に組み合わせた事でしょうか」

「アインスさん、ナイスコメント有難う御座います」


アインスからマイクを受け取った文彦は、手を挙げると


「熱気はこのままに、続けて二回戦いくぜぇ!!!!」


客席からもウォォォォォォォォという歓声が沸き上がる



              ~~~~~省略~~~~~


「ではガノンドロフ選手からどうぞ!」

「おう!俺の料理はコイツだぁ!!

 <黒剣印の鉄板ヘルシースタミナ焼き>だ!!」

「おおこれまた見事ですな」

「私も行くわねぇ

 <D,D,D特製、スペシャルレギオンランチ>よぉ♪」

「ほほう、これは面白い」


    ~省略~



「55:45で勝者・・・・ガノンドロフ!!」

「いぃ~・・・よっしゃぁああ!!!」」「そんなぁ」

「では茜屋=一文字の介さんコメントお願いします」


文彦からマイクを受け取り両者の料理をコメントしていく一文字の介

最後に


「決め手は、豪快でありながら、繊細な栄養バランスを考えられた

 彼の次の料理を見てみたいという事に尽きます」

「またもやナイスコメント、有難う御座います!!」

「はいは~い」

「何でしょうミカカゲさん」

「私の対戦相手どうなるの?」

「リードで進んで3人で決勝戦になりますね」

「はいはいりょーかーい♪」


「行くぞ観客共!!、熱気の貯蔵は十分かーーーー!!!!」


客席からウォォォォォォォォという先程よりも熱い歓声に揺れる会場


「3人による、同時決勝戦だーーーーー!!!、開始ーーーーーーーー!!」


三人同時に食材置き場にたどり着き良いものを選びとる面々

それぞれ食材をとり調理ブースへと戻ったにゃん太はある事に思い当たる


20分後、それぞれの調理が終わり、其々審査ブースへと移り終えると


「では、一斉に・・・・どうぞ!!!」


文彦の合図で一斉に料理を出す3人


「黒剣特製スペシャルケバブだっ!・・・・って、デザートじゃねぇか!!」

「だって私はデザート専門だし、ね~アリー」


ミカカゲはお供の精霊を抱いてガノンドロフに見せる

そんな中、にゃん太の皿には何も乗ってなかったのである


「出来てないし手を抜いたって事はねえだろう、なんでねぇんだ?」

「料理はやっぱり、気の会う仲間と共にワイワイ食べるのが美味しいにゃあ

 客席の皆さんも、良ければ一緒に食べませんか?」

「そういう事なら負けてらんねぇ!、ジャンジャン作んねえとなぁ!!」

「だね♪、行こうアリー♪」


ガノンドロフとミカカゲが調理ブースへと戻り

ギーロフと静琉も急いで調理ブースへと向かう


「えー、押さないでくださーーーい、今こちらで取り皿をご用意しておりますので

 こちらで取り皿を取ってからそれぞれの料理ブースへと移動してくださーい」


文彦はマイクで客の整理を始め、客達も順番に並んで取り皿を貰い

我先にと目当ての料理ブースへと移動していく


「ジャンジャン食って食って食いまくってくれ♪」

「黒剣とウチのコラボ料理も作ってみたから是非食べてねぇ♪」

「いつ作った!?」「ついさっきよぉ♪」

「デザートが欲しい人は私の所に来てね~~♪」


先程までの熱気は冷め、しかし代わりに笑顔と笑い声に溢れる会場

その光景を見ていたにゃん太の所にギルドの仲間が近づいてくる。


「なんて言うか、らしくていいんじゃねぇかな、だって祭りだしよ♪」

「共に過ごす人が居てくれるからこそ、祭りは楽しいですのにゃぁ♪」



天秤祭1日目の夜はこうして更けて行くのであった。



こんなのだってあっても良いと思います!!だって祭りだもん!!

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